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本編
懲りない面々
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今日はベンが騎士団と剣の練習をするとシュワルツから聞いたので、二人でこっそり観に行くことにした。
何故こっそりなのかというと、以前に観たいといったら断られたからだ。
恥ずかしいから、レイが騎士団に見られたら注目されるだろうから、それが気になって剣の練習ができないと言われたのだ。
嫉妬なら仕方ないと引き下がったんだけど、ベンのカッコいい姿がどうしても見たいんだ!
そんな話をしていたら、シュワルツが忙しい時間を割いて誘ってくれたのだった。
「ベンは焼きもちやきさんですね、お陰で親も知らなかった面が見られて面白いです」
クスクスと笑うシュワルツ、楽しそうだ。
王宮の騎士団専用の大きな闘技場があり、そこで内々での剣の大会が行われていて、そこへ連れていってもらった。
何千という騎士が一斉に観客席にいる。
大国の騎士って何人いるんだって話だ、俺は故国とのあまりの規模の違いに言葉が出なかった。
「今日のために近隣支部からも地方領主の騎士が来てるんですよ、王の騎士団だけではなく」
そういうことか…。
ここに集められたのは精鋭の選び抜かれた騎士という職業の男たち。
シュワルツは宰相だからちゃんと席が用意されていて、俺も隣にと言われたんだけど内緒なので後ろの客席を用意してもらうことになった。
会場に着くと、何故かいきなりざわめく騎士たち。俺をチラチラ見て噂をしている。
え、なんか俺変なのか?
と思ったら一人の騎士が話しかけてきた。
「見ない顔だね、君どこの子?どこの部署?」
「えっ…」
「騎士、じゃないのか、其の身なりだと貴族とか?」
数人に囲まれ、一気に捲し立てられる。
騎士、思ってたより軽くない?
「あっ!いたいた!ここだよ!」
突然誰かに話しかけられて見ると、第3王子のエルンストだった。
「レイ、探したんだよ、よかった。さ、いこう」
彼は俺の腕を引いて群がる騎士から引き剥がし、つれていく。
「…レイは自分に気づいた方がいい…危険な目に遭うぞ」
ぽそっと耳元で毒づかれ、エルンストを見る。
どうやら助けてくれたらしい。
でも、エルンストはあのニーナ皇后の息子…気は許せない。
「そんな警戒しなくていいよ、一緒に観よう」
「でも…」
「また、あの集団に混ざりたいの?男好きだなあレイは」
「そんなんじゃない」
くそ、やっぱりムカつく。
「あら?エルンスト、誰と話しているの?」
するとそこに現れたのは、皇后だった。
何故こっそりなのかというと、以前に観たいといったら断られたからだ。
恥ずかしいから、レイが騎士団に見られたら注目されるだろうから、それが気になって剣の練習ができないと言われたのだ。
嫉妬なら仕方ないと引き下がったんだけど、ベンのカッコいい姿がどうしても見たいんだ!
そんな話をしていたら、シュワルツが忙しい時間を割いて誘ってくれたのだった。
「ベンは焼きもちやきさんですね、お陰で親も知らなかった面が見られて面白いです」
クスクスと笑うシュワルツ、楽しそうだ。
王宮の騎士団専用の大きな闘技場があり、そこで内々での剣の大会が行われていて、そこへ連れていってもらった。
何千という騎士が一斉に観客席にいる。
大国の騎士って何人いるんだって話だ、俺は故国とのあまりの規模の違いに言葉が出なかった。
「今日のために近隣支部からも地方領主の騎士が来てるんですよ、王の騎士団だけではなく」
そういうことか…。
ここに集められたのは精鋭の選び抜かれた騎士という職業の男たち。
シュワルツは宰相だからちゃんと席が用意されていて、俺も隣にと言われたんだけど内緒なので後ろの客席を用意してもらうことになった。
会場に着くと、何故かいきなりざわめく騎士たち。俺をチラチラ見て噂をしている。
え、なんか俺変なのか?
と思ったら一人の騎士が話しかけてきた。
「見ない顔だね、君どこの子?どこの部署?」
「えっ…」
「騎士、じゃないのか、其の身なりだと貴族とか?」
数人に囲まれ、一気に捲し立てられる。
騎士、思ってたより軽くない?
「あっ!いたいた!ここだよ!」
突然誰かに話しかけられて見ると、第3王子のエルンストだった。
「レイ、探したんだよ、よかった。さ、いこう」
彼は俺の腕を引いて群がる騎士から引き剥がし、つれていく。
「…レイは自分に気づいた方がいい…危険な目に遭うぞ」
ぽそっと耳元で毒づかれ、エルンストを見る。
どうやら助けてくれたらしい。
でも、エルンストはあのニーナ皇后の息子…気は許せない。
「そんな警戒しなくていいよ、一緒に観よう」
「でも…」
「また、あの集団に混ざりたいの?男好きだなあレイは」
「そんなんじゃない」
くそ、やっぱりムカつく。
「あら?エルンスト、誰と話しているの?」
するとそこに現れたのは、皇后だった。
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