第二の人生は王子様の花嫁でした。

あいえだ

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本編

特異体質?

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「ゼルと話ができる?」

俺はこくりと頷いた。
全員驚いて俺を見ている。そりゃそうだろうな、普通はこんな話、到底信じられないもん。

「よくあることではないんですが、初めてそれに気づいたのは幼いときでしたね…」

そうだ。前の王宮で小鳥の声が会話に聞こえたときがあった。そのときは孤独すぎて本気で頭がおかしくなったのかと思ったもんな。

「ゲットとゼルの言葉はわかるのか?」

ベンが俺の顔をめちゃくちゃ覗き込んで興味津々だ。俺はうんうんと頷く。

「あの、だから…その」
「ああ、腐ってる食事を食べさせられそうになった時にゼルが食べたいとゴネて事なきを得たそうですね。それはそういうことでしたか…」
「ひ!何で知って…!?」

すらすらとあの時のことを言うシュワルツに俺は目を剥くと、シュワルツが執事を見た。

「裏方のことはこの執事が全て把握しています。私もレイのことを知ろうとして、今朝報告を受けたのですよ」

シュワルツの言葉にベンが執事を見てちくりと嫌みを言った。

「そういう事はこちらにもいって欲しいものだな…」
「申し訳ございません…」

「それはお前とレイのコミュニケーションの問題だろう?」

小さくなって謝る執事を陛下が笑いながら庇う。今度は俺とベンが小さくなった。

「そうだ、レイはベンがいないときは私と食事をしましょう。そうすればたまにはベンも一緒に来るでしょう?」
「ああ、それがいいな、私も賛成だ」

ほえ?

シュワルツの提案に俺はめちゃくちゃ驚いた。それって、宰相と陛下と一緒に食べるってことだよね!?
緊張しすぎて味とかわかんなくなりそう。

「それに、ゼルの話も翻訳して聞かせて欲しい。こいつは王宮内を自由に動いているから何でも知っているからな…意外と重要な話も聞けるかもしれん」

陛下がそう言ってゼルの頭を撫でた。ゼルは気持ち良さそうに目を細めながら俺に言った。

「レイの体質を聞いたときに思ったんだが、俺でしか知り得ない情報を時々陛下に伝えてほしい、この人の役に立ちたいんだ、頼むよ」
「わかった、俺でよければ」

そっか、だから陛下に言えと…俺は納得した。

そして、大変なお役目ができてすごく嬉しくなった俺は思わず隣に座っているベンの腕に抱きついてしまった。ベンは笑って俺を抱き寄せた。

「ゼルはなんて?」

陛下が俺に尋ねると、ゼルが言った。

「ま、さっきは意外と重要なとか言われたからなー、くだらない噂話聞かせてやるよ、って言っといて」
「は!?くだらない噂話聞かせてやる?んなこと言えないって!」

ハッと我に返ると、全員、目を丸くして俺を見ている。

もう、言ってしまっていた…。

部屋に陛下とシュワルツの笑い声が響いた。

ゼルは涼しい顔をしながら後ろ足で耳のあたりを引っ掻いている。

その日から俺はシュワルツの元で過ごすことが増えた。






















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