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本編
★帰宅のベン
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ベンが夜中にやっと帰ってきた。今この国は雨季なので天候も悪い。大雨が降っていたために着くのが遅れていたようだ。
「おかえりなさい」
「ただいま」
ぎゅっ、と抱き締められる。
「変わったことはなかったか?」
「え、いえ、別にないよ?」
「そうか…」
俺の返事に少し目を伏せる。何だか落ち込んでる?仕事に疲れたのかな…?
「疲れたでしょう?お風呂入って今日は休んで…」
「レイ、今すぐ抱きたい」
「へ?」
行きなり抱き上げられた俺はバスルームに連れていかれる。
「ちょ!なっ…!?疲れてないのぉ!」
「それとこれとは別腹」
は!?何言ってんのか全く意味わかんないぞベン!それに俺はもう先に風呂頂きました!二回も入んのかよ。
脱衣所で半ば剥ぎ取るように服を脱がされていく。少し乱暴?そんな気がした。するすると全部脱がされ、唇を奪うようにキスをする。強引に押し付けてくるベンの唇が冷たかった。
「…ねえ、こんなに、冷えて…」
触れてみると、彼の体も冷たかった。
「レイは温かいな」
「さっき風呂入ったからね…なのにまた?」
「うん」
ベンが頷く。やっぱ入るんだ…。
シャワーでベンにお湯を掛けてあげて、背中をさする。俺とは比べ物にならないほどの筋肉質で逞しいベン。背中から右腕、首筋にかけて王家の直径である、不思議な模様の刺青にも見えるような赤いアザが広がる体を洗ってあげる。
胸筋と腹筋にはいつも惚れ惚れしちゃうんだ。同じ男としてこうも造形が違うともう嫉妬もしないよな、まあ、鍛えてるからの結果なのだろうけれど、元々筋肉がつきやすいとも言っていた。
そうだな、兄のヴォルフはベンより痩せてて細い。
ああ、ベンは国王陛下に似てる。ヴォルフはもう一人の親、宰相に体つきが似てるんだな。
「レイ?何を考えてる?」
俺はベンの声にハッとした。首を振って笑いかける。
するとベンが俺を抱き締めてまたキスをした。そのまま指が胸を撫でて乳首を摘まむ。何度か繰り返されるうちにピリッとした快感が俺の中で頭をもたげ、暴れ始めた。
気持ちいい、昔は不感症かと思うくらいだったのに、どんどん敏感になる俺の体。
ベンに開発されてるなぁとしみじみ思った。
ぞわぞわと来る快楽の波。それに呑まれてしまいそうになるのを震えながら堪えている。でも、もう限界が近い…!
「ぁ、ぁぁっ…んっ、ふ…あっ!ぁ…だめ、なんか、今日、早い…!」
「胸でもうイくか…。いいぞ」
やめるどころかもっと胸を擦って舐めはじめるベン。俺はほどなく降参した。
「イくっ!…っん、ん…」
震えながら絶頂に叩き込まれた俺は、自身から溢れる液を床に吐き、それがシャワーのお湯と混ざって流れていくのを見ていた。
まだ快感の余韻が体を支配している。途方もなく気持ちいい。
ベンは用意していた潤滑剤を手に取り、俺の後ろに指をそっと差し込んだ。
「…柔らかいな」
「ん、んん…や、あ、ん」
「俺のために準備してくれてたのか、嬉しいな」
「ん…」
改めてそう言われるとなんか恥ずかしい。耳まで赤くなってはっきり答えられなかった。
「可愛い…あいしてる、レイ」
ベンが指を動かし始めた。
「おかえりなさい」
「ただいま」
ぎゅっ、と抱き締められる。
「変わったことはなかったか?」
「え、いえ、別にないよ?」
「そうか…」
俺の返事に少し目を伏せる。何だか落ち込んでる?仕事に疲れたのかな…?
「疲れたでしょう?お風呂入って今日は休んで…」
「レイ、今すぐ抱きたい」
「へ?」
行きなり抱き上げられた俺はバスルームに連れていかれる。
「ちょ!なっ…!?疲れてないのぉ!」
「それとこれとは別腹」
は!?何言ってんのか全く意味わかんないぞベン!それに俺はもう先に風呂頂きました!二回も入んのかよ。
脱衣所で半ば剥ぎ取るように服を脱がされていく。少し乱暴?そんな気がした。するすると全部脱がされ、唇を奪うようにキスをする。強引に押し付けてくるベンの唇が冷たかった。
「…ねえ、こんなに、冷えて…」
触れてみると、彼の体も冷たかった。
「レイは温かいな」
「さっき風呂入ったからね…なのにまた?」
「うん」
ベンが頷く。やっぱ入るんだ…。
シャワーでベンにお湯を掛けてあげて、背中をさする。俺とは比べ物にならないほどの筋肉質で逞しいベン。背中から右腕、首筋にかけて王家の直径である、不思議な模様の刺青にも見えるような赤いアザが広がる体を洗ってあげる。
胸筋と腹筋にはいつも惚れ惚れしちゃうんだ。同じ男としてこうも造形が違うともう嫉妬もしないよな、まあ、鍛えてるからの結果なのだろうけれど、元々筋肉がつきやすいとも言っていた。
そうだな、兄のヴォルフはベンより痩せてて細い。
ああ、ベンは国王陛下に似てる。ヴォルフはもう一人の親、宰相に体つきが似てるんだな。
「レイ?何を考えてる?」
俺はベンの声にハッとした。首を振って笑いかける。
するとベンが俺を抱き締めてまたキスをした。そのまま指が胸を撫でて乳首を摘まむ。何度か繰り返されるうちにピリッとした快感が俺の中で頭をもたげ、暴れ始めた。
気持ちいい、昔は不感症かと思うくらいだったのに、どんどん敏感になる俺の体。
ベンに開発されてるなぁとしみじみ思った。
ぞわぞわと来る快楽の波。それに呑まれてしまいそうになるのを震えながら堪えている。でも、もう限界が近い…!
「ぁ、ぁぁっ…んっ、ふ…あっ!ぁ…だめ、なんか、今日、早い…!」
「胸でもうイくか…。いいぞ」
やめるどころかもっと胸を擦って舐めはじめるベン。俺はほどなく降参した。
「イくっ!…っん、ん…」
震えながら絶頂に叩き込まれた俺は、自身から溢れる液を床に吐き、それがシャワーのお湯と混ざって流れていくのを見ていた。
まだ快感の余韻が体を支配している。途方もなく気持ちいい。
ベンは用意していた潤滑剤を手に取り、俺の後ろに指をそっと差し込んだ。
「…柔らかいな」
「ん、んん…や、あ、ん」
「俺のために準備してくれてたのか、嬉しいな」
「ん…」
改めてそう言われるとなんか恥ずかしい。耳まで赤くなってはっきり答えられなかった。
「可愛い…あいしてる、レイ」
ベンが指を動かし始めた。
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