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ストレッチ
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122 ストレッチ
夜の営業が始まった。
僕はいつも通りサラダの担当だ。
サンドラ姉さんの言ってることはもっともなことだし、わかりやすくもあったけど、実際やってみようとしてもなかなかできることではない。
師匠の背中を見ていても考えていることなんてわからない。必要な食材は師匠の左側にそっと置くようにしたけれど。
「あせらずひとつひとつできるようになっていけば良いのだ」
そう言ってくれたフェルの言葉を思い出す。
「ケイ、アタシの作業に合わせてハンバーグの皿に付け合わせを乗せなさい。できるわよね」
「はい!」
盛り込みはいつもサンドラ姉さんがやっている通りにやった。
そのうちだんだんとサンドラ姉さんがハンバーグを仕上げるタイミングが掴めてくる。
両面に焼き色をつけたら一度鉄板の火の弱いところにハンバーグを移動させる。
そして別の用意していた半分火の通ったハンバーグをお酒を振りかけてフタをして一気に強火で蒸すのだ。
1分から2分、肉によって火の通り加減が微妙に違うから多少の誤差はあるが、フタをしたら盛り込み始めればだいたいタイミングが合う。
「サンドラ、場所を変われ。交代だ」
サンドラ姉さんのタイミングに慣れて来たころ師匠がそう言ってハンバーグを焼き出した。
サンドラ姉さんは意味深に僕に向かって微笑んだ。
サンドラ姉さんの焼き方と師匠の焼き方は少し違う。
師匠ははじめ強火で一気に片面を焼いてそのあとひっくり返して蒸し焼きにする。
途中何度か場所を変えて火加減を調節しながら一気に焼き上げる。
サンドラ姉さんの方が少しだけ早いけど、師匠の手つきが素早くて淀みがないので、2人の仕事のスピードはそんなに変わらない。
師匠が作るハンバーグの方が表面が少し焦げているけど、サンドラ姉さんの作るものよりふわっとした仕上がりになっている。少しふくらんで見えるのだ。
問題はそのハンバーグの仕上がりのタイミングが読みづらいということだけど……。
でも、ひっくり返してからの師匠の手付きでだんだんとわかって来た。
「フェルちゃん。来たわよー。あらエプロンよく似合ってるわーかわいいじゃない」
この声はエリママか?
「げ、エリザベス。あなた来るならちゃんと予約しなさいよ」
「あらアレク。久しぶりに会ったのにつれないわね。急に来たっていいじゃない。だってフェルちゃんが昼間、楽しそうに店のことを話すんだもの。王都の親代わりの私が見学に来るのは当然の権利だわ」
「その名前で呼ばないで。私はサンドラよ。エリザベス。あなたずっと外で並んでたの?大丈夫だった?」
「私だって今はただのエリーよ。たまには家族で外食くらいいいじゃない。人気のお店なら並んで待っても構わないわ」
どうやらサンドラ姉さんはエリママの古い知り合いらしい。そうか。サンドラ姉さんも元貴族か。きっといろいろあったんだろうな。あまりそこに触れるのはやめとこう。危険な感じがする。
「フェル。最初の飲み物はアタシにつけておいて。エリー。歓迎するわ。ゆっくり食事を楽しんでいって」
「ありがとう。サンドラ。フェルちゃんとケイくんはしっかりやってる?」
「2人ともまだまだね。でもよく働いてくれているわ。2人とも真面目でいい子ね」
「そうなのよ。うちでも家族ぐるみでお付き合いしてるの。フェルちゃんなんて私が王都でのお母さん代わりをしてあげてるんだから」
「あなたがお母さん代わりって……なんだかすごいことになってるわね」
エリママの方をチラッと見ると、3男が僕に手を振っている。ゼランドさんとドナルドさんも一緒だ。
笑顔で返したけど、今の僕はそんなに余裕はない。師匠の焼き方をとにかく目に焼き付けないと。
「エリママ、ゼランドさん、ドナルドさんも3男もよく来てくれた。まだビーフシチューが少し残っているぞ。いつもはもう売れ切れてしまうのだが運が良い。うちの店の1番の人気メニューなのだ」
フェルが席に案内してオーダーを聞く。
そのオーダーが出来上がったら師匠が僕に向かって言う。
「フェルだけじゃ手が足りねえ。お前も持っていけ」
師匠にお礼を言ってみんなのテーブルに料理を持っていく。
「みなさん、今日はありがとうございます。ゆっくりしていってください。3男。来てくれて嬉しいよ。今日のビーフシチューは僕が作ったんだ。楽しんでいって」
あいさつを済ませてまた仕事に戻る。
集中して仕事をこなしていたら、エリママたちが帰ったのにも気づかなかった。
「ケイ、フェル。時間だ、そろそろ賄いを食え」
空いているカウンター席で師匠が作ってくれた賄いを食べる。
今日の単品のアラカルトが、お皿に盛られていた。コロッケとオムレツ。それとチキンカツだ。
まだ店では作ったことがない。食べていたら師匠が話しかけてくる。
「ケイ。ホランドのところが新しく出した料理は知っているか?トンカツって料理なんだが」
「はい。ホランドさんと一緒に考えたから知ってます」
「そのホランドが使ってるウスターソースってやつをかけると揚げ物が美味くなるらしいな。どう思う?」
「ウスターソースはホランドさんのところで使っている塩ダレみたいな万能調味料なんです。そのままかけてもいいですけど、少しケチャップを混ぜたりして調節すればきっと美味しくなると思いますよ」
「お前作れるか?」
「はい。ホランドさんのところで作り方を習いましたから大丈夫です」
師匠は少し悩んだ顔をしたが、明日レシピを買ってくるから休み明けに作ってみろと言われた。材料を書き出して師匠に伝える。
そのあと在庫を確認して厨房の片付けが終わったらフェルと一緒に店を出た。
「今日はちょっと疲れちゃったよ。いつもよりゆっくりお風呂に入ってもいいかな?」
待ち合わせ時間を決めてフェルと別れてお風呂に入りに行った。
湯船に浸かりながら今日の反省をする。なんだか今日は目が疲れたので、タオルをお湯で濡らして目の上に置いた。
お昼にホールだけやらされたのはみんなの仕事をよく見とけってことかな?
サンドラ姉さんみたいに動けるようになれってことかな。でもいきなりは無理だよね。
でも理想の仕事の仕方がわかったから、目標ができて良かったのかも。
あとはどうしたらああいう動き方ができるようになるかってことだけど……。
前にリックさんと連携の練習をした時のことを思い出す。あの時はどうだったっけ。
最悪の状況で、魔物に抜かれないように、前衛の安全を保持して魔物を殲滅する。あの時はそう思って必死にやった。
でも厨房は違う。そうか状況が違うんだ。あの時と目指す目標が違うんだ。
厨房はどういう目標に向かって動いているんだろう。お店をやるからには美味しい料理を手早く提供してお店の回転をあげるってことだろうか?
美味しいは仕込みの出来にかかってくる。じゃあ効率のいい仕事?あ、せっかく美味しく作っても冷めないうちに提供しなくちゃダメだよね。
なんとなく今日のサンドラ姉さんの仕事の意味がわかりそうになったけど、のぼせそうなのでお湯から上がった。
脱衣所で着替えてストレッチをする。
まずは相手のことを知らないと、連携も何もないよね。それは戦闘中の動き方を観察したり、コミュニケーションをとったりして掴んでいかなきゃいけないことだ。
師匠とどうコミュニケーションをとったらいいかはわからないけど、とにかく仕事をしてる姿をもっとよく見よう。
集中しなくちゃつかめない。よし、来週も頑張ろう。
待ち合わせの時間が近づいたので、フェルと待ち合わせている洗濯場に向かう。
フェルとおしゃべりしながらいつもの優しい時間を満喫した。
明日は炊き出しの日だ。ゴードンさんのところで狩りをして、その時に売れ残りの野菜をもらうことにしてある。仕事があるから土曜日に食材を取りに行けないことをフェルに伝えに行ってもらったら、しばらくはそうやって食材をもらうことになったのだ。
フェルの素振りの音を聞きながら、疲れていた僕は先に眠ってしまった。
夜の営業が始まった。
僕はいつも通りサラダの担当だ。
サンドラ姉さんの言ってることはもっともなことだし、わかりやすくもあったけど、実際やってみようとしてもなかなかできることではない。
師匠の背中を見ていても考えていることなんてわからない。必要な食材は師匠の左側にそっと置くようにしたけれど。
「あせらずひとつひとつできるようになっていけば良いのだ」
そう言ってくれたフェルの言葉を思い出す。
「ケイ、アタシの作業に合わせてハンバーグの皿に付け合わせを乗せなさい。できるわよね」
「はい!」
盛り込みはいつもサンドラ姉さんがやっている通りにやった。
そのうちだんだんとサンドラ姉さんがハンバーグを仕上げるタイミングが掴めてくる。
両面に焼き色をつけたら一度鉄板の火の弱いところにハンバーグを移動させる。
そして別の用意していた半分火の通ったハンバーグをお酒を振りかけてフタをして一気に強火で蒸すのだ。
1分から2分、肉によって火の通り加減が微妙に違うから多少の誤差はあるが、フタをしたら盛り込み始めればだいたいタイミングが合う。
「サンドラ、場所を変われ。交代だ」
サンドラ姉さんのタイミングに慣れて来たころ師匠がそう言ってハンバーグを焼き出した。
サンドラ姉さんは意味深に僕に向かって微笑んだ。
サンドラ姉さんの焼き方と師匠の焼き方は少し違う。
師匠ははじめ強火で一気に片面を焼いてそのあとひっくり返して蒸し焼きにする。
途中何度か場所を変えて火加減を調節しながら一気に焼き上げる。
サンドラ姉さんの方が少しだけ早いけど、師匠の手つきが素早くて淀みがないので、2人の仕事のスピードはそんなに変わらない。
師匠が作るハンバーグの方が表面が少し焦げているけど、サンドラ姉さんの作るものよりふわっとした仕上がりになっている。少しふくらんで見えるのだ。
問題はそのハンバーグの仕上がりのタイミングが読みづらいということだけど……。
でも、ひっくり返してからの師匠の手付きでだんだんとわかって来た。
「フェルちゃん。来たわよー。あらエプロンよく似合ってるわーかわいいじゃない」
この声はエリママか?
「げ、エリザベス。あなた来るならちゃんと予約しなさいよ」
「あらアレク。久しぶりに会ったのにつれないわね。急に来たっていいじゃない。だってフェルちゃんが昼間、楽しそうに店のことを話すんだもの。王都の親代わりの私が見学に来るのは当然の権利だわ」
「その名前で呼ばないで。私はサンドラよ。エリザベス。あなたずっと外で並んでたの?大丈夫だった?」
「私だって今はただのエリーよ。たまには家族で外食くらいいいじゃない。人気のお店なら並んで待っても構わないわ」
どうやらサンドラ姉さんはエリママの古い知り合いらしい。そうか。サンドラ姉さんも元貴族か。きっといろいろあったんだろうな。あまりそこに触れるのはやめとこう。危険な感じがする。
「フェル。最初の飲み物はアタシにつけておいて。エリー。歓迎するわ。ゆっくり食事を楽しんでいって」
「ありがとう。サンドラ。フェルちゃんとケイくんはしっかりやってる?」
「2人ともまだまだね。でもよく働いてくれているわ。2人とも真面目でいい子ね」
「そうなのよ。うちでも家族ぐるみでお付き合いしてるの。フェルちゃんなんて私が王都でのお母さん代わりをしてあげてるんだから」
「あなたがお母さん代わりって……なんだかすごいことになってるわね」
エリママの方をチラッと見ると、3男が僕に手を振っている。ゼランドさんとドナルドさんも一緒だ。
笑顔で返したけど、今の僕はそんなに余裕はない。師匠の焼き方をとにかく目に焼き付けないと。
「エリママ、ゼランドさん、ドナルドさんも3男もよく来てくれた。まだビーフシチューが少し残っているぞ。いつもはもう売れ切れてしまうのだが運が良い。うちの店の1番の人気メニューなのだ」
フェルが席に案内してオーダーを聞く。
そのオーダーが出来上がったら師匠が僕に向かって言う。
「フェルだけじゃ手が足りねえ。お前も持っていけ」
師匠にお礼を言ってみんなのテーブルに料理を持っていく。
「みなさん、今日はありがとうございます。ゆっくりしていってください。3男。来てくれて嬉しいよ。今日のビーフシチューは僕が作ったんだ。楽しんでいって」
あいさつを済ませてまた仕事に戻る。
集中して仕事をこなしていたら、エリママたちが帰ったのにも気づかなかった。
「ケイ、フェル。時間だ、そろそろ賄いを食え」
空いているカウンター席で師匠が作ってくれた賄いを食べる。
今日の単品のアラカルトが、お皿に盛られていた。コロッケとオムレツ。それとチキンカツだ。
まだ店では作ったことがない。食べていたら師匠が話しかけてくる。
「ケイ。ホランドのところが新しく出した料理は知っているか?トンカツって料理なんだが」
「はい。ホランドさんと一緒に考えたから知ってます」
「そのホランドが使ってるウスターソースってやつをかけると揚げ物が美味くなるらしいな。どう思う?」
「ウスターソースはホランドさんのところで使っている塩ダレみたいな万能調味料なんです。そのままかけてもいいですけど、少しケチャップを混ぜたりして調節すればきっと美味しくなると思いますよ」
「お前作れるか?」
「はい。ホランドさんのところで作り方を習いましたから大丈夫です」
師匠は少し悩んだ顔をしたが、明日レシピを買ってくるから休み明けに作ってみろと言われた。材料を書き出して師匠に伝える。
そのあと在庫を確認して厨房の片付けが終わったらフェルと一緒に店を出た。
「今日はちょっと疲れちゃったよ。いつもよりゆっくりお風呂に入ってもいいかな?」
待ち合わせ時間を決めてフェルと別れてお風呂に入りに行った。
湯船に浸かりながら今日の反省をする。なんだか今日は目が疲れたので、タオルをお湯で濡らして目の上に置いた。
お昼にホールだけやらされたのはみんなの仕事をよく見とけってことかな?
サンドラ姉さんみたいに動けるようになれってことかな。でもいきなりは無理だよね。
でも理想の仕事の仕方がわかったから、目標ができて良かったのかも。
あとはどうしたらああいう動き方ができるようになるかってことだけど……。
前にリックさんと連携の練習をした時のことを思い出す。あの時はどうだったっけ。
最悪の状況で、魔物に抜かれないように、前衛の安全を保持して魔物を殲滅する。あの時はそう思って必死にやった。
でも厨房は違う。そうか状況が違うんだ。あの時と目指す目標が違うんだ。
厨房はどういう目標に向かって動いているんだろう。お店をやるからには美味しい料理を手早く提供してお店の回転をあげるってことだろうか?
美味しいは仕込みの出来にかかってくる。じゃあ効率のいい仕事?あ、せっかく美味しく作っても冷めないうちに提供しなくちゃダメだよね。
なんとなく今日のサンドラ姉さんの仕事の意味がわかりそうになったけど、のぼせそうなのでお湯から上がった。
脱衣所で着替えてストレッチをする。
まずは相手のことを知らないと、連携も何もないよね。それは戦闘中の動き方を観察したり、コミュニケーションをとったりして掴んでいかなきゃいけないことだ。
師匠とどうコミュニケーションをとったらいいかはわからないけど、とにかく仕事をしてる姿をもっとよく見よう。
集中しなくちゃつかめない。よし、来週も頑張ろう。
待ち合わせの時間が近づいたので、フェルと待ち合わせている洗濯場に向かう。
フェルとおしゃべりしながらいつもの優しい時間を満喫した。
明日は炊き出しの日だ。ゴードンさんのところで狩りをして、その時に売れ残りの野菜をもらうことにしてある。仕事があるから土曜日に食材を取りに行けないことをフェルに伝えに行ってもらったら、しばらくはそうやって食材をもらうことになったのだ。
フェルの素振りの音を聞きながら、疲れていた僕は先に眠ってしまった。
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