119 / 236
コンソメ
しおりを挟む
120 コンソメ
まだ暗いうちから起きて、お弁当の支度をする。オーク肉を薄切りにしてすき焼き風の味付けにする。
食べやすい大きさに切って、昨日の肉じゃがのあまりを隣に添えた。
卵はだし巻き卵にしてみる。肉味噌と小魚でまた出汁をとってみたけど、ちょっと不満だ。これは僕が後で食べることにして、出汁の配合を変えてもう一度作った。
オレンジを絞って果実水を作る。
そうこうしていたら、タマゴと牛乳を買いに行ってくれていたフェルが戻ってくる。
買って来てくれた新鮮なタマゴを2個使ってオムレツを作る。半熟にしてふんわりと作った。焼いたベーコンと一緒に朝ごはんとして出してあげた。僕も一緒に食べる。
失敗しただし巻き卵を結局フェルも食べた。失敗作だとは言ったけど、これはこれで美味しいと言ってくれた。
後片付けをフェルに任せておにぎりを握る。ふりかけ、ごま塩、梅干しと、もう定番になってしまったおにぎりを紙に包んで、お弁当と一緒にフェルに渡した。もちろん果実水の入った水筒も、限界まで冷やしてから、さらに中に氷を2個入れて渡してあげる。
ギルドに向かうフェルを見送って、弓の練習をしたら出勤だ。
9時前に店に着き、窓を開けて店内の掃除から。ホコリを外に掃き出したら、店の前の掃除をする。テーブルとカウンターを拭いていたらロイが来た。
「昨日は大変だったっすよ。ケイくん。これ今日のスープのレシピっす。師匠がこれで作れって言ってたっす」
今日のスープはニワトリが一羽丸ごと入った鶏肉のスープだ。ニワトリを捌いて肉を食べやすい大きさに切っていく。手羽肉は骨のまま入れることにした。
鳥のガラは後でロールキャベツのスープの出汁に使う。丁寧に洗って少しお酒をふりかけてから保冷庫に入れた。
ニンジンも丁寧に洗って、皮も出汁に使った。僕の貧乏性が爆発する。ニンジンの皮って意外と栄養があるんだよ。
ニワトリの骨と野菜くずを弱火で煮込んでる間に、今日使う野菜をどんどん仕込んでいく。ロイはミンサーで挽肉を量産している。
「やっぱりケイくんがいると仕込みが早いっすね。サンドラさんが来る前にハンバーグのタネも作ってしまうっす」
ロイがニンジンと玉ねぎを炒めている間に、スープを作る。濾したスープの出汁ガラは、ちょっと思うところがあったのでとっておいた。
軽く炒めた鶏肉とベーコン、玉ねぎを入れて、別で下茹でしていたニンジンを入れる。このやり方はレシピに書いてあった。
この方がニンジンをより甘く煮込めそうだと思った。
この前のことを反省して、なるべく効率よく動くことを意識して仕事をした。
「おはよう。あら、もうそこまで出来てるの?私がやることがほとんどないじゃない」
サンドラ姉さんが出勤して来た。
「コーヒーを淹れてあげるから、アンタたちそれが出来たら少し休みなさい」
ハンバーグはもう3分の2は出来上がっていた。
サンドラ姉さんがハンバーグを作る作業に入って、僕はスープの仕上げをする。
塩と胡椒で味を整えて味見をすると、まだ何か足せそうな気になってしまった。
ニンジンの葉っぱをみじん切りにして、少し魔法で乾燥させたものを仕上げにスープに混ぜた。かき混ぜて少しだけ火を通したら完成。
村で作ってた時もなんとなくそう思っていたけど、ニンジンの葉っぱはニンジンを入れたスープにすごくよく馴染む。
レシピが少し変わっちゃったけど、美味しく出来たと思う。
あとは師匠がなんと言うかだけど、なんとなく大丈夫な気がした。
サンドラ姉さんが入れてくれたコーヒーを飲みながら、レシピ帳に今日のスープのレシピを書いて、気づいたことはすみっこの方に書いておく。
書き終わってからさっき取り分けておいたスープの出し殻を以前肉味噌を作った時のように、食べられるところだけ丁寧に取り分けた。少し食べてみるとしっかりした鳥の味と、野菜の甘みが残っている。
これを使ってコンソメの元が作れないか考えていた。保存瓶に入れて保冷庫にしまっておいた。
師匠が出勤して来て店のチェックを始める。味を見てもらうためにスープを持っていく。この瞬間はいつも緊張する。
「ニンジンの葉か。サンドラの影響か?まあ悪くねえ。これで行く」
良かった。合格点をもらえた。
少し冷めてしまったコーヒーを飲み干して、師匠の指示でサラダを作る。
ロイがクルトンを作ってくれた。サンドイッチを作る時にどうしても端切れが残ってしまっていたらしい。子供の頃はこんがり焼いてロイたちのおやつになっていたらしいけど、今はほとんど処分していたそうだ。ロイにとても感謝された。
パンの切れ端は無料でつけてくれることになったので、材料費も揚げ油とラードだけで済む、クルトンは小熊亭で正式に採用された。
今日のサラダはキャベツを中心に刻んだニンジンととうもろこしを混ぜて皿に盛り、彩りにきゅうりを添える。トマトも入れたいところだけど、今の時期は高いからトマトは使えない。
茹で上がったとうもろこしの実を包丁で綺麗に外していく。
刻んだニンジンは少し塩を振っておいておいた。
キャベツはどうかな。ミナミでは営業中に切っていたけど、小熊亭は忙しいからな。
サンドラ姉さんに相談したら、自信があるならやってみなさいと言われた。
今日はメアリーさんが休みだから、ホールの仕事はほとんど僕がやらなくてはいけないらしい。でも合間にキャベツを切るくらいは大丈夫だと思う。
師匠もその話を聞いていたけど何も言わなかった。
昨日フェルに選んでもらったハンカチを頭に巻いて営業中の看板を出しに行く。
表にはもう行列が出来ている。
人数を聞いて、次々に席に案内する。
お水を配りながら注文を聞いていった。
サラダと一緒にカトラリーを配り、厨房に戻る。メインのセットの食器を順番に並べていく。今日もロイがハンバーグを焼く。サンドラ姉さんはそれのサポートと、指導をしている。
お客さんの人数分スープのカップを温めて、外に並んでる人にメニュー表を渡した。
オススメを聞かれたらオーク肉のステーキということにしている。だってとっても美味しいのだもの。
常に店は満席だけれど、考えてみればお客さんの人数が、それ以上増えないってことでもある。そう考えると、昨日より気持ちに余裕ができた。
付け合わせのブロッコリーが足りなくなって来た。保冷庫から取り出して補充する。
気持ちに余裕ができたことで少し周りがいつもより見えるようになった。
昼の営業が終わりに近づいてお客さんがまばらになったので手が空いた時に夜の部の仕込みを始めてしまうことにした。
鶏ガラでロールキャベツ用の出汁をとり、ビーフシチューの出汁も煮込み始める。
食器を全部下げて洗い物を済ませると、師匠が僕のところに来た。
やばい。勝手なことしたって怒られんのかな。確かに言われてないことまでやっちゃってるし。
「昼と夜、これから食糧庫の在庫をノートに書いて俺に渡せ。鮮度が気になるものには印をつけとけ」
そう言ってノートを渡される。
さっそく今日の昼の在庫を書いていく。
師匠の意図はよくわからなかったけど、食糧庫の中の在庫をとにかく全部書いて持って行った。
賄いはロイが作ってくれた。クルトンたっぷりのサラダをみんなで取り分けて、ロイが焼くのに失敗したハンバーグをトマトソースで煮込んだものを食べた。
形が悪かったり、焼きすぎたものらしい。
「煮込みハンバーグはいつも焼き方をはじめたばかりの新人が賄いで作るのよ。こうしたらまだ食べられなくはないから」
「失敗の味がするっす。これから頑張るっす」
ロイが悔しそうにハンバーグを食べる。
食後ロイと洗い物を片付けて、厨房でお茶を飲む。ハンバーグの焼き方で、苦労しているところなどの話をロイから聞いた。
料理の提供の速度を上げるために肉に少し熱を通しておくのだそうだ。その火の入れる加減がまだ安定しないから焦げたり、まだ生だったりして形が崩れてしまうのだそうだ。
鉄板の場所によって温度が違うから、それにも気をつけなければいけないし、とにかく大変だとロイが言う。
その話を聞きながら、僕は横でコンソメスープの素の開発をする。マジックバッグからニンジンとセロリを出す。ホランドさんの塩ダレを作ろうとこの間買って来たものだ。
さっき瓶に入れておいた出し殻とニンジンとセロリをミキサーに入れて細かくする。
少し舐めてみて、玉ねぎを半分入れてまたミキサーをかけた。
味見をしてみる。このままでもいいかもしれないけどもう少し肉の味が強い方がいいな。悩んだ末、サンドラ姉さんに話して、店のベーコンを少しもらった。
「何?スープの素?それをお湯に溶かすとスープが出来るの?」
サンドラ姉さんはコーヒーを飲みながら僕の作業を見ている。
「これを火にかけて乾燥させればいけるような気がするんですけどね」
「だったらそれにじゃがいもを混ぜてみなさい。別の料理の調味料を作る時そうするの。仕上がりがパラパラになるからやってごらんなさい」
そうアドバイスされてじゃがいもを一個加えてペースト状になるまでミキサーで混ぜた。最後にかなりキツめに塩で味付けて混ぜ合わせる。
出来上がったものをフライパンで炒めていく。乾燥するまでけっこう時間がかかりそうだ。弱火にして様子を見守る。
これ魔法でできないかな?
水の魔法は空気中の水分を集めて水にする魔法だ。じゃあ、この炒めているものから水分を集められないかな?
火を止めてコップをフライパンの上に持ってくる。イメージを固めて水を作る。
コップに半分くらい水が溜まる。
そしてコンソメの素は。
お、けっこう乾いてる。
あとは弱火で固まりを崩すように炒めたらパラパラの粉が出来上がった。
「なんかいい匂いがするっすね」
「うん。なんかいけそうかも」
油を吸う紙の上に置いて、しばらく放置して冷めるのを待った。出来上がりを食べてみるとそれらしい味になってる。
休憩時間ももう終わるので、いったん邪魔にならないところにそれを置き、仕事に戻った。
まだ暗いうちから起きて、お弁当の支度をする。オーク肉を薄切りにしてすき焼き風の味付けにする。
食べやすい大きさに切って、昨日の肉じゃがのあまりを隣に添えた。
卵はだし巻き卵にしてみる。肉味噌と小魚でまた出汁をとってみたけど、ちょっと不満だ。これは僕が後で食べることにして、出汁の配合を変えてもう一度作った。
オレンジを絞って果実水を作る。
そうこうしていたら、タマゴと牛乳を買いに行ってくれていたフェルが戻ってくる。
買って来てくれた新鮮なタマゴを2個使ってオムレツを作る。半熟にしてふんわりと作った。焼いたベーコンと一緒に朝ごはんとして出してあげた。僕も一緒に食べる。
失敗しただし巻き卵を結局フェルも食べた。失敗作だとは言ったけど、これはこれで美味しいと言ってくれた。
後片付けをフェルに任せておにぎりを握る。ふりかけ、ごま塩、梅干しと、もう定番になってしまったおにぎりを紙に包んで、お弁当と一緒にフェルに渡した。もちろん果実水の入った水筒も、限界まで冷やしてから、さらに中に氷を2個入れて渡してあげる。
ギルドに向かうフェルを見送って、弓の練習をしたら出勤だ。
9時前に店に着き、窓を開けて店内の掃除から。ホコリを外に掃き出したら、店の前の掃除をする。テーブルとカウンターを拭いていたらロイが来た。
「昨日は大変だったっすよ。ケイくん。これ今日のスープのレシピっす。師匠がこれで作れって言ってたっす」
今日のスープはニワトリが一羽丸ごと入った鶏肉のスープだ。ニワトリを捌いて肉を食べやすい大きさに切っていく。手羽肉は骨のまま入れることにした。
鳥のガラは後でロールキャベツのスープの出汁に使う。丁寧に洗って少しお酒をふりかけてから保冷庫に入れた。
ニンジンも丁寧に洗って、皮も出汁に使った。僕の貧乏性が爆発する。ニンジンの皮って意外と栄養があるんだよ。
ニワトリの骨と野菜くずを弱火で煮込んでる間に、今日使う野菜をどんどん仕込んでいく。ロイはミンサーで挽肉を量産している。
「やっぱりケイくんがいると仕込みが早いっすね。サンドラさんが来る前にハンバーグのタネも作ってしまうっす」
ロイがニンジンと玉ねぎを炒めている間に、スープを作る。濾したスープの出汁ガラは、ちょっと思うところがあったのでとっておいた。
軽く炒めた鶏肉とベーコン、玉ねぎを入れて、別で下茹でしていたニンジンを入れる。このやり方はレシピに書いてあった。
この方がニンジンをより甘く煮込めそうだと思った。
この前のことを反省して、なるべく効率よく動くことを意識して仕事をした。
「おはよう。あら、もうそこまで出来てるの?私がやることがほとんどないじゃない」
サンドラ姉さんが出勤して来た。
「コーヒーを淹れてあげるから、アンタたちそれが出来たら少し休みなさい」
ハンバーグはもう3分の2は出来上がっていた。
サンドラ姉さんがハンバーグを作る作業に入って、僕はスープの仕上げをする。
塩と胡椒で味を整えて味見をすると、まだ何か足せそうな気になってしまった。
ニンジンの葉っぱをみじん切りにして、少し魔法で乾燥させたものを仕上げにスープに混ぜた。かき混ぜて少しだけ火を通したら完成。
村で作ってた時もなんとなくそう思っていたけど、ニンジンの葉っぱはニンジンを入れたスープにすごくよく馴染む。
レシピが少し変わっちゃったけど、美味しく出来たと思う。
あとは師匠がなんと言うかだけど、なんとなく大丈夫な気がした。
サンドラ姉さんが入れてくれたコーヒーを飲みながら、レシピ帳に今日のスープのレシピを書いて、気づいたことはすみっこの方に書いておく。
書き終わってからさっき取り分けておいたスープの出し殻を以前肉味噌を作った時のように、食べられるところだけ丁寧に取り分けた。少し食べてみるとしっかりした鳥の味と、野菜の甘みが残っている。
これを使ってコンソメの元が作れないか考えていた。保存瓶に入れて保冷庫にしまっておいた。
師匠が出勤して来て店のチェックを始める。味を見てもらうためにスープを持っていく。この瞬間はいつも緊張する。
「ニンジンの葉か。サンドラの影響か?まあ悪くねえ。これで行く」
良かった。合格点をもらえた。
少し冷めてしまったコーヒーを飲み干して、師匠の指示でサラダを作る。
ロイがクルトンを作ってくれた。サンドイッチを作る時にどうしても端切れが残ってしまっていたらしい。子供の頃はこんがり焼いてロイたちのおやつになっていたらしいけど、今はほとんど処分していたそうだ。ロイにとても感謝された。
パンの切れ端は無料でつけてくれることになったので、材料費も揚げ油とラードだけで済む、クルトンは小熊亭で正式に採用された。
今日のサラダはキャベツを中心に刻んだニンジンととうもろこしを混ぜて皿に盛り、彩りにきゅうりを添える。トマトも入れたいところだけど、今の時期は高いからトマトは使えない。
茹で上がったとうもろこしの実を包丁で綺麗に外していく。
刻んだニンジンは少し塩を振っておいておいた。
キャベツはどうかな。ミナミでは営業中に切っていたけど、小熊亭は忙しいからな。
サンドラ姉さんに相談したら、自信があるならやってみなさいと言われた。
今日はメアリーさんが休みだから、ホールの仕事はほとんど僕がやらなくてはいけないらしい。でも合間にキャベツを切るくらいは大丈夫だと思う。
師匠もその話を聞いていたけど何も言わなかった。
昨日フェルに選んでもらったハンカチを頭に巻いて営業中の看板を出しに行く。
表にはもう行列が出来ている。
人数を聞いて、次々に席に案内する。
お水を配りながら注文を聞いていった。
サラダと一緒にカトラリーを配り、厨房に戻る。メインのセットの食器を順番に並べていく。今日もロイがハンバーグを焼く。サンドラ姉さんはそれのサポートと、指導をしている。
お客さんの人数分スープのカップを温めて、外に並んでる人にメニュー表を渡した。
オススメを聞かれたらオーク肉のステーキということにしている。だってとっても美味しいのだもの。
常に店は満席だけれど、考えてみればお客さんの人数が、それ以上増えないってことでもある。そう考えると、昨日より気持ちに余裕ができた。
付け合わせのブロッコリーが足りなくなって来た。保冷庫から取り出して補充する。
気持ちに余裕ができたことで少し周りがいつもより見えるようになった。
昼の営業が終わりに近づいてお客さんがまばらになったので手が空いた時に夜の部の仕込みを始めてしまうことにした。
鶏ガラでロールキャベツ用の出汁をとり、ビーフシチューの出汁も煮込み始める。
食器を全部下げて洗い物を済ませると、師匠が僕のところに来た。
やばい。勝手なことしたって怒られんのかな。確かに言われてないことまでやっちゃってるし。
「昼と夜、これから食糧庫の在庫をノートに書いて俺に渡せ。鮮度が気になるものには印をつけとけ」
そう言ってノートを渡される。
さっそく今日の昼の在庫を書いていく。
師匠の意図はよくわからなかったけど、食糧庫の中の在庫をとにかく全部書いて持って行った。
賄いはロイが作ってくれた。クルトンたっぷりのサラダをみんなで取り分けて、ロイが焼くのに失敗したハンバーグをトマトソースで煮込んだものを食べた。
形が悪かったり、焼きすぎたものらしい。
「煮込みハンバーグはいつも焼き方をはじめたばかりの新人が賄いで作るのよ。こうしたらまだ食べられなくはないから」
「失敗の味がするっす。これから頑張るっす」
ロイが悔しそうにハンバーグを食べる。
食後ロイと洗い物を片付けて、厨房でお茶を飲む。ハンバーグの焼き方で、苦労しているところなどの話をロイから聞いた。
料理の提供の速度を上げるために肉に少し熱を通しておくのだそうだ。その火の入れる加減がまだ安定しないから焦げたり、まだ生だったりして形が崩れてしまうのだそうだ。
鉄板の場所によって温度が違うから、それにも気をつけなければいけないし、とにかく大変だとロイが言う。
その話を聞きながら、僕は横でコンソメスープの素の開発をする。マジックバッグからニンジンとセロリを出す。ホランドさんの塩ダレを作ろうとこの間買って来たものだ。
さっき瓶に入れておいた出し殻とニンジンとセロリをミキサーに入れて細かくする。
少し舐めてみて、玉ねぎを半分入れてまたミキサーをかけた。
味見をしてみる。このままでもいいかもしれないけどもう少し肉の味が強い方がいいな。悩んだ末、サンドラ姉さんに話して、店のベーコンを少しもらった。
「何?スープの素?それをお湯に溶かすとスープが出来るの?」
サンドラ姉さんはコーヒーを飲みながら僕の作業を見ている。
「これを火にかけて乾燥させればいけるような気がするんですけどね」
「だったらそれにじゃがいもを混ぜてみなさい。別の料理の調味料を作る時そうするの。仕上がりがパラパラになるからやってごらんなさい」
そうアドバイスされてじゃがいもを一個加えてペースト状になるまでミキサーで混ぜた。最後にかなりキツめに塩で味付けて混ぜ合わせる。
出来上がったものをフライパンで炒めていく。乾燥するまでけっこう時間がかかりそうだ。弱火にして様子を見守る。
これ魔法でできないかな?
水の魔法は空気中の水分を集めて水にする魔法だ。じゃあ、この炒めているものから水分を集められないかな?
火を止めてコップをフライパンの上に持ってくる。イメージを固めて水を作る。
コップに半分くらい水が溜まる。
そしてコンソメの素は。
お、けっこう乾いてる。
あとは弱火で固まりを崩すように炒めたらパラパラの粉が出来上がった。
「なんかいい匂いがするっすね」
「うん。なんかいけそうかも」
油を吸う紙の上に置いて、しばらく放置して冷めるのを待った。出来上がりを食べてみるとそれらしい味になってる。
休憩時間ももう終わるので、いったん邪魔にならないところにそれを置き、仕事に戻った。
50
お気に入りに追加
230
あなたにおすすめの小説
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
貧乏育ちの私が転生したらお姫様になっていましたが、貧乏王国だったのでスローライフをしながらお金を稼ぐべく姫が自らキリキリ働きます!
Levi
ファンタジー
前世は日本で超絶貧乏家庭に育った美樹は、ひょんなことから異世界で覚醒。そして姫として生まれ変わっているのを知ったけど、その国は超絶貧乏王国。 美樹は貧乏生活でのノウハウで王国を救おうと心に決めた!
※エブリスタさん版をベースに、一部少し文字を足したり引いたり直したりしています
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
鍵の王~才能を奪うスキルを持って生まれた僕は才能を与える王族の王子だったので、裏から国を支配しようと思います~
真心糸
ファンタジー
【あらすじ】
ジュナリュシア・キーブレスは、キーブレス王国の第十七王子として生を受けた。
キーブレス王国は、スキル至上主義を掲げており、高ランクのスキルを持つ者が権力を持ち、低ランクの者はゴミのように虐げられる国だった。そして、ジュナの一族であるキーブレス王家は、魔法などのスキルを他人に授与することができる特殊能力者の一族で、ジュナも同様の能力が発現することが期待された。
しかし、スキル鑑定式の日、ジュナが鑑定士に言い渡された能力は《スキル無し》。これと同じ日に第五王女ピアーチェスに言い渡された能力は《Eランクのギフトキー》。
つまり、スキル至上主義のキーブレス王国では、死刑宣告にも等しい鑑定結果であった。他の王子たちは、Cランク以上のギフトキーを所持していることもあり、ジュナとピアーチェスはひどい差別を受けることになる。
お互いに近い境遇ということもあり、身を寄せ合うようになる2人。すぐに仲良くなった2人だったが、ある日、別の兄弟から命を狙われる事件が起き、窮地に立たされたジュナは、隠された能力《他人からスキルを奪う能力》が覚醒する。
この事件をきっかけに、ジュナは考えを改めた。この国で自分と姉が生きていくには、クズな王族たちからスキルを奪って裏から国を支配するしかない、と。
これは、スキル至上主義の王国で、自分たちが生き延びるために闇組織を結成し、裏から王国を支配していく物語。
【他サイトでの掲載状況】
本作は、カクヨム様、小説家になろう様、ノベルアップ+様でも掲載しています。
せっかく異世界に転生できたんだから、急いで生きる必要なんてないよね?ー明日も俺はスローなライフを謳歌したいー
ジミー凌我
ファンタジー
日夜仕事に追われ続ける日常を毎日毎日繰り返していた。
仕事仕事の毎日、明日も明後日も仕事を積みたくないと生き急いでいた。
そんな俺はいつしか過労で倒れてしまった。
そのまま死んだ俺は、異世界に転生していた。
忙しすぎてうわさでしか聞いたことがないが、これが異世界転生というものなのだろう。
生き急いで死んでしまったんだ。俺はこの世界ではゆっくりと生きていきたいと思った。
ただ、この世界にはモンスターも魔王もいるみたい。
この世界で最初に出会ったクレハという女の子は、細かいことは気にしない自由奔放な可愛らしい子で、俺を助けてくれた。
冒険者としてゆったり生計を立てていこうと思ったら、以外と儲かる仕事だったからこれは楽な人生が始まると思った矢先。
なぜか2日目にして魔王軍の侵略に遭遇し…。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~
冒険者ギルド酒場 チューイ
ファンタジー
魔法は奇跡の力。そんな魔法と現在医療の知識と技術を持った俺が異世界でチートする。神奈川県の大和市にある冒険者ギルド酒場の冒険者タカミの話を小説にしてみました。
俺の名前は、加山タカミ。48歳独身。現在、救命救急の医師として現役バリバリ最前線で馬車馬のごとく働いている。俺の両親は、俺が幼いころバスの転落事故で俺をかばって亡くなった。その時の無念を糧に猛勉強して医師になった。俺を育ててくれた、ばーちゃんとじーちゃんも既に亡くなってしまっている。つまり、俺は天涯孤独なわけだ。職場でも患者第一主義で同僚との付き合いは仕事以外にほとんどなかった。しかし、医師としての技量は他の医師と比較しても評価は高い。別に自分以外の人が嫌いというわけでもない。つまり、ボッチ時間が長かったのである意味コミ障気味になっている。今日も相変わらず忙しい日常を過ごしている。
そんなある日、俺は一人の少女を庇って事故にあう。そして、気が付いてみれば・・・
「俺、死んでるじゃん・・・」
目の前に現れたのは結構”チャラ”そうな自称 創造神。彼とのやり取りで俺は異世界に転生する事になった。
新たな家族と仲間と出会い、翻弄しながら異世界での生活を始める。しかし、医療水準の低い異世界。俺の新たな運命が始まった。
元外科医の加山タカミが持つ医療知識と技術で本来持つ宿命を異世界で発揮する。自分の宿命とは何か翻弄しながら異世界でチート無双する様子の物語。冒険者ギルド酒場 大和支部の冒険者の英雄譚。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる