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就職
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104 就職
フェルを迎えに行って、皆でホランドさんの知り合いの店に行く。
雨はもう上がっていて、星が綺麗だ。
角を曲がった時にあれ?と思ったら、連れてこられたお店はあの小熊亭だった。
「あの、この店知ってます。前に何度か来たことがあって。いつも混んでますよね」
「ちゃんと予約しておいたから大丈夫だよ。ここの料理は美味しいからね。今日は私たちがご馳走するからなんでも遠慮なく食べると良い」
「ホランドさんの知り合いの店って小熊亭だったんですか?そりゃこの店で働けたら良いなと思っていましたけど……大丈夫なんですか?」
ホランドさんはたまにこの店を手伝っていたらしい。そういえば、いつだったか3男と食べに来た時、コーヒーを出してくれたのはホランドさんだったかも。
「店主とは昔馴染みでね。悪い奴ではないんだが、顔が怖いから若い子が入ってもすぐ辞めていくって言っててね。人手は欲しいはずだからきっと雇ってもらえると思うよ」
緊張しながら中に入ると、奥のテーブル席に通された。ハンバーグの他、ホランドさんが勧める物を片っ端から頼んで、僕の慰労会なのだろうか、夕食会が始まった。
ビーフシチューが美味しい。人気のメニューで、夜の営業でしか出してないそうだが、すぐに売り切れになるそうだ。今日はホランドさんがお願いしてとっておいてくれていたらしい。
「クライブ、仕事がひと段落ついたらこっちに来てくれないか?紹介したい子がいるんだ。従業員は今でも探しているんだろう?」
ホランドさんがそう言うと、しばらくして顔の怖い大柄な店主が、僕たちのテーブルにやってきた。
「ケイくん。こいつはクライブという。昔少しだけ一緒に働いていたことがあってね。私が今の店を開くまでの間だったが、コイツは顔は怖いけれど料理の腕は確かだ」
ホランドさんは笑顔で僕に店主を紹介してくれた。威圧感のあるがっしりとした体型の男性が僕を睨みつける。
「クライブ。もっと愛想よくできないのか?前から人手が足りないって言ってただろう?このケイくんはマリナがこの間怪我をした時にギルドの紹介できてくれたんだが、とても素直で良い子なんだ。うちの仕事が終わったら、またどこかで料理の仕事を探したいと言っていたから、今日連れてきてみたんだ。ここの料理も何度か食べたことがあるそうだよ」
「知っている。前にセシルが連れてきたやつだな。小僧、やる気があるなら明日の午前中に店に来い。明日はサンドラもいるから面接してやる。うちとしても人手は必要だ。ちゃんと仕事ができると思ったら雇ってやる」
「クライブ……なんかもう少し言い方とか柔らかくできないのか?ケイくん。とりあえず面接を受けてみて、条件が合えば働かせてもらうと良い。断っても構わないよ。僕の紹介だからって変に気負う必要もないから」
クライブさんと呼ばれていた店主は忙しいからと言ってすぐに厨房に戻って行った。
何はともあれ、次の就職先のチャンスをもらった。この店のような料理が美味しい店で働きたいと思っていたから、僕はとても嬉しかった。
サンドラさんというのは、あの長髪のオネエさんのことだろうか。
とにかく明日、急だけど面接してもらえることになった。
ホランドさんと別れて、いつも通りお風呂に入りに行く。
フェルの髪を乾かしながら、小熊亭の話をした。
フェルはきっと合格するぞと言ってくれたけど、僕は不安だった。
ミナミて働いていた時も、小熊亭のことを考えていたし、ある意味憧れのお店だ。
修行するならあの店がいい。
こんな簡単にチャンスが来るなんて思っていなかった。
緊張しているのが伝わってしまったのだろうか。今日はフェルは素振りをせずに僕のそばにいて、抱きしめて寝かしつけてくれた。子供みたいで恥ずかしかったけど、フェルに抱きしめられたら、すぐに眠ってしまった。
チョロいのかな僕。
次の日、緊張しながら面接に行く。
背の高い長髪の男性はアレクサンドラと名乗った。店の奥のテーブル席に通されて椅子に座る。
座ってすぐにサンドラさんが僕に言った。
「採用」
「サンドラ。いくらなんでも早すぎだろう。もっとこの小僧の話を聞かないと何も判断できん」
「クライブ。この子は大丈夫よ。あなた前に3男と一緒にうちの店に来てたわよね。うちのオークのステーキを食べて、一生懸命にうちのソースの材料を書き込んでいたでしょ。あれ、だいたい当たりよ。あたしビックリしたんだから。クライブ。この子は良いわ。良い味覚をしてる。細かいことなんて後から教えれば良いじゃない。だいたいあのホランドの紹介でしょ。こんな風に構えてわざわざ面接する必要もないじゃない」
アレクサンドラさんは僕のことを覚えていたみたい。あの時出されたソテーがとても美味しくて、夢中で使ってる材料を想像してノートに書き込んでいたんだっけ。恥ずかしい。
その時のことを謝ると、アレクサンドラさんは笑って、別に気にする必要はないと言ってくれた。
そのあと野菜の皮剥きや、下拵えなど手伝わされて、年が明けて3日後に、やる気があるなら来るように言われる。
希望があるなら聞くとクライブさんが言うので、日曜日だけ休みたいと伝えて、面接は終わった。一応採用、ってことで良いのかな。
小熊亭でこれから働くとしたら、冒険者としての活動はほとんどできなくなる。完全に就職するってことだ。
小熊亭には定休日はない。週二回、休みがもらえるらしいけれど、これを受けたとしたらもうフェルと冒険者の依頼は受けられないと思う。
たとえそうなってしまうとしても、僕はこの店で働きたいと思っていた。
だけどなんとなく後ろめたい気持ちがして、何故か素直に喜べなかった。
ギルドでフェルの帰りを待つ。弓の練習をしようと思って受付にフェルに伝言を頼もうとしたら、今日は何故かギルマスが受付にいた。
「ギルマスが受付にいることもあるんですか?」
「サリーがな、体調が悪くて今日は休みなんだ。風邪が流行っているらしくて、今日は人手が足りねーんだよ。どうした?なんか依頼でも受けんのか?」
「前に紹介してもらった依頼がこの前終わったので、少し休むつもりでいるんです。もしかしたら次の仕事も見つかりそうで、これから冒険者の仕事は休みの日くらいしかできなさそうです。せっかくいろいろ指導していただいたのにすみません」
「まあ別に構わねえよ。仕事って街の中の仕事か?」
「小熊亭で働くことになりそうです。はじめはお試しみたいなもので、うまくできなかったらクビになるかもしれませんが」
「あークライブのとこか。良いんじゃねーか?あいつ、いつも忙しいって言ってたからな。従業員の募集をかけても、面接した後、皆来なくなるから困ってたぜ。あいつ顔がこえーだろ。みんなビビって逃げちまうらしいんだ」
「顔が怖いとかはあまり気にしませんけど、忙しいお店だからついていけるかどうか」
「まあお前なら大丈夫だろ。そんで要件はなんだ?」
「フェルが戻って来たら伝言を、時間潰しに弓の練習をしてるから訓練場に来て欲しいって伝えて欲しいんです」
「おう。わかった伝えとくぜ。フェルは今日は……あぁ赤い風と一緒か。もうすぐ戻ってくるな」
「そうだ。ギルマス、休みの日に僕たち王都を観光する予定なんですけど、王都のことはよくわからなくって、どこか良い場所知りませんか?貴族街の方の店を見てみようと思うんですが、それ以外に良い場所どこか知りませんか?」
ギルマスが少し困った顔になる。
そして少し嫌そうな顔で王城に一般の客も入れる展望台があるから、そこからなら王都が一望できると言ってきた。特に夕方の景色は綺麗だそうで、一度見てみると良いと言われた。
でもなんであんな嫌そうな顔してたんだろ。
行くなら3日後の今年最後の日かなとなんとなくギルマスには言っておいた。
フェルを迎えに行って、皆でホランドさんの知り合いの店に行く。
雨はもう上がっていて、星が綺麗だ。
角を曲がった時にあれ?と思ったら、連れてこられたお店はあの小熊亭だった。
「あの、この店知ってます。前に何度か来たことがあって。いつも混んでますよね」
「ちゃんと予約しておいたから大丈夫だよ。ここの料理は美味しいからね。今日は私たちがご馳走するからなんでも遠慮なく食べると良い」
「ホランドさんの知り合いの店って小熊亭だったんですか?そりゃこの店で働けたら良いなと思っていましたけど……大丈夫なんですか?」
ホランドさんはたまにこの店を手伝っていたらしい。そういえば、いつだったか3男と食べに来た時、コーヒーを出してくれたのはホランドさんだったかも。
「店主とは昔馴染みでね。悪い奴ではないんだが、顔が怖いから若い子が入ってもすぐ辞めていくって言っててね。人手は欲しいはずだからきっと雇ってもらえると思うよ」
緊張しながら中に入ると、奥のテーブル席に通された。ハンバーグの他、ホランドさんが勧める物を片っ端から頼んで、僕の慰労会なのだろうか、夕食会が始まった。
ビーフシチューが美味しい。人気のメニューで、夜の営業でしか出してないそうだが、すぐに売り切れになるそうだ。今日はホランドさんがお願いしてとっておいてくれていたらしい。
「クライブ、仕事がひと段落ついたらこっちに来てくれないか?紹介したい子がいるんだ。従業員は今でも探しているんだろう?」
ホランドさんがそう言うと、しばらくして顔の怖い大柄な店主が、僕たちのテーブルにやってきた。
「ケイくん。こいつはクライブという。昔少しだけ一緒に働いていたことがあってね。私が今の店を開くまでの間だったが、コイツは顔は怖いけれど料理の腕は確かだ」
ホランドさんは笑顔で僕に店主を紹介してくれた。威圧感のあるがっしりとした体型の男性が僕を睨みつける。
「クライブ。もっと愛想よくできないのか?前から人手が足りないって言ってただろう?このケイくんはマリナがこの間怪我をした時にギルドの紹介できてくれたんだが、とても素直で良い子なんだ。うちの仕事が終わったら、またどこかで料理の仕事を探したいと言っていたから、今日連れてきてみたんだ。ここの料理も何度か食べたことがあるそうだよ」
「知っている。前にセシルが連れてきたやつだな。小僧、やる気があるなら明日の午前中に店に来い。明日はサンドラもいるから面接してやる。うちとしても人手は必要だ。ちゃんと仕事ができると思ったら雇ってやる」
「クライブ……なんかもう少し言い方とか柔らかくできないのか?ケイくん。とりあえず面接を受けてみて、条件が合えば働かせてもらうと良い。断っても構わないよ。僕の紹介だからって変に気負う必要もないから」
クライブさんと呼ばれていた店主は忙しいからと言ってすぐに厨房に戻って行った。
何はともあれ、次の就職先のチャンスをもらった。この店のような料理が美味しい店で働きたいと思っていたから、僕はとても嬉しかった。
サンドラさんというのは、あの長髪のオネエさんのことだろうか。
とにかく明日、急だけど面接してもらえることになった。
ホランドさんと別れて、いつも通りお風呂に入りに行く。
フェルの髪を乾かしながら、小熊亭の話をした。
フェルはきっと合格するぞと言ってくれたけど、僕は不安だった。
ミナミて働いていた時も、小熊亭のことを考えていたし、ある意味憧れのお店だ。
修行するならあの店がいい。
こんな簡単にチャンスが来るなんて思っていなかった。
緊張しているのが伝わってしまったのだろうか。今日はフェルは素振りをせずに僕のそばにいて、抱きしめて寝かしつけてくれた。子供みたいで恥ずかしかったけど、フェルに抱きしめられたら、すぐに眠ってしまった。
チョロいのかな僕。
次の日、緊張しながら面接に行く。
背の高い長髪の男性はアレクサンドラと名乗った。店の奥のテーブル席に通されて椅子に座る。
座ってすぐにサンドラさんが僕に言った。
「採用」
「サンドラ。いくらなんでも早すぎだろう。もっとこの小僧の話を聞かないと何も判断できん」
「クライブ。この子は大丈夫よ。あなた前に3男と一緒にうちの店に来てたわよね。うちのオークのステーキを食べて、一生懸命にうちのソースの材料を書き込んでいたでしょ。あれ、だいたい当たりよ。あたしビックリしたんだから。クライブ。この子は良いわ。良い味覚をしてる。細かいことなんて後から教えれば良いじゃない。だいたいあのホランドの紹介でしょ。こんな風に構えてわざわざ面接する必要もないじゃない」
アレクサンドラさんは僕のことを覚えていたみたい。あの時出されたソテーがとても美味しくて、夢中で使ってる材料を想像してノートに書き込んでいたんだっけ。恥ずかしい。
その時のことを謝ると、アレクサンドラさんは笑って、別に気にする必要はないと言ってくれた。
そのあと野菜の皮剥きや、下拵えなど手伝わされて、年が明けて3日後に、やる気があるなら来るように言われる。
希望があるなら聞くとクライブさんが言うので、日曜日だけ休みたいと伝えて、面接は終わった。一応採用、ってことで良いのかな。
小熊亭でこれから働くとしたら、冒険者としての活動はほとんどできなくなる。完全に就職するってことだ。
小熊亭には定休日はない。週二回、休みがもらえるらしいけれど、これを受けたとしたらもうフェルと冒険者の依頼は受けられないと思う。
たとえそうなってしまうとしても、僕はこの店で働きたいと思っていた。
だけどなんとなく後ろめたい気持ちがして、何故か素直に喜べなかった。
ギルドでフェルの帰りを待つ。弓の練習をしようと思って受付にフェルに伝言を頼もうとしたら、今日は何故かギルマスが受付にいた。
「ギルマスが受付にいることもあるんですか?」
「サリーがな、体調が悪くて今日は休みなんだ。風邪が流行っているらしくて、今日は人手が足りねーんだよ。どうした?なんか依頼でも受けんのか?」
「前に紹介してもらった依頼がこの前終わったので、少し休むつもりでいるんです。もしかしたら次の仕事も見つかりそうで、これから冒険者の仕事は休みの日くらいしかできなさそうです。せっかくいろいろ指導していただいたのにすみません」
「まあ別に構わねえよ。仕事って街の中の仕事か?」
「小熊亭で働くことになりそうです。はじめはお試しみたいなもので、うまくできなかったらクビになるかもしれませんが」
「あークライブのとこか。良いんじゃねーか?あいつ、いつも忙しいって言ってたからな。従業員の募集をかけても、面接した後、皆来なくなるから困ってたぜ。あいつ顔がこえーだろ。みんなビビって逃げちまうらしいんだ」
「顔が怖いとかはあまり気にしませんけど、忙しいお店だからついていけるかどうか」
「まあお前なら大丈夫だろ。そんで要件はなんだ?」
「フェルが戻って来たら伝言を、時間潰しに弓の練習をしてるから訓練場に来て欲しいって伝えて欲しいんです」
「おう。わかった伝えとくぜ。フェルは今日は……あぁ赤い風と一緒か。もうすぐ戻ってくるな」
「そうだ。ギルマス、休みの日に僕たち王都を観光する予定なんですけど、王都のことはよくわからなくって、どこか良い場所知りませんか?貴族街の方の店を見てみようと思うんですが、それ以外に良い場所どこか知りませんか?」
ギルマスが少し困った顔になる。
そして少し嫌そうな顔で王城に一般の客も入れる展望台があるから、そこからなら王都が一望できると言ってきた。特に夕方の景色は綺麗だそうで、一度見てみると良いと言われた。
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行くなら3日後の今年最後の日かなとなんとなくギルマスには言っておいた。
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