8 / 236
騎士団
しおりを挟む
8 騎士団
翌朝、布団を片付けて今日は僕が朝食を作る。
昨日のパンが最後だったから、パンの代わりにじゃがいもを茹でてマッシュポテトを作る。
ニワトリがタマゴを産んでくれたので3つ、目玉焼きを作った。
スープは昨日の残りを少しアレンジしてトマトベースのスープを作った。トロトロに溶けかかったキャベツが美味しい。
昨日と同じくフェルと2人で朝食を食べた。
フェルに古くなったタオルを渡して、雑巾を作って欲しいとお願いして下に降りた。
今日はパンの配給がある。
パンを入れるカゴを持って昨日の雑貨屋に向かった。
マジックバッグは持っていかない。
村長の息子に会うとめんどくさいからだ。会うとなんだかんだと粗探しされて文句を言われる。
前にマジックバッグを使ってパンを運んでいたら、「そんなきたねーカバンにみんなの食料を入れるんじゃねー」と殴られたこともある。
いいかげんそういう理不尽なのにも慣れてきたので、何の文句も言われないように無難にやり過ごすのだ。大体は無視してる。
雑貨屋の裏にはパンを焼く窯があって、みんな週に一度パンをもらうのだ。
僕以外の村人はみんな小麦を育てていてパンの材料として村に収めている。
例外なのは僕の家と雑貨屋さんで、うちは食堂の仕事をしているし、雑貨屋さんのおばさんはパンを作る係だから、この2軒だけは無償でパンをもらっている。
食堂で使う分も合わせると、一度には運べないのでいつも3往復している。
パンを受け取って家に戻ると村の入り口から馬に乗った騎士が4人やってきた。
村長の家を尋ねられたので、向こうの大きな家が村長の家だと伝えた。騎士たちは礼も言わず村長の家に向かって行った。
バレないように、慌てず普通に家に入り、家の戸に鍵をかけてからじいちゃんに報告する。
「じいちゃん、騎士たちがフェルを探しにきた。パンを運ぶの手伝って、ちょっとフェルのところに行ってくる」
そう言って2階に上がる。
フェルは早速雑巾を縫ってくれていた。
「フェル、落ち着いて聞いて。たぶん騎士団の連中が来た。フェルが言った通り偉そうな、嫌な感じのする奴らだったよ。たぶん僕はこれから騎士団を森に案内させられると思う。フェルはここで静かにしててね。絶対下に降りちゃダメだよ。窓にも近づかないでね」
「わかった。くれぐれも気をつけるのだぞ」
フェルは頷いてそう言った。
今度はじいちゃんと2人で残りのパンをもらいに行く。
雑貨屋の裏に行くと村長と騎士たちがいた。
村の人たちは厄介ごとに巻き込まれないように、パンを受け取るとさっさといなくなる。
村長が僕を呼ぶ。じいちゃんにカゴを渡して村長のところに行った。
「ケイ。お前、山には詳しいだろ。この方たちは脱走した騎士を捕えに来たのだそうだ。この村にはそんな者は来ていないと言ったのだが、山の中を捜索するので案内が欲しいとのことだ。ケイ、こちらの方について山の中を案内して差し上げろ。くれぐれも失礼のないようにな」
そう言って村長は騎士のリーダーのような男を僕に紹介する。こいつが副団長か、なんか偉そうで嫌な目つきだ。
騎士たちに、家に装備があるから取りに行く旨を伝えて、森の入り口で少し待ってて欲しいと告げた。
じいちゃんと2人でパンを持って家に帰る。
森に行く装備をして騎士団の待ち合わせ場所に向かった。
翌朝、布団を片付けて今日は僕が朝食を作る。
昨日のパンが最後だったから、パンの代わりにじゃがいもを茹でてマッシュポテトを作る。
ニワトリがタマゴを産んでくれたので3つ、目玉焼きを作った。
スープは昨日の残りを少しアレンジしてトマトベースのスープを作った。トロトロに溶けかかったキャベツが美味しい。
昨日と同じくフェルと2人で朝食を食べた。
フェルに古くなったタオルを渡して、雑巾を作って欲しいとお願いして下に降りた。
今日はパンの配給がある。
パンを入れるカゴを持って昨日の雑貨屋に向かった。
マジックバッグは持っていかない。
村長の息子に会うとめんどくさいからだ。会うとなんだかんだと粗探しされて文句を言われる。
前にマジックバッグを使ってパンを運んでいたら、「そんなきたねーカバンにみんなの食料を入れるんじゃねー」と殴られたこともある。
いいかげんそういう理不尽なのにも慣れてきたので、何の文句も言われないように無難にやり過ごすのだ。大体は無視してる。
雑貨屋の裏にはパンを焼く窯があって、みんな週に一度パンをもらうのだ。
僕以外の村人はみんな小麦を育てていてパンの材料として村に収めている。
例外なのは僕の家と雑貨屋さんで、うちは食堂の仕事をしているし、雑貨屋さんのおばさんはパンを作る係だから、この2軒だけは無償でパンをもらっている。
食堂で使う分も合わせると、一度には運べないのでいつも3往復している。
パンを受け取って家に戻ると村の入り口から馬に乗った騎士が4人やってきた。
村長の家を尋ねられたので、向こうの大きな家が村長の家だと伝えた。騎士たちは礼も言わず村長の家に向かって行った。
バレないように、慌てず普通に家に入り、家の戸に鍵をかけてからじいちゃんに報告する。
「じいちゃん、騎士たちがフェルを探しにきた。パンを運ぶの手伝って、ちょっとフェルのところに行ってくる」
そう言って2階に上がる。
フェルは早速雑巾を縫ってくれていた。
「フェル、落ち着いて聞いて。たぶん騎士団の連中が来た。フェルが言った通り偉そうな、嫌な感じのする奴らだったよ。たぶん僕はこれから騎士団を森に案内させられると思う。フェルはここで静かにしててね。絶対下に降りちゃダメだよ。窓にも近づかないでね」
「わかった。くれぐれも気をつけるのだぞ」
フェルは頷いてそう言った。
今度はじいちゃんと2人で残りのパンをもらいに行く。
雑貨屋の裏に行くと村長と騎士たちがいた。
村の人たちは厄介ごとに巻き込まれないように、パンを受け取るとさっさといなくなる。
村長が僕を呼ぶ。じいちゃんにカゴを渡して村長のところに行った。
「ケイ。お前、山には詳しいだろ。この方たちは脱走した騎士を捕えに来たのだそうだ。この村にはそんな者は来ていないと言ったのだが、山の中を捜索するので案内が欲しいとのことだ。ケイ、こちらの方について山の中を案内して差し上げろ。くれぐれも失礼のないようにな」
そう言って村長は騎士のリーダーのような男を僕に紹介する。こいつが副団長か、なんか偉そうで嫌な目つきだ。
騎士たちに、家に装備があるから取りに行く旨を伝えて、森の入り口で少し待ってて欲しいと告げた。
じいちゃんと2人でパンを持って家に帰る。
森に行く装備をして騎士団の待ち合わせ場所に向かった。
104
お気に入りに追加
229
あなたにおすすめの小説
前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に二週目の人生を頑張ります
京衛武百十
ファンタジー
俺の名前は阿久津安斗仁王(あくつあんとにお)。いわゆるキラキラした名前のおかげで散々苦労もしたが、それでも人並みに幸せな家庭を築こうと仕事に精を出して精を出して精を出して頑張ってまあそんなに経済的に困るようなことはなかったはずだった。なのに、女房も娘も俺のことなんかちっとも敬ってくれなくて、俺が出張中に娘は結婚式を上げるわ、定年を迎えたら離婚を切り出されれるわで、一人寂しく老後を過ごし、2086年4月、俺は施設で職員だけに看取られながら人生を終えた。本当に空しい人生だった。
なのに俺は、気付いたら五歳の子供になっていた。いや、正確に言うと、五歳の時に危うく死に掛けて、その弾みで思い出したんだ。<前世の記憶>ってやつを。
今世の名前も<アントニオ>だったものの、幸い、そこは中世ヨーロッパ風の世界だったこともあって、アントニオという名もそんなに突拍子もないものじゃなかったことで、俺は今度こそ<普通の幸せ>を掴もうと心に決めたんだ。
しかし、二週目の人生も取り敢えず平穏無事に二十歳になるまで過ごせたものの、何の因果か俺の暮らしていた村が戦争に巻き込まれて家族とは離れ離れ。俺は難民として流浪の身に。しかも、俺と同じ難民として戦火を逃れてきた八歳の女の子<リーネ>と行動を共にすることに。
今世では結婚はまだだったものの、一応、前世では結婚もして子供もいたから何とかなるかと思ったら、俺は育児を女房に任せっきりでほとんど何も知らなかったことに愕然とする。
とは言え、前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に、何とかしようと思ったのだった。
豪華地下室チートで異世界救済!〜僕の地下室がみんなの憩いの場になるまで〜
自来也
ファンタジー
カクヨム、なろうで150万PV達成!
理想の家の完成を目前に異世界に転移してしまったごく普通のサラリーマンの翔(しょう)。転移先で手にしたスキルは、なんと「地下室作成」!? 戦闘スキルでも、魔法の才能でもないただの「地下室作り」
これが翔の望んだ力だった。
スキルが成長するにつれて移動可能、豪華な浴室、ナイトプール、釣り堀、ゴーカート、ゲーセンなどなどあらゆる物の配置が可能に!?
ある時は瀕死の冒険者を助け、ある時は獣人を招待し、翔の理想の地下室はいつのまにか隠れた憩いの場になっていく。
※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しております。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
10歳で記憶喪失になったけど、チート従魔たちと異世界ライフを楽しみます(リメイク版)
犬社護
ファンタジー
10歳の咲耶(さや)は家族とのキャンプ旅行で就寝中、豪雨の影響で発生した土石流に巻き込まれてしまう。
意識が浮上して目覚めると、そこは森の中。
彼女は10歳の見知らぬ少女となっており、その子の記憶も喪失していたことで、自分が異世界に転生していることにも気づかず、何故深い森の中にいるのかもわからないまま途方に暮れてしまう。
そんな状況の中、森で知り合った冒険者ベイツと霊鳥ルウリと出会ったことで、彼女は徐々に自分の置かれている状況を把握していく。持ち前の明るくてのほほんとしたマイペースな性格もあって、咲耶は前世の知識を駆使して、徐々に異世界にも慣れていくのだが、そんな彼女に転機が訪れる。それ以降、これまで不明だった咲耶自身の力も解放され、様々な人々や精霊、魔物たちと出会い愛されていく。
これは、ちょっぴり天然な《咲耶》とチート従魔たちとのまったり異世界物語。
○○○
旧版を基に再編集しています。
第二章(16話付近)以降、完全オリジナルとなります。
旧版に関しては、8月1日に削除予定なのでご注意ください。
この作品は、ノベルアップ+にも投稿しています。
貧乏育ちの私が転生したらお姫様になっていましたが、貧乏王国だったのでスローライフをしながらお金を稼ぐべく姫が自らキリキリ働きます!
Levi
ファンタジー
前世は日本で超絶貧乏家庭に育った美樹は、ひょんなことから異世界で覚醒。そして姫として生まれ変わっているのを知ったけど、その国は超絶貧乏王国。 美樹は貧乏生活でのノウハウで王国を救おうと心に決めた!
※エブリスタさん版をベースに、一部少し文字を足したり引いたり直したりしています
転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜
犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。
馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。
大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。
異世界転生してしまったがさすがにこれはおかしい
増月ヒラナ
ファンタジー
不慮の事故により死んだ主人公 神田玲。
目覚めたら見知らぬ光景が広がっていた
3歳になるころ、母に催促されステータスを確認したところ
いくらなんでもこれはおかしいだろ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる