元勇者ですが、魔王の孫に転生することが決まりました。

序章

終焉の地へ

ダークエルフの住む大陸、『不浄の地』は驚くほど生き物の気配がしなかった。
厚い雲に覆われた空、立ち込める濃霧、不自然に紫色の大地。まるでRPGでよくある踏んだら毒にかかりそうな沼のようなものもちらほらある。

不浄の地とはまさにこんな場所なんだろう。

この地を踏むまでに当初の予定通り、やはり二年の歳月がかかった。
俺は十八歳。
この世界での成人は十五歳なので、地球にいた俺からすればやっと成人も間近だなーといった気持ちである。
……いやまあ、この命も残り僅かなんですけどね！？

ただ幸いなことにこの世界には、幼なじみのルーファや師匠を始め、可愛いと美しいで女性は溢れていた！

勇者パーティーは現在俺を含め五名にまで増員することに成功。
この面子が可愛いのなんのって、ハーレムパーティーの出来上がりですよ。
ライトノベル体験が出来て俺はもうウッハウハ。

アーノン師匠の紹介は割愛するが、他に僧侶と魔法使いと荷物持ちの亜人を仲間に従えている。

僧侶のアリスは色白でいつもニコニコ、黒髪ロングの守りたくなるルックス。中身はヤンデレ・・・・。
魔法使いのガーネットはとにかく服装が黒くて未亡人感がある。太腿のガーターベルトがエロい。中身はクーデレ・・・・。
荷物持ちのキャルラはネコ科の亜人。ピコピコ動くスコティッシュフォールドみたいな特徴のある耳と、毛先がフワフワの髪型がモフりポイント高し。中身はデレデレ・・・・。

もっと彼女たちのことが知りたければ、閑話でも読んでくれ。


さて、魔王の城までまだまだ距離がある。
敵はいないが、歩き疲れてそろそろ休みたくなってきた頃だった。

「ご主人さまぁ、キャルラお腹空いたのん……。
そこに生えてたおっきいキノコ食べるのん」

「わーっ！？だめだめそれ絶対毒キノコだから！色味ヤバいってマンガとかでよくあるやつ！」

「むしゃむしゃ」

「あら、火を通したら意外と……」

「な、肉厚で美味しい」

「レノ、アリスが口移ししてあ・げ・る」

「って、人の話誰も聞いてねえ！」

ガーネットが炎魔法で程よく焼き目を付けた毒キノコっぽいそれを、アリスがうふふと微笑みなが自らの口にくわえて運んでくる。
ジト目でアリスの背後から睨んでくるガーネットとアーノン師匠。
毒キノコ(？)も怖いけどその視線も怖い。

「むぐ、んッ」

キノコを吐き出さないように、一緒にちろりと押し込まれたアリスの舌が俺の口内を弄ぶ。舌先で歯列をゆーっくりとなぞられて背筋にゾワゾワしたものが走る。
飲み込むまで口開けるなってか……この変態め。
もう少し堪能していたいけど、そろそろ二人が怖いので胃の中へと流し込む。

毒々しい見かけの割に、味はなかなかシイタケの肉厚な食感に近くて、焼いただけなのに出汁っぽい肉汁が出て美味しかった。

「っ……ぷはぁ！」

「ね、美味しかったでしょ？」

「アリスの舌が、かな？」

「うふ。やだ、レノったら」

「私もレノにぶちかます！アリスそこ代わって！」

「駄目よ、次は私だもの」

「あーーっ！キャルラもご主人様とオイシイの半分こするのん！！」

結局皆に代わる代わる俺の口の中を舐め回され、ある意味息も絶え絶えな状態に。
しかし腹はキノコで満たされた。
ハーレムパーティー最高！


いざ行かん、魔族の頂点に君臨する魔王城へ。

アレ？……なんかお腹痛い気がするわ。