マジで普通の異世界転生 〜転生モノの王道を外れたら即死w〜

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第四章 大いなる冒険

フェトチネ

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 女神ファレシラが光の泡になって上空に消え、村人たちは晩夏の空を見上げた。

 既に雨雲は消え去っていたが、晴れた夏空は赤みを帯びていて、暗い積乱雲からバトンを受け継いだように夕暮れの赤が壊滅した村を照らした。

 老狐のフェネの跡を継いだ黒猫が、咳払いして〈組長命令〉のスキルを発動した。

〈全員、まずは瓦礫の中から仲間を探せ……弔ってやらにゃいと。ついでに瓦礫から使えそうな道具を集めれ。特に布団と調理器具。
 そんで、手が空いた者はその辺で「おやつ」の豆を集めて、ミノタウロスを焼いて食べてみよう。
 家は一軒も残ってないし、今日はここで野宿する。そして明日は——歌様が神託してくださった南東の迷宮に出発にゃ〉

 俺は余ったMPにモノを言わせて瓦礫の下を鑑定する作業に打ち込み、それから数時間後、蒸し暑い晩夏の夜空の下で、崩れた邪神像跡にキャンプファイヤの炎が上がった。

 超久々に食べた牛肉はぶっちゃけ乳臭く、豚肉しか知らない村人たちも「なんだこれ」と笑いながらミノタウロスを齧り……食べながらふと涙をこぼす者も多かった。最終的な死者は700名を超え、小さな墓地には収まらないため村外れの空き地に埋められた。ミケは無言でバウの冒険者カードを炎に投げ入れていた。

 新しいギルドマスターは、弔いの宴の最後に娘と俺へ演奏を命じた。

 すでに借りを返したと確信した俺は心の中で「邪神、邪神♪」と念じつつも、請われた以上は手抜きしたくなくて、地球科学でピアノを呼び出した。学校の音楽室で触ったグランドピアノだ。

「にゃ……? カッシェが昼間使ってたギターは? 三毛猫的には……」
「エレキは慣れるまで無理だと思う。形は似てるけど演奏法が違うから」
「にゃ」

 ミケは不満をこぼしつつもずっと使っていたアコギを手に取り、俺がギターと胸元にマイクをつけてやるとにゃーにゃー言って喜んだ。自分の声がスピーカーから響くのが楽しいようだ。

 子猫は気を取り直し、俺のピアノ伴奏に合わせて弾き語りしてくれた。どの曲も歌詞は適当で、「にゃー」だけの歌だ。

 演奏に聞き入る村人たちの中には月の鬼族きぞくが混じっていて、フィウは執事に励まされながら泣き腫らした目をしていたが、俺たちが演奏を終える頃にはどこかに消えていた。もうひとりの生き残りと同様、別の土地へ流れていったのだろう。

 その夜——宿屋の店主は生き残っていて、まだクソガキの俺とミケは〈避難所〉の布団に入った。粗末な布団に潜り込むと不眠症の子猫は速攻で眠りについたが、俺はどうしても心臓が落ち着かず、眠れなくて、夜明け前に諦めて「再起動」した。

 アプリが即座に意識を奪い、視界が暗闇に沈んでいく。

 しかし予感していた通り、俺はそのあと先輩冒険者の夢を見てしまった。それはただの夢なんかじゃなく、極大魔法の鑑定Lv10で見通した、死者の回想に近い夢だった。

 弔いのロックは捧げたが、結局、シュコニの冒険者カードは回収してやれなかった。


  ◇


 それから数日後、俺とミケは初めて村の外に出て、レテアリタ帝国シラガウト領にそびえるウトナ山脈に入った。

 村長にして鑑定持ちのポコニャさんが鑑定で行く先を調べ、美しい紅葉の山道を進む。俺はSPの使い道を考えながらのんきに異世界を見物したが、ポコニャ村長は忙しかった。

 迷宮の跡地にはスライムすら湧かず、ウユギワはただの洞窟になっていた。生産職の幾人かは村を離れシラガウト市に移住したが、生活の糧を失った千人近い冒険者たちはポコニャさんに従った。

 となると問題はまず食料だ。

 村の経済が壊滅しているため、ポコニャさんは山で出現した魔物の肉を、それが誰の獲物であれ村人全員で分け合うことに同意させた。当然不満の声はあったが、村長のバックには村の最強戦力たる剣閃の風が付いていた。

 山には初見の魔物が多かったが、冒険者らは手分けしてモンスターを肉に変えた。俺もいくらか魔法を使ったりしたが、誰より活躍したのはミケだろう。

 村長たる母に食料の確保を頼まれた子猫は獅子奮迅の働きを見せた。例のボス戦でレベル19に上がったミケはたいていの魔物をワンパンしたし、たまに強力な魔物が出ても子猫には霊爪シュコニがあった。ミケは手作りのサンダルを履き、両足からものびのびと爪を伸ばして山の魔物を輪切りにした。

 俺は戦闘よりも金槌を振ることが多かった。

 村を出発した朝のことだ。気がつくとステータス画面の〈鍛冶〉がカンストしていて、俺は何気に村一番の鍛冶屋になっていた。生き残った鍛冶屋連中と一緒に俺は毎日村人たちの武器や防具を補修し、同年代で唯一生き残った服屋のパルテと一緒に魔物の毛皮を裁縫して不足気味の布団に仕立てた。

 それまであまり接点がなかったが金髪で色白のパルテは俺と同じ鑑定持ちで、アクシノが残念な貧乳の女神だったという話で盛り上がり、すぐ仲良くなれた。俺たちが同時に〈殺すぞ〉という神託を受けたのが結束の決め手だった。

 他の仕事としては、食事時に電子レンジやIHコンロを披露した。

 地球科学スキルは召喚のためにMPが消費される他、召喚中もずっとMPが減っていくのだが、代わりにすべての電化製品を電源なしで動作させられた。ガスコンロは動作させられなかったので、どうもMPが電力に変換されているようだ。実際、冷えたスープをチンするとMP消費が大きくなる。

 そんな検証をしながら山を下り、レテアリタ帝国のラーナボルカ半島に入った。

 鑑定によると日本の本州ほどある広い半島は北部がレテアリタ領で、南部はドーフーシ帝国が支配している。半島の西側には丸い形の火山島があり、そこはツイウス王国の領地だそうだ。

 ポコニャさんは流浪の民を率いてラーナボルカ半島の南西を目指した。その場所にはレテアリタ帝国とドーフーシの国境があり、海を挟んでツイウス王国の島まである。

 そしてその土地こそが神々に約束された新天地であり、新たな迷宮が待ち受ける街だった。


 きれいな秋晴れの昼下がりのことだ。

 レテアリタ帝国ラーナボルカ伯爵領の首都ラーナボルカ市は、白く巨大な城壁に囲まれた都市で、いくつかある城壁門のうち、ポコニャさんは北側の門へ俺たちを導いた。

 千人を超える集団が真っ直ぐ街を目指して来たわけで、門の周辺には大量の兵や冒険者が詰めかけ、高い城壁の上の通路から見物に来た領民が顔を出していた。

 兵士が守りを固める陣の中央には太った白ひげの貴族がいて、ポコニャさんがその前に立つと、初老の領主は重々しく言った。

「神々が……偉大なる星辰と冒険の女神から神託があった。お前が新たなマスターか」
「にゃ」

 ポコニャさんが締まらない返事をして冒険者カードを見せ、領主の脇に控えていた燕尾服の男性が体を青白く発光させて頷く。真贋を鑑定したのだろう。

「しかし……」

 領主はうろたえた顔でポコニャさんの背後にいる村人を見回した。

「これだけの人間をどこに住まわせるつもりだ? 城壁の中は既に我が領民で溢れている。神託によれば、我が街に新たな村を興せと……そのような土地は、我が領土には無い!」
「にゃ。あちしもどーすんのかなと思っていましたが——鑑定」

 ポコニャさんは雑な敬語を口にしながら城壁に向かって鑑定し、にゃーにゃーと頷くと村人たちに言った。

「にゃ。おめーらあの城壁に登れ。アクシノ様が〈見物しろ〉と指示してる!」
「城壁に!? いや、待て、新たなギルドマスター。この城壁は我が領土であり、勝手に人を入れるような真似は……」
「にゃ? あんた〈天罰〉をお望みか? あんたにも神託があっただろ。我らは星辰たる歌の女神に導かれてこの地に来た」

 ポコニャさんは領主をシカトして白い城壁に進み、俺たち村人は後に続いた。ラーナボルカ伯爵は侮辱されたと感じたようで顔を赤くしたが、身構えた兵士に道を譲るよう指示した。

 城壁は厚みが5メートル近くあり、高さも30メートルはあって、巨人に進撃されても平気そうだった。壁の中には細い通路と階段があり、ポコニャさんは鑑定しながら階段を登って、村人たちが伯爵領の兵士を押しのけて後に続く。

 城壁の屋上は見晴らしが良く市内を一望できたが、ポコニャさんは壁の上の通路をぐいぐい進み、城壁に囲まれた街には目もくれず、城壁の外に広がる田畑の一角を指さした。

「にゃ。ラーナボルカの領主よ。〈あの辺を使う〉と神託があった……あのへんは日当たりが悪く収穫は少ないそうだが?」
「使う? 使うとは? ギルドマスター殿、私としても冒険者ギルドとは良好な関係を持ちたいが、もっと詳しく教えてもらわねば——」

 村人たちを押しのけてポコニャさんに付いてきた領主は言いかけて黙った。

 領主はもちろん村人全員が息を飲み、壁に阻まれた市内から悲鳴が聞こえてくる。


 ——城壁の上空に淡い光を帯びた女神が浮かび、青空を背後に赤毛をなびかせていた。


 腹に響くような地鳴りがあり、城壁が小刻みに揺れる。震度で言えば2か3くらいだ。

 突如として顕現した「冒険のニケ」は、城壁の上で見上げている俺たちのうち、たったひとりを見つめて神託した。

〈旧ウユギワ村の村人たちよ。わたしと愉快ゆかいムリアフバの子が見せた冒険を讃え、我らはせめて、そこの子猫に住む場所を与える——ミケ、おまえの「お姉ちゃん」に感謝しなさい〉

 その言葉はすべての人の頭に響いたが、ミケだけに向けられていた。子猫が首をかしげる。

「にゃ? 三毛猫は一人娘だが?」
〈うるせえな。黙って「神々の御業みわざ」を見てろよ〉

 赤毛が雑に返事した瞬間、街の南西に広がる荒れた畑に巨大な魔法陣が刻まれた。

 半径1キロはあるだろう。城壁の上から模様の全体を目にした俺は、それが極大魔法スキルを得た時にアクシノから教わった〈岩石の極大魔法陣〉だとわかった。

 巨大な魔法陣はまばゆく光り、地響きが強くなった、俺の頭にアクシノの声がする。お仕事モードの声ではなくて、眷属の俺だけに聞こえる声だ。

〈——ニケとムリアフバがそれぞれ100SPも出した。我らはいつもカツカツだが、あいつらはしばらく奇跡を起こせないだろうね。ちなみにワタシとスハロイも少し手を貸した。おまえを経由して知った地球の水道システムが果たしてうまく動くのか……実に興味深い!〉

 地響きが大きくなり、畑の一部が高く盛り上がった。土壁は壁のような形になると固く引き締まって岩の城壁に変わり、蛇のように伸びてラーナボルカの城壁に接続された。

 変異はそれで終わらない。

 城壁が完成すると内部の畑は細い岩の壁で分割され、区分けされたブロックごとに石造りのビルが建つ。素材が岩石だけなせいか高さはどれも5階建てが限度だったが、雨後の竹の子のように生えていくビルの群れは壮観だった。

 ビルの合間には石畳のメインストリートが形成され、すべての道が集まる部分には広場と噴水まで作られた。地上からは見えないが道路にはマンホールのようなものが見えるから、地下には水道が用意されているらしい。

 城壁の上の見物人たちは歓声を上げたり冒険のニケに平伏したりと様々で、ラーナボルカの領主は平伏を選択していた。

「我が領地がッ、このように広く……!!」

 ノーコストで街を拡張してもらった伯爵は泣きながらニケに土下座し、神への感謝を叫んでいて、隣に立つポコニャさんは「うるせえな」といった顔で三角耳を伏せていた。

 地響きが収まり、静かになった。

 城壁の上から見下ろす新しい街はまだ無人の新品で、見渡すかぎり岩の灰色一色のビル街はちょっと旧ソ連っぽく見える。しかし数千人は住めるビルの群れに村の冒険者たちは大興奮で、「俺はあそこに住む」「ざけんな」とケンカを始めた。

〈ポコニャよ〉

 ニケが言い、ポコニャさんが「にゃ!?」と叫んでしっぽを太く逆立てた。

〈我らが増やしたこの街を亡きウユギワの代わりとする。おまえをココの区長に任命するから、好きな名前をつけてみんなで住め。そんで迷宮をぶっ飛ばしてくれ。
 ラーナボルカの住民はおまえら移民に文句を言うかもしれんが、我らの決定に都市や国家ごときが異議申し立てを——ああ、もう、説明がめんどくせえな。要はまあ、神が作った新しい街に文句を言ったら天罰だ。わかったな?〉

 最後のセリフは領主に向けられたもので、太った初老のラーナボルカ氏が滝汗をかいて何度も頷く。ポコニャさんは首をひねりながら口を開いた。

「にゃ、しかし、新しい街の名前ですか……それじゃ亡くなった村長の名前をいただいて『フェトチネ地区』はどうかにゃ? あの村長はみにゃのものから『フェネ』の愛称で親しまれていましたが、ほんとの名前はフェトチネでした」
〈——決まりだね。フェネもで喜ぶだろう〉

 ニケはそれだけ言うと光の泡になって消えてしまい、即座に叡智アクシノの声が響いた。

 お仕事モードのアナウンスはウユギワ村から流れてきた村民すべての心に響いた。

〈——旧ウユギワ村の村長ポコニャは、レテアリタ帝国ラーナボルカ市フェトチネ地区の区長となりました。旧ウユギワの村民は、冒険のニケと癒快ムリアフバ、そして星辰ファレシラの名において新たな街に移住を許されます。しかし……実際どこに住むのかは、早いもの勝ちとします〉

 通知を聞いた村人たちは歓声を上げ、城壁を下って新しい町に流れ込んだ。


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