貴方のお嫁さんにはなりません!!!このばかぁ

白藍たんぽっぽ

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愛する人との生活

隠し味は特大の愛

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 今日は一日だらだらと過ごし雫とイチャつく日なので僕の好きなドラマを観ている。僕が記憶を思い出すきっかけになったのもこのドラマ
 朝から夕方まで一気見してしまった。ドラマを観て一喜一憂する僕を雫は楽しそうに微笑んでみつめる。視線が絡むから僕も微笑みかけた

 ドラマを流しながら、二人で夜ご飯の肉じゃがを作る。僕が野菜を剥いて、雫が切って鍋に入れてと分担する。やっぱり一人で作るよりも二人の方が早く出来上がるし、雫と料理を一緒に作ることが楽しかった
 夜ご飯を食べる頃にはドラマもクライマックスをむかえていた。僕が僕の記憶を疑ったあのシーンだ

 
「僕が記憶を思い出すきっかけになったの、このシーンなんだよ」

「そうなんだ。舞白が何をきっかけに思い出したのか不思議だったんだよね。いつの間にか戻ってたし、、、でも今はきっかけが何であろうが何でもいい」


 そう言って料理を運び終わり、リビングにいる僕のところへ戻ってきた雫はちゅっちゅっと何回も頭のてっぺんや耳、額、頬とキスをした。口にもして欲しかったのにしてくれなかったのは雫が我慢できないから、、、と思っておくことにする


「ふふふ、ごめんね舞白。俺だってここにしたいけど、、、ご飯食べなきゃね」


 雫はごめんなんて言うけれど口先だけでその顔はすごく嬉しそうだった。頬を撫でながら雫の親指はふにふにと僕の唇を弄ぶ


「だから、そんなに頬を膨らませないでよ。可愛くて食べたくなる。このぷにぷになほっぺを」

「やだっ」


 食べられるなんて言われたら僕は急いで頬をしぼませた。頬をむにむにと揉みながら雫は残念と呟く。だってほっぺの感覚なくなるまで雫は口を離してくれず、ずっと食べられ続けるのだ
 僕は雫から離れて飲み物をもってテーブルに行く。これでご飯の準備が整った。雫に食べようと声をかけようと振り返ると思ったよりも近くにいた。雫の顔を見あげると、目元にキスをされる


「な、なに?」

「ん~?今はこれで許してもらおうと思って」

「~~っ!、、、いいよ、っでも!後でちゃんと今朝の続き、してくれる、ならっ」

「もちろん」


 雫からの甘い視線に僕まで我慢できなくなりそうで逃げるように席につく。雫はくすくすと笑いながら向かいに座って、二人でいただきますと口にしてから食べ始めた

 その間ももちろん、あ~んをして食べさせあった。同じものを食べているのに雫から貰う方が美味しく感じる


「雫の方が肉じゃが美味しい」

「俺もだよ、舞白にあ~んってして貰えるからね」


 雫は最後のあ~んで愛がたくさん込められるから美味しいのかな、なんて言うのでイケメンはこんな台詞も恥ずかしげもなく言えるなんてと顔を赤くしてご飯を食べ進めた


 
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