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愛する人との生活
生きがい
しおりを挟むしばらく抱きしめてから、雫の方から離れていった。落ち着いたのかな
「舞白、ありがとう、、、もう大丈夫」
「よかった、ほら早く横になって」
「うん」
雫が横になったら布団を肩のところまでしっかりとかけてあげる。しんどそうだけど嬉しそうに笑ってくれてるから僕は心底よかったと思えた
「舞白」
「どうしたの?」
「傍には、、、いて欲しい」
「ふふふ、もちろんだよ」
「あと、、、」
雫は僕よりも年下なことを忘れてしまうほどに普段が完璧だから、こうやって甘えてもいいってなると甘え上手なのが年下だなって感じる
傍にいて欲しいって言うのが可愛くて頭を撫でてしまう。僕の顔は今、でろでろに蕩けていると思う
「あとは、なに?何でもいいよ」
「、、、っ撫でて、欲しかったけど、もう、、、してくれたからっ」
顔を染めてそっぽを向いてしまった。僕は胸がきゅ~んっと締め付けられる。何この可愛さ?!
「そっか~もっと撫でてあげるね」
「~~っ」
雫がこんなに甘えてくれるのが本当に初めてで僕は普段からやっぱり雫に甘えすぎているんだと自覚した。だから、雫は僕に甘えにくいのかもしれない、、、だってこんなに甘え上手で可愛いのにっ僕のために我慢してるんだっ!
「舞白」
呼ばれて雫と視線を絡めると真剣な顔をしていた。風邪を引いてるんだから、大事なことは後ででも良いと思ったけれど、とりあえず聞いてみることにした
「なぁに?」
「風邪が治ったら、俺が舞白を甘やかすからっ」
「うん楽しみ」
「俺を甘やかすのは、、、ほんと、たまにでいいっいつもみたいに俺にお世話されてて、俺の生きがい、、、とっちゃ駄目だからね舞白」
その言葉を聞いて僕は驚く。雫は僕の考えなんてお見通しなんだ。そりゃ、僕だって甘える量を減らすのは、その、嫌だよ?でも雫のこと甘えさせたいし甘えたいし
「俺の生きがい、だからっ!ごほっごほっ」
「ちょ、雫?!大きな声だすからっ」
僕はいそいでアクエリアスの入ったコップを手に取り、ストローを雫の口元に近づけた。雫は今ので目に見えるつらさが増している。興奮しすぎでは?!生きがいって、、、前にも言われた気がする
「わかったよ、、、治ったら僕のこと甘やかしてね」
「っ!うん、甘やかす。舞白のお世話で俺、満たされるから」
「うん、楽しみにしてる。雫、もう寝よう、ね?風邪を治さないと」
雫は頷いて目を閉じ、僕は頭を撫で続けた。でも僕も喉が渇いてペットボトルから水を飲んでいると雫は起き上がって辺りを見回し僕がいるのを確認すると安心した顔をしてまた横になる
ごめんね雫、横にいるから、離れてないよ。ちょっと喉乾いちゃっただけだから
そんな姿も僕は可愛くて笑みが溢れてしまった
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