貴方のお嫁さんにはなりません!!!このばかぁ

白藍たんぽっぽ

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愛する人との生活

離れたのが寂しかった

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 こんな可愛いお願いをされては聞いてあげたいけど、お粥をお鍋に戻さないとだしアクエリアスも無くなったから新しいの取りに行かなきゃだし、、、どうしよ、いやここは心を鬼にしよう、雫のためだ。うん頑張れ僕


「ごめん雫、すぐに戻ってくるから、待っててっほんとにすぐ戻ってくるから!」

「ましろっ」


 雫の呼び止める必死な声を無視して、お盆を持ち寝室を出る。あぁ、罪悪感で泣いてしまいそう。部屋を出る時の雫の顔を思い返し早く戻ってあげなきゃとリビングに行く。
 お粥を鍋に戻して、冷蔵庫からアクエリアスを二、三本くらい取り出す。これくらいあれば充分だし、こっちにまた戻ってくることもない、、、雫に寂しい思いをさせなくて済む。あと必要なものはなんだろ?
 お腹いっぱいって言ってたからプリンも今はいらないし、冷えピタは向こうにも予備はある、、、体温計もむこうで、、、今のところ必要なものはアクエリアスだけかな?よし、戻ろう、急いで戻ろう

 アクエリアスを持って雫が待ってる寝室に入る


「お待たせっ雫!帰ってきたよ」


 雫からの返事はなく、僕は身体が熱で辛く今日は病院にも行ったから疲れて寝てしまったのだと思っていた。だからベッドのサイドテーブルにアクエリアスを置き、ベッドに腰掛け雫の顔を見た僕は間抜けな声を出してしまった


「ふぇ?し、しずく?」

「ふっ、、、ましろ、ひっく」

「ちょ、どうしたの?」

「ぁ、ましろ?、、、ましろぉ、、、戻ってきたくれた、ひっく」


 雫が泣いて、る?!な、どうして?!そう焦る僕に雫は起き上がって僕を抱きしめる。ギューッと強く抱きしめられ、小さく泣く声を聞いてしまえば僕は落ち着きを取り戻していった


「雫、どうしたの?」


 雫の頭を撫でながら自分が思うよりも一層と優しく甘い声がでた気がする


「舞白がすぐっ、、、ひっく、もどってくるって、、、ぐすっ、分かっていても、、、なんだか悲しくて」

「そっか、ごめんね。僕、帰ってくるの少し遅かったもんね、大丈夫、もうどこにも行かないよ」


 きつく抱き締められて唇にキスが出来ないから代わりに雫のこめかみにキスを送る。いつもより高くなった雫の体温がさらに熱くなった気がする
 

「おれ、、、今すごく、ダサい」

「ダサくないよ、可愛い」

「ダサいってことじゃん、ひっく」

「そんなことないけど、、、可愛いっ、普段から僕に甘えてくれていいんだよ?」

「おれは、、、ひっく、ましろを、甘やかしたいんだよぉ」


 そうやって泣く雫は自分のことをダサいなんて言うけれど僕は愛しくて仕方がなかった


 
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