貴方のお嫁さんにはなりません!!!このばかぁ

白藍たんぽっぽ

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愛する人との生活

可愛い雛

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 病人に持たせるなんてそんな酷いこと僕はしません。雫には代わりに僕の腕を掴んでもらいました。フラフラと歩くのも辛いだろうに僕の傍までくるのすっごく可愛いっ!親鳥を追いかける雛みたいっ
 扉の開け閉めを雫に手伝ってもらい、ベッドのサイドテーブルへお盆をのせる。雫にベッドに座るように促して、背もたれになるように、これでもかと枕やクッションを詰めた。雫の太ももらへんまで布団をかけてから僕もベッドに腰かける


「雫、まず水分補給しよ?はい」

「ん」


 雫は自分の手でコップを持たずに僕の手から飲んでいる。僕の手って言ってもストローをさしてあるから僕に負担はないんだけどね。雫はこくっこくっとすぐに飲み干してしまったので相当、喉が渇いていたんだと思う
 アクエリヤスをコップに注いでからまた、ストローを雫の口に近ずけるとかぷっとくわえて、ちゅーちゅー吸い始めた。その姿が余計、幼い子を見ているようで可愛くて仕方がない。ほんと、僕ってば不謹慎なこと考えてるよね、うん自分でもわかってる


「、、、もう、大丈夫、ありがと舞白」

「分かった、また飲みたくなったら何時でも言ってね?」

「うん」


 次はお粥を手に取ってスプーンですくい、ふ~ふ~っと冷ましてから雫の口元へ持っていく


「雫、あ~ん」

「あ~、、、んっ、もぐもぐ」

「美味しい?」

「おいしい」

「良かった、まだあるからね」


 お粥を冷ましてあ~んで雫に食べてもらい、雫が飲みたいと言えばストローを支えて飲んでもらう。雫が僕のお世話をしたがる理由が何となくわかった気がする
 可愛いんだよね、僕の手から食べたり飲んだりしてくれるのがすごく可愛い。僕の中の何かがくすぐられるんだよね、母性かな、可愛くて可愛くて仕方ない
 それに普段の雫は絶対にこんなことさせてくれないし、僕に弱味を見せたがらないし、、、だから余計に僕に響くんだろうな


「ましろ」

「どうしたの?」

「もう、お腹いっぱいになっちゃった、、、残してごめんね」

「そんなの気にしなくて大丈夫だよ、無理に食べる方が身体に悪いからね、、、はい、これお薬」

「ありがと、舞白」


 雫に薬を渡して、アクエリアスで流して込んでもらう。ゴクッと飲むのを見守ってから僕は後片付けのために席を立った


「、、、っましろ?どこにいくの?」

「どこってリビングだよ?後片付けしようと思って、、、あ、何か欲しいものある?取ってくるよ?」

「ましろがいい、ましろが欲しい、だからここに居て?」


 また可愛いこと言ってくるっ僕の旦那様、可愛すぎないっ?!


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