貴方のお嫁さんにはなりません!!!このばかぁ

白藍たんぽっぽ

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愛する人との生活

自分でも気づかなかった

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 雫は僕から風邪を隠そうとする。でも、僕は雫が大好きだからやばいって顔をしたのを見逃さないよ?


「雫、ほら測るから、ね?」

「測らなくていいよ、熱はないから」

「なかったら、手錠も外してあげるから」

「、、、、、、」

「、、、、、、」


 雫は頑なに腕を上げてくれなかった。これじゃ測ることができない。雫がそういうことするなら僕だって考えがある


「僕ね、ここ数日すごく寂しかったんだよ?避けてる理由が風邪じゃないなら何?僕のこと嫌いになっちゃった?ハグもキスも、一緒に寝ることだって、、、」

 
 泣きそうな声で弱々しく言ったあと、僕は俯いてシクシクと静かに泣いていた。本気で泣くつもりなんてなかったのに、、、自分で言っていて悲しくなってしまった


「舞白、ごめん泣かないで。俺、知らない間に疲れが溜まってると思ったんだ。症状も身体が重いだけだし、だからすぐ治ると思って、、、でも、もし風邪だったら舞白に移しちゃうから避けるというか離れていたというか、、、そのごめん」


 手の隙間から雫をチラッと覗き見ると雫の方が辛そうに泣きそうな顔をしていた。でも今は僕よりも雫の方がしんどいはずだから、泣いている場合じゃない。雫は自分の身体の不調を認めたし、もう逃げないだろうから手錠を外した


「熱、測ってくれる?」

「もちろん、測るよ」

 
 雫に体温計を渡して音が鳴るのを待っている間にいろんな質問をしていく


「いつからしんどかったの?」

「二日前、、、くらいからかな、それにしんどいってよりも身体が重い感じ」

「他の症状はない?頭痛いとか、喉が痛いとか」

「ないよ、、、だから風邪じゃないと思うんだけど、、、」


 ピピっと小さな電子音がなる。僕は雫から体温計を受け取りその数値を見てピシリと身体が強張った


「し、雫っほんとに辛くない?身体がおもいってどれくらい?」

「え、どれくらい、、、運動のしすぎで疲れた時くらいかな」

「、、、もう一回、測ってみて」


 焦る気持ちを抑えて僕はたまたまだと、壊れているだけかもと、静かに測り終わるのを待つ。ピピっと長い時間を待った中、ようやく終わったのだと急いで体温計を確認する


「っ雫!三十九度八分もあるよっ見間違えじゃなかった!、、、、ど、どうしよ、病院に行かなきゃ、、、でも僕、車なんて運転できない、、、」

「舞白大丈夫だよ、、、あれ?」


 学さんに急いで連絡しようとスマホを探していると、後ろでバフンッと音が聞こえた。振り返るとさっきまで起きていた雫がベッドに倒れ込んでいた







 



 
 
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