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旦那さん(正式)との生活
人生で二回目
しおりを挟む車の中に来た後も恥ずかしさで、顔をあげられなかった。勘違いした事の羞恥はもうなくなっていた。じゃあ、何が理由かというと、ちょっと遡り車に乗ったすぐのことである
車に行くまでの道中に学さんと雫に、帰り支度をしてもらったことのお礼を伝えた。学さんは執事ですので、雫は当たり前だよ、と。二人とも優しいな
「ほんと、ありがとう」
その後雫に丁寧に座席に座らせてもらい、雫と学さんが車に乗り込むのを大人しく待っていた。学さんが運転をしてくれるので雫は学さんと何かを確認したあと、後ろの座席に乗り込み僕の腰を抱き寄せようとし、やめた
「?、、、どうしたの?」
いつもなら抱き寄せて僕との隙間を無くすようにピッタリとくっつくのに、、、それをやめたことが何だか寂しくて雫にとう
「だって、昨日無理させすぎたでしょ?座ってるのも腰に負担がかかって辛いだろうから、俺の膝を枕にして寝てもらう方がいいかと思って」
「、、、、っ!?あ、そ、確かに、そうだけどっ」
確かに腰は辛いけどっ学さんもいるのにっ!僕は恥ずかしくて雫の膝に頭突きをしながら枕にした。勢いをつけたせいで腰がズキリっと痛んだけど気にしないフリをした
「ふふふ、舞白はそんなに俺の膝で寝たかったんだね」
別にそういうわけじゃないけど、雫も嬉しそうだし、恥ずかしさを紛らわすように頭をグリグリと擦りつけた。あと雫への恨みが少し
それなのに雫は嬉しそうに僕の頭を撫でて髪を梳いてくれる。気持ちよくて嬉しくて、雫のデリカシーのなさに対しての怒りもどこかへ飛んでいった
途中で美味しいご飯を食べたり、綺麗な景色と一緒に雫とも写真を撮る。この新婚旅行はたくさんの思い出と写真、大切な物が増えてとても楽しかった。また時間作って旅行に行きたいな、とインドア派な僕が思うほどには楽しかった。
日はどんどん落ちていき、街中の明かりもギラつきを増す頃に家に着いた。
雫は荷物を学さんに運んでくるように伝えると僕を先に部屋へと案内した。そう僕はどこに部屋があるのかさえ分かっていない。この高くそびえ立つタワマンの高いところってことしか分からなかった
そんな我が家に久しぶりに帰ってくると安心感が自然と胸の内を占める
雫は学さんを手伝ってくると部屋を出ていき僕は何とか雫から死守した僕の荷物を直していくために部屋に入った
僕の仕事部屋には雫がくれたプレゼントがたくさん、溢れることとなり幸せだった
僕はレトルトでもいいからご飯になりそうなのがあるかな~、とリビングに入る
電気がついていて旅の途中で買ったお土産の中には食べ物も入っていたので雫は先に冷やしに来たのかも
「あら、帰るの遅かったわね。待ちくたびれたわ」
そう、思っていたのに。中に入って知らない声に視線を向ければ美人さんがコーヒーを飲みながらくつろいでいた
「きゃあああぁあああぁあああ?!し、しずくぅっしずく、雫、雫っ雫!!っ?!ぁ、どこにいるのっ?早く帰ってきて!」
リビングをダッシュで去り玄関まで雫を探しにくるも僕じゃ開けられない扉しかなく雫はそこにいなかった
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