貴方のお嫁さんにはなりません!!!このばかぁ

白藍たんぽっぽ

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旦那さん(正式)との生活

プロのマッサージ屋

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 雫は頬から僕の唇にキスをしてから離れてありがとうなんて行ってくる、たったそれだけのことなのに僕の機嫌は良くなってしまう。あぁ、なんて単純なんだろ


「ほら舞白、俺の膝の上においで洗ってあげる」

「洗ってくれるの?やったぁ、ありがとう」


 言われた通りに膝の上に雫の方を向いて座る。僕と雫の身長差はそれでも埋まらず雫は僕のつむじを見下ろすことができた


「僕もおおきく、なりたい」

「舞白はこのままでも可愛いよ」


 ちゅっと、今度は頭のてっぺんにされて僕は嬉しくてふふっと声が漏れてしまった。そんな僕を見る雫の瞳は愛おしいという想いがありありと込められており恥ずかしくて顔を逸らしてしまう


 雫に洗ってもらうと困るのは二つある。一つは雫と愛すると決まって入るお風呂は焦らしに焦らされて身体を高められることでいろいろ大変なのだ。
 もう一つは、今みたいな、ただただ慈愛に満ちた触れ合いで居心地がよくずっと続けて欲しいけど早く雫と好き好きって言いたい、じゃないと僕、ぼくっ


「ふぁあ、、、ねむたい」

「もうちょっとだけ頑張れる?舞白」

「うゅ、うん、がんばりゅ」


 そう、雫の慈愛に満ちた手のひらで触られるのはプロのマッサージ屋のようで眠たくなってしまうのだ。だから、寝る前に僕は雫に愛を伝えなきゃって思うし、もっと今日の雫を見ていたいと願ってしまう


「しずく、、、だいすき、、、」

「うん、俺も愛してる」


 あぁ、幸せだなぁ

 
 ────────────


 舞白からの可愛い大好きを貰ってあぁ、なんて可愛いんだと舞白の可愛さを楽しんでいたらそれは突然に訪れた


「、、、、っ?!ちょ、大丈夫?、、、、舞白?」


 舞白が急に横に倒れかけ、俺は慌てて抱きとめた。どうしたんだと、舞白の顔を見れば穏やかで息もしていた、ただただ可愛い子がそこにいた。そしてさっきの舞白の言葉を思い出しあぁ、と納得する。


「ふふふ、可愛い寝顔」


 すぴすぴと小さな音を立てながら寝ているのが可愛くてずっと見ていられる。しかし露天風呂にいるので何もせずじっとしていては舞白が風邪を引いてしまう。
 急いで舞白を洗ってタオルで身体を拭き、敷いてあった敷布団に寝かせる。服は備え付けの浴衣のようなもので今日はもしかしたら、、、を期待したけれどこんな可愛く寝ていてはその気もなくなりただただ愛おしいかった。

 何分見ても見足りない舞白にしっかりと布団をかけたのを確認してから俺自身を洗うためにお風呂へと一人戻って洗うのだった。

 
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