貴方のお嫁さんにはなりません!!!このばかぁ

白藍たんぽっぽ

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旦那さん(正式)との生活

舞白はちょっとおバカさん

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 目の前に置かれた海鮮料理はどれも新鮮で美味しそうだった。エビにイカ、タコ、イクラもあり一番気になるのはウニやサーモンなどが乗った海鮮丼である
 食べ進めると見た目通り美味しく頬がとろけ落ちてしまいそうなほど味が良かったし食べごたえもあった


「ふふふ舞白、ご飯粒がついてるよ」

「んぅ、ありがと」

「こちらこそ」


 そう言って僕の頬についていたご飯を食べ微笑む雫に僕は頬を膨らませて不満を示した


「自分でとれるのにっ」

「ふふふごめんね舞白」


 ご飯と一緒に出てきたのは日本酒でちょびちょびと飲んでいる。お刺身にあって幸せな気持ちでいっぱいになれた
 雫といろんな場所に行けたし思い出もたくさん出来て、その上アルバムとか自分で作ったものが形として残るのが幸せで嬉しかった

 幼い頃に夢見た温かな家族とはこんな風に幸せいっぱいなんだなぁと思うと同時に蘇る嫌な記憶はお酒もあいまってずるずると芋ずる式に出てきた
 思わず俯いて涙を耐えていると雫に名前を呼ばれる。その声は幸せと愛しさを含んでいて、なんで僕なんかを好きになってくれたんだろうな、なんて最近はなりを潜めていた疑問がまた顔を出す


「舞白?」


 目に溜まっていた涙は顔を上げたのと同時に瞳から零れて頬に一筋、線を作った。それを見た僕の愛おしい人は驚きどうしたのと聞いてくれる


「わ、わからない、僕、今すごく幸せでっなのに、ひっく、悲しくて、ぅぅ」

「あぁ、舞白なかないで」


 そう言われて手に持っていた日本酒の瓶をコップに注ぐのではなく一気に飲み干すことにした


「ま、舞白?!ちょ、ダメダメそんなことしちゃ!」

「やだぁ~!返してよぉ」

「駄目に決まってるでしょほら、お水飲んで」


 持っていたお酒の瓶はいつの間にか近くに来ていた雫に取られてしまい取り返そうと手を伸ばすも邪魔をされて無理だった


「お水やだ、おしゃけがいい」

「、、、、舞白、これはお酒だよ」

「ほんろ?なら、のむ、、、ちょうらい」

 
 代わりに渡されたお水をいらないと返そうとしたけど雫はお酒だと言う。言い間違えたのかな?受け取って飲むと何も味がしなかった


「こりぇ、おみず、、、だよ?」

「ううん、舞白。ちゃんとお酒だよ、ほらもう一杯飲んで?」

「うん」


 ごくごくと雫に言われるまま飲んでいくと体が熱くなってきたのでコップを雫に渡して頑張って服を脱ぐ、けど失敗してどてっと畳に倒れてしまった


「舞白?!頭打ってない?こんどはどうしたの?」

「ふく、ぬぎたい、、、あつい、ん~っぬげないっ、んやぁ、、、!」


 なかなか脱げなくてお腹だけ出し、腕が絡まってしまった状態でばったんびったんと畳の上で暴れていた

 
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