100 / 196
旦那さん(正式)との生活
ごめんなさい
しおりを挟む告白の時、雫はかっこいい顔を真っ赤に染めていつもの堂々とした態度とは全く違う姿を見せた。そんな風に言われては傾きかけていた僕の心はごろごろと音を立てて、雫に転がり落ちた。
僕が告白にいいよと答えると、ほんとにいいの?なんて自信なさげに聞いていたのが今の状況と重なって、思わず笑ってしまう
「ふふふ、雫ってかわいいとこあるよね」
「舞白にはかっこいいって思われたいのに」
「雫はかっこいいよ?」
そう言っていつもしてもらうみたいに頭をなでなでする。雫は困った顔をしたけれど仕方がないという風にされるがままだ。
「雫、、、、ちゅう、ん、、ふぅ」
自然と唇が合わさり、深く舌を絡める。僕はやっと雫も乗り気になってくれたんだと嬉しくなって、もっともっとしたいって雫の方へぐいぐい行ってしまうと雫から急に離された、、、
「ふぇ?、、、ど、どうしてぇ?」
急な拒絶に泣きそうになってしまう。すると雫は慌てて違うと僕に言う。何が違うの
「舞白が嫌で離したんじゃないよ」
「じゃあどうして、、、」
「、、、舞白はほんとにいいんだよね?」
真剣な眼差しでそう問われて、すぐに何を聞かれているのか思い至った。
「いいよ、、、、雫はいや、、、なの?」
「嫌じゃない!けど舞白はほんとにいいのかなって。赤ちゃんがお腹にいる間は僕に出来ることなんて少ないのに舞白ばっかりに負担がかかっちゃうでしょ、、、だから」
「もうっ!」
パチンと雫の頬を手で挟む。雫は何も分かってないだ。なんなのさ、このばか!
「雫が僕を気遣ってくれるのは嬉しいよ?でも僕は覚悟の上で言ってるの、、、雫が支えてくれるってわかってるから、雫となら育てられるって思ったから」
「、、、、、舞白」
「なのに、なのに!さっきから僕のこと離してばっかりで!キスも嬉しかったのに!そりゃこんな時に大事な話をした僕も悪かったけどぉ、、、僕は前から覚悟してたの、雫がいいって言ってくれたらもうほんとに良かったの!」
そう言ってぽろぽろと泣きながら雫にそう言い募る。僕が普段、ちゃんと言えたなら違ったかもしれないけど
「言うタイミングが分からなくて、でも雫からは言ってくれないし、、、雫がまだって言うなら隠してたゴムも持ってくるつもりだったっ!」
「舞白、ごめんね、、、、?ちょっと待って、ゴム持ってるの?」
「、、、?、っぁ、、、その、だって」
あ!僕のバカ、どうして雫に言っちゃったんだ~!お墓まで持っていくつもりだったのにっ
ほら、雫の笑ってる顔がこわい。目が笑ってない
「舞白~?俺焦ったんだよ?舞白と愛し合った数とゴムの数があわないって、、どうして隠してたの?」
「ぁぅ、、、だって、そしたら、、、話題になって、、、、、話せるって、思ってぇ、、、、ごめん、、なさい」
雫に全部話した。もし雫にその気がまだないなら、たまたま服に紛れてたみたいって言ってゴムを出そうとしたことも。欲しいって思っても素面じゃなかなか言えないから雫から言われるの待ってたけど、発情期でその想いが高まってしまって待ちきれなくなってしまったから隠してしまったと
3
お気に入りに追加
163
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
その捕虜は牢屋から離れたくない
さいはて旅行社
BL
敵国の牢獄看守や軍人たちが大好きなのは、鍛え上げられた筋肉だった。
というわけで、剣や体術の訓練なんか大嫌いな魔導士で細身の主人公は、同僚の脳筋騎士たちとは違い、敵国の捕虜となっても平穏無事な牢屋生活を満喫するのであった。
【短編】旦那様、2年後に消えますので、その日まで恩返しをさせてください
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
「二年後には消えますので、ベネディック様。どうかその日まで、いつかの恩返しをさせてください」
「恩? 私と君は初対面だったはず」
「そうかもしれませんが、そうではないのかもしれません」
「意味がわからない──が、これでアルフの、弟の奇病も治るのならいいだろう」
奇病を癒すため魔法都市、最後の薬師フェリーネはベネディック・バルテルスと契約結婚を持ちかける。
彼女の目的は遺産目当てや、玉の輿ではなく──?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。
Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。
そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。
だが夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。
これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。
(1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
上手に啼いて
紺色橙
BL
■聡は10歳の初めての発情期の際、大輝に噛まれ番となった。それ以来関係を継続しているが、愛ではなく都合と情で続いている現状はそろそろ終わりが見えていた。
■注意*独自オメガバース設定。■『それは愛か本能か』と同じ世界設定です。関係は一切なし。
ひとりのはつじょうき
綿天モグ
BL
16歳の咲夜は初めての発情期を3ヶ月前に迎えたばかり。
学校から大好きな番の伸弥の住む家に帰って来ると、待っていたのは「出張に行く」とのメモ。
2回目の発情期がもうすぐ始まっちゃう!体が火照りだしたのに、一人でどうしろっていうの?!
廃妃の再婚
束原ミヤコ
恋愛
伯爵家の令嬢としてうまれたフィアナは、母を亡くしてからというもの
父にも第二夫人にも、そして腹違いの妹にも邪険に扱われていた。
ある日フィアナは、川で倒れている青年を助ける。
それから四年後、フィアナの元に国王から結婚の申し込みがくる。
身分差を気にしながらも断ることができず、フィアナは王妃となった。
あの時助けた青年は、国王になっていたのである。
「君を永遠に愛する」と約束をした国王カトル・エスタニアは
結婚してすぐに辺境にて部族の反乱が起こり、平定戦に向かう。
帰還したカトルは、族長の娘であり『精霊の愛し子』と呼ばれている美しい女性イルサナを連れていた。
カトルはイルサナを寵愛しはじめる。
王城にて居場所を失ったフィアナは、聖騎士ユリシアスに下賜されることになる。
ユリシアスは先の戦いで怪我を負い、顔の半分を包帯で覆っている寡黙な男だった。
引け目を感じながらフィアナはユリシアスと過ごすことになる。
ユリシアスと過ごすうち、フィアナは彼と惹かれ合っていく。
だがユリシアスは何かを隠しているようだ。
それはカトルの抱える、真実だった──。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる