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旦那さん(正式)との生活
情緒不安定
しおりを挟む僕だけを見て欲しい。見てくれないなんて寂しい悲しい。そんな気持ちを涙がいやだというほどに代弁してくれる。雫を困らせたいわけじゃないから俯いて雫の目から逃れる。困らせたくない、そう思ってもぽろぽろと流れ続ける
「舞白、、、こっち向いて?お願い」
雫が僕を呼ぶ声にビクッと大袈裟に反応してしまった後、優しい声音でお願いされた。好きな人のお願いだからとおそるおそる雫の方を見る。そこには怒っても困った様子もない、ただただ愛おしいんだよと伝える笑顔があった
「俺は舞白しか見てないよ。俺の舞白、ごめんね?今は舞白だけを見るべきだったね。だって、こんなに可愛いんだから」
その言葉で、頬を撫でられる優しい手で、腰を引き寄せる強い力で単純な僕は笑顔になった
「えへへ、僕だけの雫、、、」
また雫の胸板に顔を埋めてグリグリと押し付ける。雫の心臓がどくんどくんと早鐘を打っているのに気づけば僕の機嫌はさらに良くなった
「雫、きて」
雫の腕から離れてベッドの上。雫の匂いが着いたものが沢山ある幸せな場所に行き、僕の一番好きな人を呼ぶ
「ふふふ、お邪魔します」
雫が巣の中に入ってくれた、、、っ。その喜びを隠すように近くの衣類を手に取り顔を隠す。匂いに安心して、雫かっこいい、しゅき、という気持ちも爆発する
「舞白、、、っ!」
「?」
「可愛いね」
そう言って手元に雫の目線がいく。追った場所にあったのは、なんと
「ぱ、ぱんつ、、、っ、あ、ち、ちがう」
「可愛すぎ、何この愛おしい子。何もかもが俺のツボを刺激するっ!」
雫のパンツだった。僕としてはシャツとかズボンを手に取ったはずなのに、無意識に濃い匂いを求めてしまったのだろうか
は、恥ずかしい。こんな変態、引かれる
雫にバレないようにパンツは服の奥の奥に隠して置いたのに、それにどうして今日とってきたばかりのパンツを選んだっ~~~僕のバカ!あほ!この間抜け!
「ひぅ?!、、、し、しずく、ごめんねっぁの、、、」
「俺は何も怒ってないから謝らないで」
雫が胡座をかいた上に向かい合って座るように抱えられて抱きしめられた。手に持っていたパンツは雫の手に奪われてどこかに消えた
「こんなに変態なのにひかない、の?勝手に服も持ってきちゃって、ぐちゃぐちゃにして、、、っごめんなさい、ごめんなさいっ!嫌わないでぇ」
雫に抱きつき縋りながら許しをこう。こんなに捨てられるかもと恐怖を覚えたのに雫は笑って僕に言った
「舞白、大丈夫だよ。服なんていくらでも持っていって、こんなに素敵な巣を作ってくれてありがとう。それに舞白よりも俺の方が変態だから、引かないよ、大丈夫。ね?だから謝らなくていい。ただ俺に甘えてくれたらいいよ、、、」
そう言ってきつく抱きしめながら頭も撫でられて、僕の不安はだんだん消えていった。そうなると僕の中に残るのは体が熱くて疼いてることのみで、、、僕は雫の首に腕を回し、ぶちゅう、っとちゅうをした。
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