貴方のお嫁さんにはなりません!!!このばかぁ

白藍たんぽっぽ

文字の大きさ
上 下
97 / 196
旦那さん(正式)との生活

情緒不安定

しおりを挟む



 僕だけを見て欲しい。見てくれないなんて寂しい悲しい。そんな気持ちを涙がいやだというほどに代弁してくれる。雫を困らせたいわけじゃないから俯いて雫の目から逃れる。困らせたくない、そう思ってもぽろぽろと流れ続ける


「舞白、、、こっち向いて?お願い」


 雫が僕を呼ぶ声にビクッと大袈裟に反応してしまった後、優しい声音でお願いされた。好きな人のお願いだからとおそるおそる雫の方を見る。そこには怒っても困った様子もない、ただただ愛おしいんだよと伝える笑顔があった


「俺は舞白しか見てないよ。俺の舞白、ごめんね?今は舞白だけを見るべきだったね。だって、こんなに可愛いんだから」


 その言葉で、頬を撫でられる優しい手で、腰を引き寄せる強い力で単純な僕は笑顔になった


「えへへ、僕だけの雫、、、」


 また雫の胸板に顔を埋めてグリグリと押し付ける。雫の心臓がどくんどくんと早鐘を打っているのに気づけば僕の機嫌はさらに良くなった


「雫、きて」


 雫の腕から離れてベッドの上。雫の匂いが着いたものが沢山ある幸せな場所に行き、僕の一番好きな人を呼ぶ


「ふふふ、お邪魔します」


 雫が巣の中に入ってくれた、、、っ。その喜びを隠すように近くの衣類を手に取り顔を隠す。匂いに安心して、雫かっこいい、しゅき、という気持ちも爆発する


「舞白、、、っ!」

「?」

「可愛いね」


 そう言って手元に雫の目線がいく。追った場所にあったのは、なんと


「ぱ、ぱんつ、、、っ、あ、ち、ちがう」

「可愛すぎ、何この愛おしい子。何もかもが俺のツボを刺激するっ!」


 雫のパンツだった。僕としてはシャツとかズボンを手に取ったはずなのに、無意識に濃い匂いを求めてしまったのだろうか
 は、恥ずかしい。こんな変態、引かれる
雫にバレないようにパンツは服の奥の奥に隠して置いたのに、それにどうして今日とってきたばかりのパンツを選んだっ~~~僕のバカ!あほ!この間抜け!


「ひぅ?!、、、し、しずく、ごめんねっぁの、、、」 

「俺は何も怒ってないから謝らないで」


 雫が胡座をかいた上に向かい合って座るように抱えられて抱きしめられた。手に持っていたパンツは雫の手に奪われてどこかに消えた


「こんなに変態なのにひかない、の?勝手に服も持ってきちゃって、ぐちゃぐちゃにして、、、っごめんなさい、ごめんなさいっ!嫌わないでぇ」


 雫に抱きつき縋りながら許しをこう。こんなに捨てられるかもと恐怖を覚えたのに雫は笑って僕に言った


「舞白、大丈夫だよ。服なんていくらでも持っていって、こんなに素敵な巣を作ってくれてありがとう。それに舞白よりも俺の方が変態だから、引かないよ、大丈夫。ね?だから謝らなくていい。ただ俺に甘えてくれたらいいよ、、、」


 そう言ってきつく抱きしめながら頭も撫でられて、僕の不安はだんだん消えていった。そうなると僕の中に残るのは体が熱くて疼いてることのみで、、、僕は雫の首に腕を回し、ぶちゅう、っとちゅうをした。

 
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

その捕虜は牢屋から離れたくない

さいはて旅行社
BL
敵国の牢獄看守や軍人たちが大好きなのは、鍛え上げられた筋肉だった。 というわけで、剣や体術の訓練なんか大嫌いな魔導士で細身の主人公は、同僚の脳筋騎士たちとは違い、敵国の捕虜となっても平穏無事な牢屋生活を満喫するのであった。

【短編】旦那様、2年後に消えますので、その日まで恩返しをさせてください

あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
「二年後には消えますので、ベネディック様。どうかその日まで、いつかの恩返しをさせてください」 「恩? 私と君は初対面だったはず」 「そうかもしれませんが、そうではないのかもしれません」 「意味がわからない──が、これでアルフの、弟の奇病も治るのならいいだろう」 奇病を癒すため魔法都市、最後の薬師フェリーネはベネディック・バルテルスと契約結婚を持ちかける。 彼女の目的は遺産目当てや、玉の輿ではなく──?

夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。

Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。 そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。 だが夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。 これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。 (1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)

どうも。チートαの運命の番、やらせてもらってます。

Q.➽
BL
アラフォーおっさんΩの一人語りで話が進みます。 典型的、屑には天誅話。 突発的な手慰みショートショート。

上手に啼いて

紺色橙
BL
■聡は10歳の初めての発情期の際、大輝に噛まれ番となった。それ以来関係を継続しているが、愛ではなく都合と情で続いている現状はそろそろ終わりが見えていた。 ■注意*独自オメガバース設定。■『それは愛か本能か』と同じ世界設定です。関係は一切なし。

ひとりのはつじょうき

綿天モグ
BL
16歳の咲夜は初めての発情期を3ヶ月前に迎えたばかり。 学校から大好きな番の伸弥の住む家に帰って来ると、待っていたのは「出張に行く」とのメモ。 2回目の発情期がもうすぐ始まっちゃう!体が火照りだしたのに、一人でどうしろっていうの?!

廃妃の再婚

束原ミヤコ
恋愛
伯爵家の令嬢としてうまれたフィアナは、母を亡くしてからというもの 父にも第二夫人にも、そして腹違いの妹にも邪険に扱われていた。 ある日フィアナは、川で倒れている青年を助ける。 それから四年後、フィアナの元に国王から結婚の申し込みがくる。 身分差を気にしながらも断ることができず、フィアナは王妃となった。 あの時助けた青年は、国王になっていたのである。 「君を永遠に愛する」と約束をした国王カトル・エスタニアは 結婚してすぐに辺境にて部族の反乱が起こり、平定戦に向かう。 帰還したカトルは、族長の娘であり『精霊の愛し子』と呼ばれている美しい女性イルサナを連れていた。 カトルはイルサナを寵愛しはじめる。 王城にて居場所を失ったフィアナは、聖騎士ユリシアスに下賜されることになる。 ユリシアスは先の戦いで怪我を負い、顔の半分を包帯で覆っている寡黙な男だった。 引け目を感じながらフィアナはユリシアスと過ごすことになる。 ユリシアスと過ごすうち、フィアナは彼と惹かれ合っていく。 だがユリシアスは何かを隠しているようだ。 それはカトルの抱える、真実だった──。

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

処理中です...