貴方のお嫁さんにはなりません!!!このばかぁ

白藍たんぽっぽ

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旦那さん(正式)との生活

見て褒めて欲しい

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 発情期ヒートが来たので雫を探す。リビングにいた雫に声をかけると寝室に連れて行ってくれようとした。けど雫につい嫌って言っちゃった。でも仕方ないじゃん


「、、、しずくぅ、僕の、部屋」

「、、、あぁ、そういうこと。入っていいの?舞白の部屋」

「ぅん、しずく、ならいいよぉ」


 そう言って雫の頬にキスを送る。不安そうな顔がみるみると元気になって可愛いなぁと思った。部屋の前まで来ると降ろしてもらうように頼む


「どうして?ベッドまで運びたい」

「ううん、降ろして、ほしい、、、」


 雫はしぶしぶという風に降ろしてくれた。僕は素早く部屋に入り、巣がいい感じに出来てるかの最終確認をする


「え?!舞白?」


 雫は慌てた様子で名前を呼んでくる。僕は直前になって不安になってしまった。あんなにも初めてにしては超いいのでは?!なんて考えていたのにやっぱり形が汚いかも、もっと丸い方がいいかも、なんて不安が押し寄せて雫を置いてきてしまった


「ま、舞白~俺の可愛い子~?どうしたの?」

「、、、、、」


 ドアを少し開けて部屋の中から雫をみる。姿を捉えた雫の目が嬉しそうに細まったことで僕の背中が押された


「ね、、、」

「どうしたの?」

「笑わない?」

「?」

「下手だって、、、笑わない?」

「ふふふ。舞白が作ってくれたんでしょ?笑わないよ、、、あ、でも」


 笑わないと言われて安心したのもつかの間、雫は考えるような素振りを見せて一言


「愛しくて笑っちゃうのは許して欲しいな?舞白」


 そう好みの顔がこてっと首を傾げて色気を振りまきながら微笑めば、色んな不安が吹っ飛んで僕も雫にいきよいよく抱きつきにいく


「すきっ!」


 難なく受け止めた雫は頭を撫でてくれる。しばらく撫でてもらった後に僕はその手を掴んで部屋に招き入れた


「部屋の中、きてぇ?」


 雫は抵抗なく部屋に来てくれて巣を見た途端に目を見開きそこから涙が一筋こぼれた。


「え?な、なんで、、、痛いところある?」

「大丈夫、舞白が尊すぎただけだよ」


 素早い動きでスマホを取り出しパシャシャシャと連写する雫。ほんとに雫は僕のことが好きなんだなと思う


「ね、雫。上手く出来た?」

「うん、最高だよ舞白」

「えへへ、もっと褒めて」


 雫にすりすりとよってそう頼む。可愛いなんて言ってずっとパシャパシャと、撮っているから僕は理性がとろけ始めているのも相まってスマホに嫉妬してしまった。
 嫉妬したスマホを雫の手からとってベッドの方へぽいっと投げる


「ねぇ、どうして僕を見てくれないの?」


 情緒不安定にもなってきて涙がぽろぽろと流れてしまう。だって雫は僕のだからっ!僕だけを見て欲しい、そんな機械を通さないで僕を、僕だけを愛してよぉ

 
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