貴方のお嫁さんにはなりません!!!このばかぁ

白藍たんぽっぽ

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旦那さん(正式)との生活

着慣れない服、見慣れない街

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 目が覚め意識は起きたけれど体は重たく動かない。そのまま、ゆらゆらと心地の良い空間をただよっていたけれど満足したので目を開ける。
 目の前には朝からキラキラと輝くイケメンフェイスがある。見慣れたものだといいたい。けど雫の誕生日を祝ったことで産まれて出会ってくれたことに感謝をしたからかいつも以上にかっこよく見えて困ってしまう。困ってはいるが僕は怒っているのだ。どうしてか?
 昨日、あんなに激しくされて気づいたら朝なんだよ?ひどい。雫とイチャイチャしながら寝落ちしたかったのに、、、っ!そう恨み言をこめてイケメンだなこの野郎と思っていたら雫が起きた。


「おはよぉ雫」

「、、、おはょ、ましろ」


 雫は基本的に朝に弱い。でも弱さにも程度があって弱いなりにも強い時とめちゃくちゃ弱い時がある。今日は後者の方らしい。それを判断するのは雫の台詞がオウム返しか否か。僕の言葉を繰り返したので今日はよわよわ。舞白と声をかけてからおはようと言う時は頭が眠気によってぼやけてはいなくクリアな状態なので可愛いやら俺は世界一幸せ者やらと沢山、愛の言葉を僕に浴びせるのだ。


「ふふふ、今日はお寝ぼけの日だね」

「そんなことない」

「昨日は片付けありがとね雫。でも僕怒ってるんだよ」

「?!」


 そういうと雫は目を見開き飛び起きる。そして、僕が怒っている理由に思い至ったのか額に手を当てこれからどうするのかを考えていた。僕は怒っているけど雫といちゃつけなくて不満だから雫に提案した


「朝ごはん作ってあ~んしてくれたらいいよ?許してあげる」

「すぐ作ってくる」

「ふふふ、ありがとう」


 僕は朝ごはんが作れる状態じゃない。だって、雫のせいで足腰立たないから。ちょっとくらい甘えてもいいよね?力が入らないし午後になる頃には筋肉痛が出てくると思う。けどこれは幸せの痛みだな~と雫が呼ぶのをベッドの上で待ちながら幸せを噛み締めるのだった



 
 
 ──────────────

 
 あれから数日。僕達の関係に特に異変もなくただただ幸せな日々を過ごしていた。
 僕の方が先に今日の分の仕事を終えたので夜ご飯を作ろうとしたら慌てて雫が止めに入る。どうして?と聞くと夜ご飯食べに行くからと返ってきた。

 僕が情報を上手く処理しきれない間に雫に突然あれよあれよとドレスコードに着せ替えられ、病院に行った時に乗った車にまた乗り見慣れない街を眺めながら助手席に大人しく座る。
いや緊張して固まってるだけなんだけど、だって雫が着せてくれたスーツとかすごく高そうだし車が止まろうとしてる場所が僕なんかには気が重くなるほどの煌びやかさと華やかさを兼ね備えた場所だったからだ。


 これ、僕、どうなっちゃうの、、、っ

 
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