貴方のお嫁さんにはなりません!!!このばかぁ

白藍たんぽっぽ

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旦那さん(仮)との生活

信じて欲しい

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 このタイミングでは言いたくない。だって喜ばせたかったし、う~ん、、、、、、、、よし!言うことと言わないことを決めよう
 言わないのはアルバムのこと。言うのは学さんとまゆこさんのところにお邪魔したことだ。よし


「まず、勝手に外出てごめんなさい。学さんに頼んだの」

「学が関わってるのは分かってたよ。どうして出たの?」

「まゆこさんに会いに行ってたの。ほら、施設で唯一優しく接してくれたお母さんみたいな人。その人が学さんのお孫さんだったんだって」

「、、、、、、、、、、、、、、、、」

「だから、会いに行ってた」


 雫は何も言わない。許してくれたの?でもアルバムは言えないし、、、、、、
 雫は無言で隣に座ったと思ったら、僕を膝の上に向き合って乗せた。情けない声をもらしてしまったのが悔しい


「会いに行ってたのはいいよ。でもさ?舞白」


 雫に顎を掬われて、目線が絡まる。


「それって俺でもいいよね?舞白。学じゃなくてどうして俺に言わなかったの?俺は舞白にとって頼りにならない?」

「へ?ち、違うよ!雫は頼りになる」

「じゃあ、どうして?」

「、、、、、、、、、、言えない」

「、、、、、、、、、、、、、、、、」


 だって雫に頼ったら僕の雫を驚かせたいという願いが叶わなくなる。学さんを頼るしかなかった。でも、その理由は言えない。僕は雫に目を合わせたまま、両手で雫の頬を包む。


「ごめん、言えない、、、けど、あとちょっとだけ僕を信じて待ってて欲しい。その時に話すから、でも絶対に雫を裏切るようなことはしてないよ僕」


 言い終わると雫の額、頬、そして唇へと順にキスをし微笑む。

 
「だからね?今だけ、僕の我儘に付き合って、許して欲しい」

「、、、、、、、、、、、、、、、っ!」

「わっ?!」


 ぎゅっと頭を肩口に寄せられて、雫の涙ぐんだ小さな声が聞こえた。


「そんな言い方ずるい、許すしかないじゃん」

「ごめんね、ちゃんと理由話すから」


 雫のくせっ毛を遊びつつ頭を撫でて、雫が満足するまで抱きしめ合った。


「舞白」

「なぁに?」

「お腹すいた」

「ふふふ、食べよっかご飯」


 雫はいつもの調子に戻って二人で楽しくご飯を食べた。実は雫が僕のことでヘラっちゃうのが愛されてるな~って感じて大好きだったりする。でも、こんなこと言ったら雫は拗ねちゃうから言わない。最悪、僕の前で弱音を吐かなくなっちゃう。
 それは僕にとって大切な支え合える関係ができていないので雫には言えない秘密の一つだった。雫は僕のことを綺麗って言うけど、腹の中は真っ黒だし雫にはみせたくないな~なんて
 ご飯を食べながら嬉しそうに笑う雫を見て思った

 
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