貴方のお嫁さんにはなりません!!!このばかぁ

白藍たんぽっぽ

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旦那さん(仮)との生活

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 ポロポロと止められず流れる涙をまゆこさんは優しく拭ってくれる。


「あらあら、しろちゃんったら泣き虫さんになっちゃったの?」

「だって、嬉しくて、ひっく」


 まゆこさんに宥められて落ち着いたあと、どうしてここに連れてこられたのか僕は未だに分からないでいた。


「学さん、どうして僕をここに連れてきたの?まゆこさんに会わせてくれたの?」

「あら、おじいちゃんったら何も話してないの?ちょっと待っててね。しろちゃん」

「?うん」


 そう言って部屋から出ていってしまった。その間に学さんに教えてもらおうと学さんの方をむくと、見たらわかると言われてしまった。部屋に戻ってきたまゆこさんの腕には大きい本が何冊も積まれていた。


「はい、これをしろちゃんに、、、、」

「?、、、、アルバム?」


 ソファにかけた後にその内の一冊を僕に渡してくれる。受け取ったのは本ではなくてアルバムだった。ページをめくると赤ちゃんが寝ている写真だったり、はいはいしている写真だったりと可愛いのが沢山。見進めていくと、なんだか見覚えがあった。


「もしかして、これって、、、、!!」

「そう!しろちゃんのアルバム!」

「僕のアルバムっ!?」


 まさかあったなんて、、、、そりゃ見覚えがあるわけだ。鏡で見た僕なわけだし。アルバムを進めていくと赤ちゃんの頃とは打って変わって全然笑顔を見せない、なんだか生意気な子供がいた。


「全然笑ってない、、、、」

「しろちゃんはクールな美人さんだったから、、、、でも、ほら!この写真とかね、たまに見せる笑顔がとっても可愛くってね?思わずハグしちゃったわ」


 そう言って指された写真を見てたらほんとに嬉しそうにしてた。理由を聞いたらテストで満点とったのを褒めらてた時に見せた笑顔らしい。自分でもなんて子供らしい理由で笑顔になってるんだろと思う。
 この時はどうだったのかと話を聞きながら最後のアルバムまで一緒に見ていく。やはり中学生のバース検査を機に数が減っていくものの、それでも僕が笑った瞬間を撮ったのだろう写真が沢山あった。最後の写真は高校受験が合格したのを報告している写真だった。僕はこの時の写真を覚えている、この一枚だけ焼き増しさせてもらえたらと思っていたのをこんなにも僕の知らない写真があったなんて、、、、これはコピーするの大変だ、雫のために頑張らないと!


「ふふふ、しろちゃんとこんなにもまた話せて嬉しい!」

「僕もだよまゆこさん。いろんな話を聞けてとっても嬉しい!それでね、まゆこさん、、、、、、、、あのね?これ全部、焼き増しさせて欲しいんだけどいい?」


 
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