貴方のお嫁さんにはなりません!!!このばかぁ

白藍たんぽっぽ

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旦那さん(仮)との生活

懐かしい人

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 学さんに連れられて来たところは住宅街にある普通の一軒家だった。雫はどうしたのかって?ふふふ。雫はなんとお仕事中です!行きたくないって駄々こねてたけど、雫じゃないと無理な仕事ができたんだって。それは好都合と雫が仕事に行ってる間に僕も外出してしまう!という寸法だ!

 でも、僕はここに見覚えはないし何もピンと来ない。学さんは僕に会って欲しい人がいる。そう言うだけで詳しいことは教えてくれなかった。



「学さん」

「はい、舞白様。今、チャイムを鳴らします。舞白様がご存知の方ですのでご安心下さい」


 チャイムの音がなり、僕はごくりと緊張で胸がどくどくと高鳴る。ど、どうしよ。僕の知ってる人?だれ?施設の人かな?だったら、会いたくない。でも学さんが大丈夫っていうから大丈夫だ。

 ガチャりとついに開いた扉から出てきた人物に僕は驚きとともに安心感、そして涙が出てしまった。あぁ、ここにいたんだ


「まゆこさん!!!」


 僕は衝動のままにまゆこさんに抱きつくと、まゆこさんも返してくれる。


「おかえりなさい、しろちゃん」

「うん、うん!ただいま!」



 家に入れてもらい、応接間に通された。美味しそうな洋菓子と紅茶が出てきた。もちろんお家を訪問しているので僕たちからはケーキを持ってきました!
 そしてまゆこさんのことを説明しよう。まゆこさんとは僕が施設にいた頃、唯一優しく見守ってくれていた人でもありなんと!あの学さんの孫にあたる方らしい!そして僕の産みの親であるお母さんの親友、、、、、、、、えぇ?!


「お母さんと?!」

「そうなのあなたのお母さんはね、とても天真爛漫で優秀な人だったわ。私も凄く助けられたし何よりも楽しかった。でもお父さんが事故でなくなってしまわれた後に働きすぎで倒れちゃったの。私はもともと施設で働いていたんだけれど、働いている施設にしろちゃんを預けたって聞かされたわ」

「そうだったんだ」


 僕は物心ついた時からから施設にいたから自分の親がどうなったのかは知らなかった。でも、捨てられたわけじゃないのをしれてよかった


「あなたのことをお願いされたんだけど、ごめんなさい。見てあげられなくて、あの後、元気にしてた?」

「元気だったよ。それにあれは仕方がないし僕は大丈夫」


 まゆこさんはバース検査で僕がΩオメガだと分かってから施設の人からの風当たりが悪くなった時、僕を精一杯守ってくれた人なんだ。それが施設長にとって邪魔だったんだろう。まゆこさんは施設から追い出されて、ちょうど中学校を卒業式が終わった後に知ったんだよね。
 でも、お母さんが残してくれたお金とか高校に行くための部屋とか本当は施設が決めたところに行かされる予定だったのをまゆこさんが僕が行きたいと思ったところへと手続きを沢山、手伝ってくれたんだ。

 
「おじいちゃんから急にしろちゃんに会ってくれって言われて驚いたわ。でもこんなに大きくなってよかった」

「まゆこさんっ」


 頬にまゆこさんの手が触れて止まったはずの涙がまた出てしまう

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