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貴方の帰りをどれだけ待ち望んでいたのか
好きになったきっかけ
しおりを挟む大人しくいい子に待っていたら美味しそうな匂いが僕に近づいて机に置かれた。置かれた料理を見て胸が踊り目が輝いているのを自覚しながらもやめられない。だって、だって!
「カレー!雫すき!」
「舞白の大好きなカレーを作ったんだ、喜んでくれてよかった」
単純な僕はカレーという料理一つで雫を許してしまった。美味しい
「僕ね、雫が作る料理はなんでも好きだけどカレーが一番すきなんだぁ」
「知ってるよ、舞白がカレー好きなの」
「雫のカレーが大好き」
「俺の?」
今は口いっぱいにカレーを入れてもぐもぐしてるから大きく頷いて答えた。すると雫は目を細めて嬉しいという。
僕は今、機嫌がいいから特別に雫に教えてあげよう!
雫の料理の中でも、一等好きなカレー。実はいうと僕はカレー自体は好きでも嫌いでもないくらいの気持ちだからお店とかでカレーを頼んだりしない。
じゃあ、どうして好きって言ったのか?
それはね
「雫の料理は全部すきだけど、どうしてカレーが一番すきだと思う?」
「舞白の好きな料理がカレーだからじゃないの?」
「ふふふ、違うよ~!」
答えは"雫が作ったカレー”だからである。そのことを雫は知らなかったらしい。気づいてると思っていたんだけど、、、、、、
「雫が僕のために出会ったばかりのころ料理を作ってくれた時のこと覚えてる?」
「あぁ、カレーだったね」
「そうだよ?だから好きなの、、、、、、だって雫はその時まで料理をした事なかったのに作ってくれた」
「舞白の胃袋から掴もうと思ってね」
「それでね?完成したって言ってみたカレーは焦げてるところが多くて、手も傷だらけで、、、、、、僕すっごく心配した」
「ふふふ舞白ってばツンツンしながらも慌てて俺の手を握って大丈夫か聞いてきたよね~あの時、ハグするだけに留めた俺を褒めて?」
「、、、、、、味もあんまりだったし」
「ましろ~無視されるより傷つく言葉が聞こえたんだけど?それにあの時、美味しいって言ってくれたから信じちゃったじゃん!俺、料理の天才だって!」
雫はにこにこ笑顔から一転して焦りだした。でも次の言葉で雫はまた笑うんだろうな
「でも、すっごく美味しかった。まともな料理なんてあの頃、食べれてなかったし。それが理由で雫が苦手な料理を頑張ってくれたんだけど、、、、、、心がすごく温まった」
「舞白!」
「それからカレーの味が上達する度に雫のことが大好きになっていって、僕の為に他のレパートリーもなくちゃって料理の勉強をはじめて」
そう、あんなに下手だったカレーもこんなに美味しくなって。それは雫の僕への気持ちの現れでもあって、僕は雫の愛情を食べられるカレーが大好き
「そりゃぁ、好きになっちゃうよね?この人しかいないってなっちゃうよね」
僕の雫を好きになった理由。今日、はじめてきっかけを話したら雫の顔は真っ赤になってしまった。真っ赤な顔を見ながら僕は残りのカレーを美味しく食べたのだった。
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