68 / 196
貴方の帰りをどれだけ待ち望んでいたのか
好きになったきっかけ
しおりを挟む大人しくいい子に待っていたら美味しそうな匂いが僕に近づいて机に置かれた。置かれた料理を見て胸が踊り目が輝いているのを自覚しながらもやめられない。だって、だって!
「カレー!雫すき!」
「舞白の大好きなカレーを作ったんだ、喜んでくれてよかった」
単純な僕はカレーという料理一つで雫を許してしまった。美味しい
「僕ね、雫が作る料理はなんでも好きだけどカレーが一番すきなんだぁ」
「知ってるよ、舞白がカレー好きなの」
「雫のカレーが大好き」
「俺の?」
今は口いっぱいにカレーを入れてもぐもぐしてるから大きく頷いて答えた。すると雫は目を細めて嬉しいという。
僕は今、機嫌がいいから特別に雫に教えてあげよう!
雫の料理の中でも、一等好きなカレー。実はいうと僕はカレー自体は好きでも嫌いでもないくらいの気持ちだからお店とかでカレーを頼んだりしない。
じゃあ、どうして好きって言ったのか?
それはね
「雫の料理は全部すきだけど、どうしてカレーが一番すきだと思う?」
「舞白の好きな料理がカレーだからじゃないの?」
「ふふふ、違うよ~!」
答えは"雫が作ったカレー”だからである。そのことを雫は知らなかったらしい。気づいてると思っていたんだけど、、、、、、
「雫が僕のために出会ったばかりのころ料理を作ってくれた時のこと覚えてる?」
「あぁ、カレーだったね」
「そうだよ?だから好きなの、、、、、、だって雫はその時まで料理をした事なかったのに作ってくれた」
「舞白の胃袋から掴もうと思ってね」
「それでね?完成したって言ってみたカレーは焦げてるところが多くて、手も傷だらけで、、、、、、僕すっごく心配した」
「ふふふ舞白ってばツンツンしながらも慌てて俺の手を握って大丈夫か聞いてきたよね~あの時、ハグするだけに留めた俺を褒めて?」
「、、、、、、味もあんまりだったし」
「ましろ~無視されるより傷つく言葉が聞こえたんだけど?それにあの時、美味しいって言ってくれたから信じちゃったじゃん!俺、料理の天才だって!」
雫はにこにこ笑顔から一転して焦りだした。でも次の言葉で雫はまた笑うんだろうな
「でも、すっごく美味しかった。まともな料理なんてあの頃、食べれてなかったし。それが理由で雫が苦手な料理を頑張ってくれたんだけど、、、、、、心がすごく温まった」
「舞白!」
「それからカレーの味が上達する度に雫のことが大好きになっていって、僕の為に他のレパートリーもなくちゃって料理の勉強をはじめて」
そう、あんなに下手だったカレーもこんなに美味しくなって。それは雫の僕への気持ちの現れでもあって、僕は雫の愛情を食べられるカレーが大好き
「そりゃぁ、好きになっちゃうよね?この人しかいないってなっちゃうよね」
僕の雫を好きになった理由。今日、はじめてきっかけを話したら雫の顔は真っ赤になってしまった。真っ赤な顔を見ながら僕は残りのカレーを美味しく食べたのだった。
9
お気に入りに追加
163
あなたにおすすめの小説
【短編】旦那様、2年後に消えますので、その日まで恩返しをさせてください
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
「二年後には消えますので、ベネディック様。どうかその日まで、いつかの恩返しをさせてください」
「恩? 私と君は初対面だったはず」
「そうかもしれませんが、そうではないのかもしれません」
「意味がわからない──が、これでアルフの、弟の奇病も治るのならいいだろう」
奇病を癒すため魔法都市、最後の薬師フェリーネはベネディック・バルテルスと契約結婚を持ちかける。
彼女の目的は遺産目当てや、玉の輿ではなく──?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
その捕虜は牢屋から離れたくない
さいはて旅行社
BL
敵国の牢獄看守や軍人たちが大好きなのは、鍛え上げられた筋肉だった。
というわけで、剣や体術の訓練なんか大嫌いな魔導士で細身の主人公は、同僚の脳筋騎士たちとは違い、敵国の捕虜となっても平穏無事な牢屋生活を満喫するのであった。
噛痕に思う
阿沙🌷
BL
αのイオに執着されているβのキバは最近、思うことがある。じゃれ合っているとイオが噛み付いてくるのだ。痛む傷跡にどことなく関係もギクシャクしてくる。そんななか、彼の悪癖の理由を知って――。
✿オメガバースもの掌編二本作。
(『ride』は2021年3月28日に追加します)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
上手に啼いて
紺色橙
BL
■聡は10歳の初めての発情期の際、大輝に噛まれ番となった。それ以来関係を継続しているが、愛ではなく都合と情で続いている現状はそろそろ終わりが見えていた。
■注意*独自オメガバース設定。■『それは愛か本能か』と同じ世界設定です。関係は一切なし。
勇者の帰りを待つだけだった私は居ても居なくても同じですか? ~負けヒロインの筈なのに歪んだ執着をされています~
砂礫レキ
ファンタジー
勇者ライルが魔王を倒してから3年。
彼の幼馴染である村娘アデリーンは28歳にして5歳年下の彼に粗雑に扱われながら依存されていた。
まるで母親代わりのようだと自己嫌悪に陥りながらも昔した結婚の約束を忘れられなかったアデリーン。
しかしライルは彼女の心を嘲笑うかのようにアデリーンよりも若く美しい村娘リンナと密会するのだった。
そのことで現実を受け入れ村を出ようとしたアデリーン。
そんな彼女に病んだ勇者の依存と悪女の屈折した執着、勇者の命を狙う魔物の策略が次々と襲い掛かってきて……?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
大きくなったら結婚しようと誓った幼馴染が幸せな家庭を築いていた
黒うさぎ
恋愛
「おおきくなったら、ぼくとけっこんしよう!」
幼い頃にした彼との約束。私は彼に相応しい強く、優しい女性になるために己を鍛え磨きぬいた。そして十六年たったある日。私は約束を果たそうと彼の家を訪れた。だが家の中から姿を現したのは、幼女とその母親らしき女性、そして優しく微笑む彼だった。
小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+にも投稿しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる