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貴方の帰りをどれだけ待ち望んでいたのか
思い出しちゃったよ
しおりを挟む雫が久しぶりに取り乱した次の日の朝、僕は目が覚めてからずっとドキドキしっぱなしで胸が苦しい
雫と今一度、思いを確認出来たから?いつにも増してかっこよく見えるから?違う。どれも違うんだ。
じゃあどうして、胸が苦しいのか。答えは簡単なもので緊張で胸の鼓動が早まっているからだ!
『記憶はそりゃ戻って欲しいけど、、、、、二人で気長に思い出すの待っとこ?』
なんて、雫に僕は言ったのに。
なんの偶然かはたまた奇跡なのか僕は嬉しいけど大迷惑している。そう
───思い出した!全て!
翌日に思い出すって何?日記みたから記憶が刺激されたのかな?なんて色々考えてみるも分かるはずもなく
今、初恋のようなトキメキをも凌駕するほどの緊張。その理由はどう接したらいいのか分からくなっていた。だって雫が僕を追いかけてきてくれただけで嬉しい。ストーカーになってたけど、それだけ僕が好きってことなんだもん。嬉しい
それと同時に僕はまた、雫が離れて行ってしまわないかの不安もあった。僕もいい大人だからそんなことは無い大丈夫って確信を持って言えるけれどそれでも恐かった
仕事なんて手につかずにごちゃごちゃ考えている中そっと項に手をやる。そういえば雫と番えてたんだ。よかった。
ずっと思い出す前から、雫とどんなに番になれないことを悔しく思っていたか
幸せすぎて泣きそう
その後も何とか普段通りの態度でご飯を食べれていたと思う。
「舞白さん、なんだかご機嫌ですね?」
「ふふふ、そう?雫とご飯食べるのが嬉しいからかな~、、、、雫、はいあ~ん」
「舞白さんっ!」
雫は幻覚で犬耳が見えてしまう喜び方をして僕からのあ~んを食べてくれた。
「舞白さんも、あ~ん」
「ふふふ、あ~ん」
凄い昔に戻ったみたいだ。雫はご機嫌な僕を見て不思議そうな顔をしていたけどすぐに顔を綻ばせていた。
───僕はどこか寂しさを感じていた。
敬語になったさくら。大人になったさくら。僕を舞白さんと呼ぶさくら。どこかよそよそしいさくら。さくらを雫って呼ぶようになったことも
部屋のインターホンが鳴って雫が仕事でいないのから変わりに出ると雫の執事さんがそこにいた
「舞白様っ執事の───」
───そのどれもに空白の時をやはり一緒に過ごしたかったと後悔する
「な、なんで、どうしてっ?」
───あの時、僕が出て行かなかったら雫と一緒にいれたかもしれない
「車をご用意しました、行きましょう」
───それとも、記憶を思い出すなんてしなくて良かったかもしれない
「雫、雫どうして?なんでまたっ」
───だって、あの日の苦しさがまた訪れる恐怖なんてないから。やっぱり僕は幸せになれないんだろうか
また、僕を一人ぼっちにするの?
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