貴方のお嫁さんにはなりません!!!このばかぁ

白藍たんぽっぽ

文字の大きさ
上 下
49 / 196
貴方の帰りをどれだけ待ち望んでいたのか

舞白さんは一緒に居てくれる

しおりを挟む





 思い出してない?、、、、、じゃぁ、舞白さんはなんで泣いていたんだ


「うん?思い出してないよ。不安にさせてごめんね。置いてかないし捨てないよ?!」

「、、、、、舞白さんは俺が酷い男だって知ったのにまだ一緒に居てくれるんですか?許してくれるんですか?泣いていたのに?」

「酷い?ってなんのこと、それに許す許さないとか関係ないよ」


 舞白さんは本当になんの事か分からないようで困ったように微笑みながら俺の頭を撫で続けてくれる。そのおかげでだんだんと落ち着いてきた。


「一生一緒にいるって約束したのに、、、、、舞白さんを置いて、、、、、それで、舞白さん、が居なく、なっちゃって、、、、、っ」


 舞白さんは優しい顔で俺の言葉をゆっくりと聞いてくれる。言葉にしていけばこんな俺にも優しくしてくれる舞白さんがまた離れて行くかもと思いはじめて、言葉がつまり涙が出そうになる


「雫、なんにも不安に思う必要はないんだよ?だって僕、、、、、雫が好きで好きでたまらなくて、、、、、忘れちゃったんだから、仕方ないよ」


 そう言って抱き締めてくれる舞白さん。
 仕方が、ない?いやそんなことは無い。俺が舞白さんを悲しませたから忘れちゃったんだ。


「っ俺が舞白さんを悲しませたから、俺が悪いんです。仕方なくなんて無い」

「、、、、、ふふふ」

「、、、、、、、舞白さん?」

「あ、ごめんね?ただ雫が可愛くて」


 舞白さんが俺を抱き締める力を強めて、思わず漏れてしまったと言わんばかりに柔らかに答えた


「だって、僕はね。僕の知らない僕を好きな雫が、今の僕は好きじゃないかもって、、、、、僕だからじゃなくて、前の僕が居たから記憶をなくした僕を愛してくれてるんだって、、、、、妬いて悔しくて恨めしくて、雫は僕のなのにっ!ってそうしたら泣いちゃって」

「ま、舞白さんに前とか───」

「わかってるよ?記憶があっても無くても、僕だって雫のことを変わらず好きのままだって気づいたから、、、だから凄く嬉しいんだ。雫がこんなに僕のこと思ってくれてるのが」

 
 舞白さんの言葉を聞いていると体から力が抜けていく。自分でも気づかないうちに緊張していたらしい


「だから、雫はね。不安とか何も感じなくていいんだよ。僕は雫が好き。雫も僕が好き。それだけでしょ?」

「、、、舞白さん」

「記憶はそりゃ戻って欲しいけど、、、、、二人で気長に思い出すの待っとこ?」

「はい舞白さんっ」


 舞白さんは許してくれた。あんなに酷いことしたのに。舞白さんの顔を見ても怒ってる様子はなく本当に嬉しそうに笑っていた。


「え?雫?な、泣かなくても、、、、、あ、日記?日記を勝手に見られたの嫌だったよね。ごめん。どうしても僕自身を知りたくて」

「舞白さん、日記なんてどうでもいいんです。ただ、舞白さんが俺を許してくれたから」

「どうでも良くないと思うけど、それに!許すとか許さないとかないって言ったじゃん!」


 
 舞白さん。舞白さんが好きです
 大好きです。愛してます
 一緒に居てくれてありがとう
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【短編】旦那様、2年後に消えますので、その日まで恩返しをさせてください

あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
「二年後には消えますので、ベネディック様。どうかその日まで、いつかの恩返しをさせてください」 「恩? 私と君は初対面だったはず」 「そうかもしれませんが、そうではないのかもしれません」 「意味がわからない──が、これでアルフの、弟の奇病も治るのならいいだろう」 奇病を癒すため魔法都市、最後の薬師フェリーネはベネディック・バルテルスと契約結婚を持ちかける。 彼女の目的は遺産目当てや、玉の輿ではなく──?

その捕虜は牢屋から離れたくない

さいはて旅行社
BL
敵国の牢獄看守や軍人たちが大好きなのは、鍛え上げられた筋肉だった。 というわけで、剣や体術の訓練なんか大嫌いな魔導士で細身の主人公は、同僚の脳筋騎士たちとは違い、敵国の捕虜となっても平穏無事な牢屋生活を満喫するのであった。

噛痕に思う

阿沙🌷
BL
αのイオに執着されているβのキバは最近、思うことがある。じゃれ合っているとイオが噛み付いてくるのだ。痛む傷跡にどことなく関係もギクシャクしてくる。そんななか、彼の悪癖の理由を知って――。 ✿オメガバースもの掌編二本作。 (『ride』は2021年3月28日に追加します)

上手に啼いて

紺色橙
BL
■聡は10歳の初めての発情期の際、大輝に噛まれ番となった。それ以来関係を継続しているが、愛ではなく都合と情で続いている現状はそろそろ終わりが見えていた。 ■注意*独自オメガバース設定。■『それは愛か本能か』と同じ世界設定です。関係は一切なし。

勇者の帰りを待つだけだった私は居ても居なくても同じですか? ~負けヒロインの筈なのに歪んだ執着をされています~

砂礫レキ
ファンタジー
勇者ライルが魔王を倒してから3年。 彼の幼馴染である村娘アデリーンは28歳にして5歳年下の彼に粗雑に扱われながら依存されていた。 まるで母親代わりのようだと自己嫌悪に陥りながらも昔した結婚の約束を忘れられなかったアデリーン。 しかしライルは彼女の心を嘲笑うかのようにアデリーンよりも若く美しい村娘リンナと密会するのだった。 そのことで現実を受け入れ村を出ようとしたアデリーン。 そんな彼女に病んだ勇者の依存と悪女の屈折した執着、勇者の命を狙う魔物の策略が次々と襲い掛かってきて……?

大きくなったら結婚しようと誓った幼馴染が幸せな家庭を築いていた

黒うさぎ
恋愛
「おおきくなったら、ぼくとけっこんしよう!」 幼い頃にした彼との約束。私は彼に相応しい強く、優しい女性になるために己を鍛え磨きぬいた。そして十六年たったある日。私は約束を果たそうと彼の家を訪れた。だが家の中から姿を現したのは、幼女とその母親らしき女性、そして優しく微笑む彼だった。 小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+にも投稿しています。

どうも。チートαの運命の番、やらせてもらってます。

Q.➽
BL
アラフォーおっさんΩの一人語りで話が進みます。 典型的、屑には天誅話。 突発的な手慰みショートショート。

孕めないオメガでもいいですか?

月夜野レオン
BL
病院で子供を孕めない体といきなり診断された俺は、どうして良いのか判らず大好きな幼馴染の前から消える選択をした。不完全なオメガはお前に相応しくないから…… オメガバース作品です。

処理中です...