貴方のお嫁さんにはなりません!!!このばかぁ

白藍たんぽっぽ

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貴方の帰りをどれだけ待ち望んでいたのか

僕の知らない雫

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 朝を迎え自室にいる僕はかれこれ一時間はゆうに超える程、雫の日記と対面していた。対面は出来ていない。いやしてるけど開けてない。
 いつも通り雫とイチャイチャしながら起きてご飯を食べ、今はそれぞれの仕事部屋にいる。僕は仕事はしてないけど
 この日記は僕の知らないはずの記憶がある事を証明したもので、思い出せてない他の記憶もあるという証拠である。僕はどんなことが起こったのかを知る勇気があと一押し出ないでいた。


「昨日は必死だったから、、、、、」


 そう、昨日は必死で何にも考えてなかった。日記の最後のページにある日付だけを追っていた。そして見るのが最後になった日記。せめて、一番古いものを読もうと思って抜いてきたのが今、、、、目の前にある。


「すぅーはぁーすぅーはぁ~っ、、、、、、、、、、よしっ!」

 
 深呼吸をして自分の中に宿る不安や恐怖を押し殺し少しの好奇心を覗かせて中身を開いた。

 



 僕は雫とまで読んだ。スイーツ屋さんの前で出会った話。でも、雫はやっぱり初めてじゃなかった。


「、、、、、っうぇ?」


 気付かないうちに泣いていたようで顔が濡れていた。机の上にも涙が落ちていた。僕は慌てて日記が濡れてないか見たけど大丈夫だった。
 相変わらず僕の記憶が戻ることはなかった。だから、この涙ものだと思う。嬉しさが胸のうち溢れて幸せいっぱいで苦しい。
 僕の知らない想いが雫が僕を好きでいてくれてて嬉しいって言ってる



「、、、、、いいなぁ、ぐすっ」


 雫の日記から知ったのは僕たちの出逢いは高校の入学式の日。そして恋人になったらしい。その後、雫は事故で僕を忘れてなんやかんやあって思い出した。けどその時には僕がショックが原因?で忘れてしまいその事に耐えられなかった雫は薬を使って強制的に記憶を消したと。でも雫は僕を忘れないようにどうやったのか調整して、事故にあって僕と一悶着があった後の記憶に戻したようだった。
 雫に記憶を無くさせるなんて恐い事をさせれる。雫に一目惚れさせれる程の。雫に見守られ愛された

 憎くて憎くて仕方がないくらいに羨ましく感じた。だって、雫に愛されている今の僕は前の僕が愛されているから。今の僕だけだったら雫とは恋人になることはなかった。雫の深い愛があるから今のこの関係がある訳で。


「思い出せたら、、、、、前の僕になれるかな」


 


 雫は誰でもない僕だけのものだもん


 
 僕を好きだって顔も声も仕草も何もかもが僕だけに向けられたものだもん


 あぁ、本当に死にたくなるほどの嫉妬を感じるのと同時にやっぱり僕の知らない雫を知ってるのが羨ましい

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