貴方のお嫁さんにはなりません!!!このばかぁ

白藍たんぽっぽ

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俺が舞白さんを裏切った話

俺の知らない俺を知るあの人

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 あ~さぶい。校舎からだいぶ離れた頃に外に行こうなんて思ったことを後悔した。自分が木の葉を踏み締める音と風が木々を吹き抜ける音。俺の冷めた気持ちは吐く息とともに空気に溶けていく。
 歩いて何分たっただろうか?遠くの方で木々の隙間から校舎がうっすら見える。すごいなぁ、あんなに高い校舎が小さく見えるなんて。思いの外、森の奥まで来てしまっていたらしい。
 そろそろ寒いし戻ろうかと思った時。目の端で小屋を捉えた。何故か自然と惹かれて小屋へと歩いていく。戻ってもサボる所はないので、当分の暇潰しに使わしてもらおう


「、、、っぐす、、、なんで、、、、、うぅうっ、櫻木のばかぁ、、、、、、っ?!」


 扉を開けるとそこに居たのは、俺を不愉快にさせるあの人。瞳は涙のせいでキラキラと輝いていて、小さな身体は更に小さく縮こまっていた。それを俺は不覚にも可愛いと思ってしまう。
 それにしても聞き捨てならない言葉があの人の口から聞こえてきた。誰が馬鹿だって?

「誰が馬鹿だって」

「っ!お前だばか!」


 大きな瞳を更に見開いたと思ったら、直ぐに細められ睨まれる。俺はこの人に何かしただろうか。こんなに怒らせた記憶はない。ってそりゃないかー


「、、、、、ほんとに覚えてないの」

「何も」

「僕は櫻木と"どういう関係”かも?」

「他人じゃねぇの?」

「あの約束も、、、っわす、れた?」

「俺は何も覚えてないよ」


 この人は本当に俺の何だろう。思い出さなきゃいけない。そう思っても思い出せない。そんな自分に腹が立つし理由さえ検討がつかない。でも、何故か惹かれる。知りたいと思う。
 だから、俺はその人の傍に座って隙間なくピッタリと座った。突然隣に来た俺に驚いたみたいで、一気に動かなくなった。石みたいだ。つんつんとつついていたら、触るな!と怒られてしまった。頬をつついたのがいけないのだろうか。お餅みたいですごく美味しそうに見える。


「僕を知らない櫻木なんて、櫻木じゃない!」

「俺は櫻木なんてどうでもいいよ」

「っ、、、親御さんの、話なんて、してないだろっ」


 この可愛らしい人は俺のどこまでを知っているんだろう。俺の知らない俺はどれほどこの人を知っているんだろう。


「約束した、ずっと一緒だって、なのに、、、、、さっきの人たちのこと信じるんでしょ」

「さっき?、、、あぁ、あいつらね。別に信じてないよ」

「じゃぁ、僕がちゃんと恋人って、、、」

「でも、あなたの事を信じてる訳でもない」

「っ!」


 そう言った瞬間にその人は俺から離れて扉の方へ歩いていく。思わず手を掴んで引き止めると力を込めたら壊してしまいそうなほどの小さな手に驚く


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