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恋人(正式)との生活
捨てないで
しおりを挟む「舞白さんが番持ちだってこと、、、」
その先の言葉を僕は聞きたくない。聞く勇気は今の僕にはない。嫌だ、嫌だ嫌だいやだ。雫まで居なくなったら、やっぱり僕は一人で生きていくのは、、、、、、、、、、無理だ
雫が言葉の続きを言うのを邪魔する為にキスをする。唇を痛いくらいにくっつけて雫の頭を抱き締めて離れたくないと伝える。こんなに早く雫から離れることになるなんて、いやだぁ
「ま、しろさん」
「んん!んや!」
涙が止まらない。ずっと出てくる。まだ雫に抱かれてすらないのにこのままお別れ?前の時より酷いんじゃ
自分でネガティブな方向に走りショックを受け、力が緩んだ瞬間を狙って雫は僕から離れて言った
「舞白さん」
「、、ふ、、、、、んぐ、ひっく」
「何も心配いらないよ?舞白さん」
「う、うそだぁ!僕を捨てるんでしょ?せっかくよりを戻せたのにどうして?なんでまた捨てるの?いやだ、いやだよ、捨てないでぇ、しずくぅ!」
「舞白さんは勘違いしてます。落ち着いて大丈夫だから、ね?」
僕を捨てるはずなのに優しく前と変わらず抱き締めてくれる。頭も撫でてくれる。嬉しい、嬉しいもっとずっと幸せが続けば。傷付く前に心を開く前に、雫から離れていたら
取り乱して、雫の話を全く聞いていないことに雫は分かっていたのだろう。僕がしたキスよりも深く舌を絡ませてきて、さっきまで考えていたこともあまりの甘さに溶けてどこかへ行ってしまう
あ、あれ?雫がキスしてくれてる?
「舞白さん」
「、、、、、ぷはぁ、はぁ、しず、く?」
「舞白さんが番持ちなのは知っています」
「、、、あっ」
「知ってるんです舞白さん」
大丈夫と言葉を続けて、雫は僕に伝えてくる。しって、いる?知っているって?いつから?はじめから?なんで?どうして?
「ふふふ、舞白さんさては忘れちゃってますね?」
「な、なに」
「俺が救いようもない舞白さんのストーカーだってこと。番持ちってのも調べがついています。その上で舞白さんが大好きなんですよ?だから捨てるとかは舞白さんは心配しなくていい。捨てられるのはどっちかっていうと俺なので」
「な、なんで」
ストーカー時代から番持ちって知ってたの?どうやって?誰かから聞いた?僕の体を見て?そんな疑問が頭を過ぎていくけど、知っていた上で僕のことを好きだったってことは
「僕は、すてられない?」
「当然です舞白さん」
「あ、ご、ごめん、なさいぃ、、、、僕突っ走っちゃって、、、かってに、、ひっく」
「早く言えば良かったですね。てっきり舞白さんは俺が知ってることを知ってると思ってました」
そんなの知るわけない。こっちは知らないと思ったから逃げようと、好きになったらだめだと、また悲しくなるから後悔するから、二度とあの絶望を味わいたくなくて
「しずく、僕のこと、、、ひっく、、、ほんとにすき、なんだね」
「舞白さんは相変わらず俺の愛を疑いますね。昔から言ってるじゃないですか」
「安心したら、なんだか、ねむ、たく、、、」
「おやすみなさい舞白さん」
舞白さんは思い出さなくていいんです。俺が裏切った過去なんて、俺じゃない俺との過去なんて。大丈夫です。今の俺はそんなことしません。大丈夫ですから
思い出しちゃったら舞白さん俺から離れちゃうでしょ?舞白さんが思い出して俺から離れたい時は離れてもいい。けど、俺はそれを全力で邪魔するよ。今みたいに、舞白さんに睡眠薬を盛ったりして
舞白さんは昔から寂しがりで、快楽に弱くて、甘えたがりで、可愛くて、頭を撫でることやキスも大好きで。俺の知らない俺との過去はそのまま捨て去ってしまえばいいよ。辛い過去なんて思い出さずにさ
ね?舞白さんの雫だけを見て
なのに、舞白さんは確実に思い出してる。毎日、毎日少しずつ。俺がいるから無意識に。でも絶対に邪魔する。
じゃないと
俺が生きていけない
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