21 / 196
恋人(正式)との生活
ん?どういうこと??
しおりを挟むカレーの味見をする。うん、美味しい。でも、夜ご飯の時間にはちょっと早く作りすぎてしまった。雫の帰宅が思ったより早かったのでエプロンのまま、カレーをついで一緒に食べるということをしようと思ってたけど無理そう。
火を止めて、鍋に蓋をして着替えるために脱衣場に行こうとした所を雫に呼び止められた。
「?、、、舞白さんどこに行くんですか?」
「どこって、脱衣場だよ」
「どうしてですか?」
「着替えるため、、、だけど」
なんか、懐かしいこのやり取り。はじめ来たばっかの時、暫くは雫が後をついて来てた。その後は逐一どこに行くのか聞かれてたな~。どうしたんだろ?なんか初期化してる?
「着替えちゃうんですか?!」
「うん」
「舞白さん、こっち来て下さい」
席を立ったら、僕の元まで歩いてきてソファの所まで手を引かれる。ど、どうしたというのだ!しずくよ!!
「舞白さん」
「、、、ん、ちゅ、、、んぅ」
ソファに座ってすぐ、雫の顔が近づいて唇が合わさる。結局出来なかったあの日からキスだけはずっとしてるのでいい加減僕も恥ずかしさは消えて慣れてきた。今こんな格好してるから羞恥心をどこかに置き去りにしてきたのかもしれない。
キスをしながら、耳をすりすり擽られる。こしょばくて、逃げようとしたら後頭部に手を回されて逃げられない。雫はキスが上手くて僕は最近、最後まで出来なくてもこのままでも十分気持ちいいので大丈夫では?と思いつつ、やっぱり最後の思い出としてもしたいと思う。僕はそれで焦っていたから、あんな恥ずかしいことになったのではと今になって思う。
「しず、く、んぁ、はぁ、どうしたの?」
「舞白さん好きです」
「僕も好き」
「ちゃんと舞白さんのしたいこと、俺に伝わってますから安心して下さい」
「?よかった!僕で癒されてくれた?」
雫に伝わったらしい。日頃の感謝と仕事の疲れを癒したくて裸エプロンをしたけど、もしかして僕は自意識過剰で自分のことを過大評価してるかすごく不安だったけど雫のことだから大丈夫だと思ってこんな奇行に走ったので等の目的を果たせないと意味が無いのだ。
「はい!すごく癒されます舞白さん。俺すごく嬉しいです。舞白さんは最高です」
「ふふふ、よかった」
「じゃ、舞白さんベットに行きましょ?」
「ベット??」
癒されたと聞いて僕も嬉しくて微笑み返していると、何を言い出すか急にベットに行こうと言われた。どういうこと?
「ん?えっと、あの、どういうこと?」
「舞白さんは俺を誘うために、こんな格好したんじゃないですか?」
「誘う?」
「も、もしかして舞白さん?!」
僕が雫を誘うため、、、ベット、、、、、、、、、あ、そういうこと?!た、確かに前、言葉に出来ないって雫に伝えたからそれで僕が頑張って言外に誘ったと思った、ってことだよね?じゃないとこんなびっくりしてないもんね?あ、やばい、どこかに置き去りにしたはずの羞恥心が帰ってくる。くるな!どっかいって!
「舞白さん。俺が早とちりしましたね?」
「あの、ぼく、えっとね、その!」
「あはは、舞白さん顔真っ赤だ。可愛い」
「はぅ、恥ずか死」
雫は恥ずかしがってる僕を見て、可愛いと言いながら頬にキスされた。こ、これはドキッとするぞ!や、やめてくれ今は!
「雫がいつも僕にたくさんのものをくれるからちょっとでもお返ししたくて、だから、その気は全然なくて、、、うぅ」
「舞白さんの方が俺にたくさんのものをくれるじゃないですか?それに舞白さんがそんなつもり無かったのに興奮して思わず、すみません」
「ううん、僕こそごめんね」
僕が少し落ち込んだのを目敏く見つけた雫は抱きしめて、頭をなでなでしてくれる。絶対に僕の方がもらってるよ、これ
「舞白さんはどうして裸エプロンにしたんですか?」
「へ?!そ、それ聞いちゃう?」
「はい、是非教えて下さい舞白さん」
僕の裸エプロンをしようと思った動機について、恥ずかしくて目も合わせられず雫からも離れてかくかくしかじか話しはじめる。すると雫は僕がはじめてこの家で雫のエプロンを着て料理をする姿を見てから、是非とも裸エプロンをしてラブラブ新婚さんごっこがしたかったらしい。
「そ、そんなこと考えて?!」
「やっと舞白さんが手に入ったんですよ?こんなの新婚さん気分でしょ」
「いや、その時の僕は」
「舞白さん今は?俺との結婚生活」
僕の目をしっかりと見て、答えを言うまで逃がさないと感じる不思議な力があった。忘れていた、雫から逃げなければという焦燥感が僕の中に現れる。このままじゃ、僕はずっと雫に甘えてしまうと。でも、雫との結婚生活は楽しそうだ。ほんとに、すごく。でも、僕はそれを言葉では伝えられなかった。
「しずく、、、ちゅ」
「舞白さん」
最後ににこっと僕に幸せをくれてありがとうと笑いかける
「可愛すぎます舞白さん!」
「わ?!」
行き良いよく抱きつかれソファに押し倒されてしまった。僕も嬉しくなって雫の頭を抱きしめた。
願わくばずっと雫と一緒にいたい
1
お気に入りに追加
163
あなたにおすすめの小説
【短編】旦那様、2年後に消えますので、その日まで恩返しをさせてください
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
「二年後には消えますので、ベネディック様。どうかその日まで、いつかの恩返しをさせてください」
「恩? 私と君は初対面だったはず」
「そうかもしれませんが、そうではないのかもしれません」
「意味がわからない──が、これでアルフの、弟の奇病も治るのならいいだろう」
奇病を癒すため魔法都市、最後の薬師フェリーネはベネディック・バルテルスと契約結婚を持ちかける。
彼女の目的は遺産目当てや、玉の輿ではなく──?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
その捕虜は牢屋から離れたくない
さいはて旅行社
BL
敵国の牢獄看守や軍人たちが大好きなのは、鍛え上げられた筋肉だった。
というわけで、剣や体術の訓練なんか大嫌いな魔導士で細身の主人公は、同僚の脳筋騎士たちとは違い、敵国の捕虜となっても平穏無事な牢屋生活を満喫するのであった。
噛痕に思う
阿沙🌷
BL
αのイオに執着されているβのキバは最近、思うことがある。じゃれ合っているとイオが噛み付いてくるのだ。痛む傷跡にどことなく関係もギクシャクしてくる。そんななか、彼の悪癖の理由を知って――。
✿オメガバースもの掌編二本作。
(『ride』は2021年3月28日に追加します)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
上手に啼いて
紺色橙
BL
■聡は10歳の初めての発情期の際、大輝に噛まれ番となった。それ以来関係を継続しているが、愛ではなく都合と情で続いている現状はそろそろ終わりが見えていた。
■注意*独自オメガバース設定。■『それは愛か本能か』と同じ世界設定です。関係は一切なし。
勇者の帰りを待つだけだった私は居ても居なくても同じですか? ~負けヒロインの筈なのに歪んだ執着をされています~
砂礫レキ
ファンタジー
勇者ライルが魔王を倒してから3年。
彼の幼馴染である村娘アデリーンは28歳にして5歳年下の彼に粗雑に扱われながら依存されていた。
まるで母親代わりのようだと自己嫌悪に陥りながらも昔した結婚の約束を忘れられなかったアデリーン。
しかしライルは彼女の心を嘲笑うかのようにアデリーンよりも若く美しい村娘リンナと密会するのだった。
そのことで現実を受け入れ村を出ようとしたアデリーン。
そんな彼女に病んだ勇者の依存と悪女の屈折した執着、勇者の命を狙う魔物の策略が次々と襲い掛かってきて……?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
大きくなったら結婚しようと誓った幼馴染が幸せな家庭を築いていた
黒うさぎ
恋愛
「おおきくなったら、ぼくとけっこんしよう!」
幼い頃にした彼との約束。私は彼に相応しい強く、優しい女性になるために己を鍛え磨きぬいた。そして十六年たったある日。私は約束を果たそうと彼の家を訪れた。だが家の中から姿を現したのは、幼女とその母親らしき女性、そして優しく微笑む彼だった。
小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+にも投稿しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
孕めないオメガでもいいですか?
月夜野レオン
BL
病院で子供を孕めない体といきなり診断された俺は、どうして良いのか判らず大好きな幼馴染の前から消える選択をした。不完全なオメガはお前に相応しくないから……
オメガバース作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる