貴方のお嫁さんにはなりません!!!このばかぁ

白藍たんぽっぽ

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恋人(正式)との生活

ん?どういうこと??

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 カレーの味見をする。うん、美味しい。でも、夜ご飯の時間にはちょっと早く作りすぎてしまった。雫の帰宅が思ったより早かったのでエプロンのまま、カレーをついで一緒に食べるということをしようと思ってたけど無理そう。
 火を止めて、鍋に蓋をして着替えるために脱衣場に行こうとした所を雫に呼び止められた。


「?、、、舞白さんどこに行くんですか?」

「どこって、脱衣場だよ」

「どうしてですか?」

「着替えるため、、、だけど」


 なんか、懐かしいこのやり取り。はじめ来たばっかの時、暫くは雫が後をついて来てた。その後は逐一どこに行くのか聞かれてたな~。どうしたんだろ?なんか初期化してる?


「着替えちゃうんですか?!」

「うん」

「舞白さん、こっち来て下さい」


 席を立ったら、僕の元まで歩いてきてソファの所まで手を引かれる。ど、どうしたというのだ!しずくよ!!


「舞白さん」

「、、、ん、ちゅ、、、んぅ」


 ソファに座ってすぐ、雫の顔が近づいて唇が合わさる。結局出来なかったあの日からキスだけはずっとしてるのでいい加減僕も恥ずかしさは消えて慣れてきた。今こんな格好してるから羞恥心をどこかに置き去りにしてきたのかもしれない。
 キスをしながら、耳をすりすり擽られる。こしょばくて、逃げようとしたら後頭部に手を回されて逃げられない。雫はキスが上手くて僕は最近、最後まで出来なくてもこのままでも十分気持ちいいので大丈夫では?と思いつつ、やっぱり最後の思い出としてもしたいと思う。僕はそれで焦っていたから、あんな恥ずかしいことになったのではと今になって思う。


「しず、く、んぁ、はぁ、どうしたの?」

「舞白さん好きです」

「僕も好き」

「ちゃんと舞白さんのしたいこと、俺に伝わってますから安心して下さい」

「?よかった!僕で癒されてくれた?」


 雫に伝わったらしい。日頃の感謝と仕事の疲れを癒したくて裸エプロンをしたけど、もしかして僕は自意識過剰で自分のことを過大評価してるかすごく不安だったけど雫のことだから大丈夫だと思ってこんな奇行に走ったので等の目的を果たせないと意味が無いのだ。


「はい!すごく癒されます舞白さん。俺すごく嬉しいです。舞白さんは最高です」

「ふふふ、よかった」

「じゃ、舞白さんベットに行きましょ?」

「ベット??」


 癒されたと聞いて僕も嬉しくて微笑み返していると、何を言い出すか急にベットに行こうと言われた。どういうこと?


「ん?えっと、あの、どういうこと?」

「舞白さんは俺を誘うために、こんな格好したんじゃないですか?」

「誘う?」

「も、もしかして舞白さん?!」


 僕が雫を誘うため、、、ベット、、、、、、、、、あ、そういうこと?!た、確かに前、言葉に出来ないって雫に伝えたからそれで僕が頑張って言外に誘ったと思った、ってことだよね?じゃないとこんなびっくりしてないもんね?あ、やばい、どこかに置き去りにしたはずの羞恥心が帰ってくる。くるな!どっかいって!


「舞白さん。俺が早とちりしましたね?」

「あの、ぼく、えっとね、その!」

「あはは、舞白さん顔真っ赤だ。可愛い」

「はぅ、恥ずか死」


 雫は恥ずかしがってる僕を見て、可愛いと言いながら頬にキスされた。こ、これはドキッとするぞ!や、やめてくれ今は!


「雫がいつも僕にたくさんのものをくれるからちょっとでもお返ししたくて、だから、その気は全然なくて、、、うぅ」

「舞白さんの方が俺にたくさんのものをくれるじゃないですか?それに舞白さんがそんなつもり無かったのに興奮して思わず、すみません」

「ううん、僕こそごめんね」


 僕が少し落ち込んだのを目敏く見つけた雫は抱きしめて、頭をなでなでしてくれる。絶対に僕の方がもらってるよ、これ


「舞白さんはどうして裸エプロンにしたんですか?」

「へ?!そ、それ聞いちゃう?」

「はい、是非教えて下さい舞白さん」


 僕の裸エプロンをしようと思った動機について、恥ずかしくて目も合わせられず雫からも離れてかくかくしかじか話しはじめる。すると雫は僕がはじめてこの家で雫のエプロンを着て料理をする姿を見てから、是非とも裸エプロンをしてラブラブ新婚さんごっこがしたかったらしい。


「そ、そんなこと考えて?!」

「やっと舞白さんが手に入ったんですよ?こんなの新婚さん気分でしょ」

「いや、その時の僕は」

「舞白さん今は?俺との結婚生活」


 僕の目をしっかりと見て、答えを言うまで逃がさないと感じる不思議な力があった。忘れていた、雫から逃げなければという焦燥感が僕の中に現れる。このままじゃ、僕はずっと雫に甘えてしまうと。でも、雫との結婚生活は楽しそうだ。ほんとに、すごく。でも、僕はそれを言葉では伝えられなかった。


「しずく、、、ちゅ」

「舞白さん」


 最後ににこっと僕に幸せをくれてありがとうと笑いかける


「可愛すぎます舞白さん!」

「わ?!」


 行き良いよく抱きつかれソファに押し倒されてしまった。僕も嬉しくなって雫の頭を抱きしめた。
 願わくばずっと雫と一緒にいたい
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