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恋人(仮)との生活
ルールを決めよ!って進まなぁい!!
しおりを挟む「美味しいです舞白さん」
「ほんと?口にあってよかった!」
お腹かが空いたから勝手に冷蔵庫を漁って、フレンチトーストと目玉焼き、普通に焼いたパンとちょっとしたサラダを盛り付けただけの簡単な朝食。材料がいいからかいつもより美味しく感じる。もぐもぐ
他人の家の冷蔵庫を勝手に開けていいのかって?いいよ、だって僕は恋人なんだから。もぐもぐ
「ごめんね、舞白さん。俺朝起きるの苦手で」
食べる手を止めたと思ったら突然そんなこと言われた。やっぱり朝苦手なんだな。かわいい!かわいいよ小型カメラさん。僕の母性が小型カメラさんによって育てられてくよ!
「お腹すいたんだよね?舞白さんにご飯作らせちゃった。次からは早起き頑張るから」
「なんで?」
「?」
「早起き頑張るのなんで?」
子犬が目をうるうるして、見捨てないでって言うようにしゅんって見るからに落ち込んでる。
「、、、?だって俺が朝ご飯つくるから」
「僕がつくるよ。朝ごはん」
「駄目だよ。舞白さんはゆっくりしてて」
「、、、、、」
小型カメラさんは僕をどうしても動かしたくないのか。昨日もそういえば言っていたな。『俺が料理も掃除もやってお金も稼いで来るから』ってでも、それってさ
「それだと恋人じゃないよ?いいの?」
「っ?舞白さんっ?」
小型カメラさんが焦りだした。そりゃそうだ。だって僕は。怒っているから!もうぷんぷんだから!
「片方が一方的に尽くすのってそれ、恋人になる必要ないじゃん。小型カメラさん俺の奴隷にでもなりたいの?」
「、、、、っ」
「僕は対等で平等な恋人関係を築きたいの。例えそれが、期間限定だったとしても。この感じだと本当に恋人になった時も同じだよね?まぁいいけど。このままだと僕はどんどん小型カメラさんから離れていくだけだし?」
喧嘩とかしてぶつかり合って互いに高めあえるのが恋人じゃないの?求めすぎ?理想高すぎ?そんなのつまんないじゃん。僕は一方的に尽くされるの好きじゃない。
「ぁ、あのっ舞白さん!」
「、、、、、なに?」
「ごめんなさい。俺が間違ってました。許して下さい舞白さん」
、、、、、、、、、いいよ。そんな死にそうな顔して、必死に僕に縋り付くの。なんか新しい扉開きそう!可哀想可愛いってやつ!?なんか、ぞくぞくする。いやいや、僕はただ単に言い過ぎたから罪悪感が
「僕こそごめんなさい。言い過ぎた。ただ、2人で暮らすんなら2人で家事とかしたい」
「舞白さん」
「僕だって働いてお金稼ぎたい」
「はい」
「僕はか弱くないよ?」
「はい。舞白さんは強いです」
久しぶりに怒った気がする。でも、小型カメラさんは恋人に尽くすのが好きな人なのかもしれない。そうだとしたら、絶対そうなんだけど。この先やっていけるのかな?、、、、、、、って僕は小型カメラさんから逃げようとしてるんだから、先のこと考えても意味が無い!でも、多分僕は小型カメラさんに期待してるんだろうな。この人なら、受け止めてくれるかも。僕を愛してくれるかもって。
「ご飯はやく食べて、2人でルール決めよ!」
「はい!舞白さん!」
前を向けたと思ったんだけどな。全然そんなことないや、、、、、あれ?また僕は、、、、何か忘れてる記憶がある?この感情は、この思い出は何なんだ?こ、こわい!実は交通事故にあったのだろうか?いやいや!僕は産まれてこのかた元気いっぱいに育ちました!
小型カメラさんと会ってから、僕の知らない僕を思い出すな~。そんなことを悶々と思いながら、いつもより美味しいご飯を食べ進めるのであった。
――――ご飯を食べ終わりお皿も一緒に片付け一息ついてから、ご飯を食べたところとは別の所にあるテレビと低いテーブル、ソファのゆっくり出来る場所に紅茶を持って2人で座った。
近くない?小型カメラさん!拳ひとつぶんも空いてない!ぴったしぴっとり隙間なくがっちり!肩が触れ合って座っております!近いですよ!
「、、、、、」
「、、、、、っ!?」
離れようとすると無言で腰に手を回し、膝の上に僕を乗せて後ろからお腹に抱きつく。肩に小型カメラさんのイケメンフェイスが!さっきよりも近い!
「こ、これじゃ話し合い出来ないでしょ!?ねぇ!?」
「出来ますよ舞白さん」
「出来ない!」
「舞白さん、、、、、」
「、、、、、な、なに?」
じたばたじたばたしてたら急に真面目なトーンで僕を呼ぶ小型カメラさん。な、なんだろ煩かったかな?でも僕は悪くない!大声出したのは悪いけどその原因は小型カメラさんだ!
「、、、、、美味しそう」ぱく
「食べた!また食べた!」
また、僕のほっぺをもにゅもにゅ食べている小型カメラさん。な、なぜ?!僕のほっぺはそんなに美味しいのか?なら僕も食べたいよ!そんなに美味しいなら!
「や、やめて!話しは!?ルール決めるのは!?」
「ん~決めますよ舞白さん」もにゅもにゅ
「は~な~し~て!!!」
これじゃ話が進まない!こ、こうなったら反撃の狼煙を上げてやる!下克上じゃ~!かかれ!
僕のお腹にある小型カメラさんの手をひとつとっ掴んで口に持っていき
「かぷっ!」
「舞白さん?!」
人差し指を食べた。もぐもぐ
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