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ストーカーさんとの生活
ここは、、、どこ?
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「こんなに早く帰ってくるとは、、、」
小型カメラさんが何か言っているが声が小さすぎて聞こえない。てか、何このイケメンは!?恐い、いろんな意味で恐いよ!?綺麗な黒い髪の毛と飲み込まれそうな底の見えない湖を見ているような瞳。その上に服の上からでもわかる僕とは大違いな逞しい身体。めっちゃ迫力あるし喧嘩強そう。
「、、、お~い?」
てか、このイケメンが僕のストーカーってこと?でいいよね。お風呂場から出てきたし、その手には小型カメラが何個もあるし。
「聞こえてる?もしかして眠たい?」
逆に冷静になってきたかもしれない。そうだよ慌てる必要はない。ゆっくり深呼吸して落ち着いて大丈夫、大丈夫、大丈夫
「大丈夫」
「何が大丈夫なの?」
「ひぃっ?!、、、、ぁ、、」
いつの間にお風呂場から移動していたのか目の前に居た小型カメラさん。ただでさえ人が苦手な僕なのに、距離が近い、話しかけられた、不審者に対しての恐怖、これらによって僕は─────
意識を手放した。
「危な!?」
直ぐにその男は目の前で急に倒れた小さな体を抱き寄せる。腕にすっぽりと収まり静かに眠る可愛い寝顔を見て自分の中から湧き上がる欲に、もう無視をすることは出来ないと本能が告げていた。男は少し早くなってしまったがもういいかと思考を巡らせ───
「やっとだ」
前髪を顔からどかして、額にキスを送る。可愛い可愛い俺の愛しい人、今度は離さないから。決意を新たに小さな宝物を抱きかかえて、その部屋を後にした。
───起きたら知らないとこに居ました。
言ってる意味が分からないって皆も思うよね。うん、僕も分からない。ただ分かるのは見上げる天井がいつもと違うこと、服もさっき着ていたのと違うこと、ベットがふかふかでまた寝てしまいそうなほど気持ちいいこと、僕が気絶したこと、そして、そして!!!新刊を買い逃したこと!!時計を見たら、原稿の徹夜が体に響いたのか、夕方を指していた。
「僕が!僕が財布を忘れなければこんなことには!」
「この小説の事?」
「、、、っ!?、、、ぇ?!」
いつからそこに居たのか、それとも今までずっとそこに居たのかは分からないが、僕は寝転んでいるのでその男の背景は天井なのにイケメンだからか映えている。何故?解せぬ。なんか腹立つ!そんなことより!それも大事だけど!でも、でも!
「な、なんで」
そう小型カメラさんが持っていた小説とは僕が買おうと外に出て財布を忘れ、買えなかった神作家さんの新刊だったのだ。
「だって、あなたこの作家好きでしょ?」
「、、、、、ぇ?」
「ふふふ」
天井を背にしても映えるイケメンこと小型カメラさんは笑った顔もかっこよかった。思わず見惚れてしまうほどに。
「どうして、知ってるかって?だってあなたのストーカーだからね。この小説あげます。そろそろ担当さんからの連絡が来る頃だと思うんですけど、確認しなくて大丈夫?」
あ!確かにこの時間なら担当さんからメールの返信が届いてるはずだ。単純で馬鹿な僕は、気持ちのいいベッドから体を起こして小型カメラさんから大好きな神作家さんの小説を受け取り、何故かスマホも受け取り。メールのアプリを確認した。
───『はい、確かに受け取りました。今回も打ち合わせ通りに仕上がっているので大丈夫です』
との文章が送られてきた。さらに画面をスクロールしていくと続きがあった。
『それと、柊さんの担当が変わりました。その担当は今日の夕方頃、柊さんのお家にお伺いに行くそうです。今までありがとうございました。』
少し現実逃避をしよう。
担当さんとはメールでやり取りをしてる。極稀に電話、極々稀にカフェなどで直接。どうして会うのが無いに等しいほど少ないかって?そう、何を隠そう僕は自分で言うのもあれだが超陰キャなのだ。人の視線は恐いし、人と話すのは苦手だし、自分の気持を伝えるのも無理、他にもたくさん、、、
そんな僕の担当さんはレビュー当時からのお付き合いなので、僕が陰キャなのはもちろん知っているし、人と話すのも苦手な事も理解してくれている。僕の馬鹿みたいな相談にも真剣に乗ってくれる、凄く大切な担当さんなのだ。
その担当さんが、、、僕の担当さんじゃなくなる。とメールにはそう書いてあると?え?じゃぁ、新しい担当さんが今、僕の家に居るってこと?僕家に居ないしもう夕方過ぎて夜になりかけてるってことは、、、家の前でこの寒い中、ずっと待ってるってこと!?急いで帰らなきゃ!
「その担当は俺のことだよ、これからよろしくね?」
僕の心を読んだかのようなタイミングの良さと、爆弾発言。僕のストーカーこと、小型カメラさんが新しい担当さんらしい。
「ぁ、、、あの、、」
久しぶりに知らない人と話すからか、体の震えが止まらない。でも、これだけは確認しなくては
「ここは、、、どこ?」
「俺の家だよ」
それはそれはカッコイイ笑顔で言われました。見惚れて現実逃避中です。カッコイイ、お顔です、、、ね?
小型カメラさんが何か言っているが声が小さすぎて聞こえない。てか、何このイケメンは!?恐い、いろんな意味で恐いよ!?綺麗な黒い髪の毛と飲み込まれそうな底の見えない湖を見ているような瞳。その上に服の上からでもわかる僕とは大違いな逞しい身体。めっちゃ迫力あるし喧嘩強そう。
「、、、お~い?」
てか、このイケメンが僕のストーカーってこと?でいいよね。お風呂場から出てきたし、その手には小型カメラが何個もあるし。
「聞こえてる?もしかして眠たい?」
逆に冷静になってきたかもしれない。そうだよ慌てる必要はない。ゆっくり深呼吸して落ち着いて大丈夫、大丈夫、大丈夫
「大丈夫」
「何が大丈夫なの?」
「ひぃっ?!、、、、ぁ、、」
いつの間にお風呂場から移動していたのか目の前に居た小型カメラさん。ただでさえ人が苦手な僕なのに、距離が近い、話しかけられた、不審者に対しての恐怖、これらによって僕は─────
意識を手放した。
「危な!?」
直ぐにその男は目の前で急に倒れた小さな体を抱き寄せる。腕にすっぽりと収まり静かに眠る可愛い寝顔を見て自分の中から湧き上がる欲に、もう無視をすることは出来ないと本能が告げていた。男は少し早くなってしまったがもういいかと思考を巡らせ───
「やっとだ」
前髪を顔からどかして、額にキスを送る。可愛い可愛い俺の愛しい人、今度は離さないから。決意を新たに小さな宝物を抱きかかえて、その部屋を後にした。
───起きたら知らないとこに居ました。
言ってる意味が分からないって皆も思うよね。うん、僕も分からない。ただ分かるのは見上げる天井がいつもと違うこと、服もさっき着ていたのと違うこと、ベットがふかふかでまた寝てしまいそうなほど気持ちいいこと、僕が気絶したこと、そして、そして!!!新刊を買い逃したこと!!時計を見たら、原稿の徹夜が体に響いたのか、夕方を指していた。
「僕が!僕が財布を忘れなければこんなことには!」
「この小説の事?」
「、、、っ!?、、、ぇ?!」
いつからそこに居たのか、それとも今までずっとそこに居たのかは分からないが、僕は寝転んでいるのでその男の背景は天井なのにイケメンだからか映えている。何故?解せぬ。なんか腹立つ!そんなことより!それも大事だけど!でも、でも!
「な、なんで」
そう小型カメラさんが持っていた小説とは僕が買おうと外に出て財布を忘れ、買えなかった神作家さんの新刊だったのだ。
「だって、あなたこの作家好きでしょ?」
「、、、、、ぇ?」
「ふふふ」
天井を背にしても映えるイケメンこと小型カメラさんは笑った顔もかっこよかった。思わず見惚れてしまうほどに。
「どうして、知ってるかって?だってあなたのストーカーだからね。この小説あげます。そろそろ担当さんからの連絡が来る頃だと思うんですけど、確認しなくて大丈夫?」
あ!確かにこの時間なら担当さんからメールの返信が届いてるはずだ。単純で馬鹿な僕は、気持ちのいいベッドから体を起こして小型カメラさんから大好きな神作家さんの小説を受け取り、何故かスマホも受け取り。メールのアプリを確認した。
───『はい、確かに受け取りました。今回も打ち合わせ通りに仕上がっているので大丈夫です』
との文章が送られてきた。さらに画面をスクロールしていくと続きがあった。
『それと、柊さんの担当が変わりました。その担当は今日の夕方頃、柊さんのお家にお伺いに行くそうです。今までありがとうございました。』
少し現実逃避をしよう。
担当さんとはメールでやり取りをしてる。極稀に電話、極々稀にカフェなどで直接。どうして会うのが無いに等しいほど少ないかって?そう、何を隠そう僕は自分で言うのもあれだが超陰キャなのだ。人の視線は恐いし、人と話すのは苦手だし、自分の気持を伝えるのも無理、他にもたくさん、、、
そんな僕の担当さんはレビュー当時からのお付き合いなので、僕が陰キャなのはもちろん知っているし、人と話すのも苦手な事も理解してくれている。僕の馬鹿みたいな相談にも真剣に乗ってくれる、凄く大切な担当さんなのだ。
その担当さんが、、、僕の担当さんじゃなくなる。とメールにはそう書いてあると?え?じゃぁ、新しい担当さんが今、僕の家に居るってこと?僕家に居ないしもう夕方過ぎて夜になりかけてるってことは、、、家の前でこの寒い中、ずっと待ってるってこと!?急いで帰らなきゃ!
「その担当は俺のことだよ、これからよろしくね?」
僕の心を読んだかのようなタイミングの良さと、爆弾発言。僕のストーカーこと、小型カメラさんが新しい担当さんらしい。
「ぁ、、、あの、、」
久しぶりに知らない人と話すからか、体の震えが止まらない。でも、これだけは確認しなくては
「ここは、、、どこ?」
「俺の家だよ」
それはそれはカッコイイ笑顔で言われました。見惚れて現実逃避中です。カッコイイ、お顔です、、、ね?
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