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2.幼馴染み

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もうすぐ妹の誕生日が近くなってきたことから、エルモンド家は両親逹が学生時代から仲の良い ディケンズ家を招いて我が家でお茶会をすることになった。

そう妹の幼馴染み(予定)のヨハンの家である。幼馴染みがいるのになぜ気がつかなかったのか私よ。あほだ……。 

ゲームの彼の細かいことなんて覚えてないよ……。

私が覚えてる範囲でのゲームの設定通りなら私の1つ下の妹と同い年。栗色のふわふわした髪がチャームポイント。

ヨハンはなんと言うか、とてもこれが天使か。天使だ。邪なこと考えてすみません。って全ユーザーが思ったに違いない位、心がピュアなキャラだったな……位の記憶だわ。

ちなみにゲームのアメリアは彼を殺している。理由は簡単に彼が病弱だったから。病弱設定だから、BADENDは病死かと思ってたのに、アメリアが毒殺してる。知ったときは驚いた。

まぁ攻略相手には畜無害令嬢計画を実行すれば問題ないはず。なせばなるだろう。

―――――――――――――――――――――――

それはそうと明日は天使な妹が主役の誕生日!!子供の財力ではスペシャルなプレゼントは贈れないと考えた私は、お菓子を作ることにした。作るのは薔薇をモチーフしたアップルパイ。ちなみにアップルパイは我が押し王子さまの大好物なんだよ。前世ではよく作ったなー。と言うわけで得意料理になる。

しかし両親や使用人全員に火や刃物を扱うのは全力で止められたので、正確に言うと監修私、作メーサになる。

「さーて!メーサ宜しくね!」

「はい。宜しくお願い致します」

よーし手を洗ったら始めるぞ!

「とりあえず皮を剥かないで、りんごを半分に切って、それから薄くスライスして貰える?」

薔薇になる部分をメーサに切って貰ってる間私は瓶に入れた牛乳を全力で振る。だってバターがこの世界に無いんだもの。とろーとした黄色いバターとホエーが出てくるまで、ノンホモ牛乳って信じながら振る。ホエーはまた牛乳とレモンを入れたらチーズになるはずだから楽しみ。

あとは作ったバターと小麦粉、砂糖を混ぜて捏ねるだけで生地の完成~!

棒状に薄く生地を伸ばしてお好みでジャムを塗りつつ、スライスしたりんごを乗せて、隙間ができないように巻いていく。

「メーサ!準備できたからお願いね」

「かしこまりました」

ここからはメーサに焼いて貰う。この世界にはオーブンは無いから釜で焼くしかない。はじめてやってみるけど、釜で焼くアップルパイ楽しみだ~。

明日は妹の誕生日思いっきり祝ってやるんだから!!
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