貴方の犬にしてください

えびまる

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貴方の犬にしてください

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 本編はこちらで完結です。

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 どこからか香油を取り出したリシュアンは、少し掌で温めた後、レヴィの臀部にそっと塗り広げた。
 そのうち、人差し指が後孔のシワ一本ずつに刷り込むような動きを見せる。

「うぅ……」
「大丈夫?痛いとか気持ち悪いとかあったら言って?」
「……それは、大丈夫だと思うんですけど、久しぶりだから……あ」
「……え?」
「うあ!」

 レヴィの背後の空気が重くなったような気配がしたと同時に後孔に指がねじ込まれた。
 掌を表にしてねじ込まれた指に、香油を追加し、容赦なく中を捏ねていく。

「……女性相手は、まあ、年齢も年齢だし、仕方ないかなぁって思ってたんだけど」
「あっ、うぅっ、ぁンッ」
「男とも経験あるんだねぇ……ね、何人?どこのどいつが此処を可愛がったの?」
「ちがっ、ちがいますっ……、ぁ、あ!」

 ぐちゃぐちゃと音をわざと大きく立てながら、人差し指はもう根元までずっぽりと出たり入ったりを繰り返している。

「違う?じゃあ、女性に可愛がって貰ってたってことかな?ここもこんなにぷっくりして触ってって上手にアピール出来てるもんね?」
「あああ!ちが、ちがぅ、あ、あ、」

 中のしこりをカリカリと掻くと、レヴィはがくりと前に倒れ込み、四つん這いから尻だけ高く上げた格好になる。

「あー、もう中でも気持ちよくなれちゃうんだね、俺が全部やりたかったな……はぁ、知らなかったよ、自分の心がこんなに狭いなんて。レヴィは俺に色んな初めての感情教えてくれるね、ねぇ、レヴィ。結局どうなの?なんでこんなことになるの?」

 容赦ない早口での質問責めと愛撫に『違う』としか言えないレヴィは、またポロポロ泣き出してしまう。

「泣かないで、レヴィ……確かに嫉妬はしてるけど、そんな事で愛情が冷めるわけじゃないからね、大丈夫大丈夫」
「……ゔ~!!っ……自分で!!!!」
「え?」
「う、ゔ~っ、じ、じぶんでしまし、た……」
「じぶんで……」
「リシュアン様がっ、俺にエッチなことするからっ!」
「んん?俺?」

 思わず手を止めてレヴィを見ると、レヴィは真っ赤な顔で目に沢山涙を貯めながら少しリシュアンを睨みつけていた。

「リシュアン様が、いつも夢に出てきてっ、いっぱいエッチなことするから、俺っ、おれぇ、」
「……」
「ほんとに夢みたいに気持ちいいのかなって、思っちゃって!自分の指でしました!!そしたら!!ハマっちゃって!!リシュアン様のせいです!!」
「……」
「ひああぁあ!!」

 その悲鳴のような絶叫で告げられた逆ギレにも近い内容に、リシュアンは思わず真顔で指をまとめて二本追加してしまった。

「あ、あ!ン、ぁ、あ!」

 三本の指でしこりを重点的に虐めると、レヴィの腰がガクガクと震え出す。

「あぁ、レヴィ、レヴィ……どうして……俺をどうしたいの……レヴィ、かわいい、ほんっっとかわいい、レヴィ、ほんと……もう……」
「うぅ、あ、あ、はぁっ、はぁ、あ!」

 リシュアンは興奮した様子で香油を増やして、指をV字に拡げたり、ぐるんと手を返しながら奥まで拡げた。しこりを挟みながら擦ったり、激しく出し入れが繰り返される。

「あ"~、あっあっ、い、きもち、ひンッ、う、う、はぁあ、あ、!!きもちいいよぉっ、きもちいい……あ"、りしゅあ、りしゅあんさまぁ!」

 レヴィは、与えられるがままに快感を受け入れ、リシュアンに甘え、自分でも気持ちいいところに当たるように腰を振っている。口から漏れる声は、それしか知らない様に気持ちいいという言葉とリシュアンの名前をひたすら繰り返していた。
 その様子がたまらなく愛おしくて、リシュアンは指を引き抜くと、ズボンの前を寛げ、すっかり大きく育った陰茎をレヴィの尻の谷間に擦り付けた。

「……こうしてるだけでレヴィの可愛い孔がくぱくぱしてるよ、……っ、俺のこと全部受け入れてくれる?……レヴィ、っ」
「んんっ、ん、いれてっ、いれてほしっ、けど、ぁ、顔っ、リシュアン様のお顔見たいですっ、おねが、リシュアンさまぁっ」

 それを聞いたリシュアンは、ごろんとレヴィを仰向けにした。
 久しぶりに正面から顔が見れて嬉しいレヴィは、ふわふわと微笑んでいる。

「レヴィ、何度言っても足りないけれど、愛してるよ。俺の可愛い犬……」
「俺も、リシュアン様愛してます。一生責任持って可愛がってください」

 どちらともなく深くキスをしながら、リシュアンの陰茎がゆっくりとレヴィの中に埋まっていく。
 一人遊びをしていたレヴィと、怒りからの喜びで感情が振り回されすぎて真顔でねっちょりと真剣に拡張していたリシュアンのお陰で、レヴィを傷つける事無くスムーズに挿入され、リシュアンがレヴィの中を埋め切り、一度口を離しレヴィの顔を見ると、レヴィはやはり蕩けきった顔で涙を流していた。

「レヴィ、痛くない?全部入ったよ。」
「ひぅっ、ぅあ、はぁっ、はぁン、、うれしいっ、りしゅあんさまが、なかにっ、あっ、あっ、きちゃ、~~~!!!!」

 幸せそうな顔をしたレヴィは、入っているのを確かめるように自分の下腹部を触ると、そのまま背をぎゅーっと反らし静かにイッてしまった。
 レヴィの一度も触れていない陰茎から、びゅっと少量の精液が下腹部にかかる。

「くっ、レヴィ……っ、しめすぎっ」

 強い締めつけを乗り越えたリシュアンは、我慢出来ず、腰を動かし始めた。

「あっ!あっ!い、いったばっかなの、にぃっ!あ"、あ"、きもち、きもちいれす、きもちい"、りしゅあんさまっ、すきっ、すきぃ……!」

 パンパンと、腰を打ち付けるリシュアンに合わせベッドのスプリングが揺れる。その度にレヴィもリシュアンをより強く迎え入れていた。
 リシュアンは先程レヴィが出した精液を下腹部に塗り広げていく。

「あ"ーー!!おなかっ、おなかだめぇっ!!きもちいからぁっ!あ、あ、あ、あ"ぁ……!んーっ、ん、ん、ん!!」
「はぁっ、かわいい……挿れただけでイッちゃったの?レヴィ……かわいい、ほら、入ってるとこわかる?」
「わか、っ、わかるっ、んっ、おなかっ、なかも、そとも、きもちいですっ、ぁ、あ、あ!」
「いい子だねっ、はぁ、まだイッちゃだめだよ?我慢して……」
「ぅう、でもっ、ぁあ!あ!あ!がまっ、がまんできなっ!きもち、きもちいいよぉっ!あっ、あっ、あぁっ!」

 リシュアンが奥を突く度に、自然に声が出てしまうレヴィは、イヤイヤをするように頭を振り乱していた。

「だめだよ、レヴィ。……待て」

 リシュアンは、言うことを聞かないレヴィに分からせる為に、声を固くして命令を出した。
 
「ひっ……!!がまっ、がまんしましゅっ、ぁあ!あ!あ!がまっ、がまんんんっ!はっ、はっ、あ"ー!りしゅあんさま、りしゅあんさまぁっ!ふぅ、んっんん、んー!」
「あはっ、いい子いい子、レヴィ本当にいい子だね」
「あ"、あ"、いいこらめっ、いいこらめぇ!」
「まだだよ、レヴィ、まだ待てだよ」

 命令を聞き、ひゅっ、と息を飲んだレヴィは、ぎゅっと自分の陰茎を握りしめて射精を我慢する。その健気なレヴィをリシュアンは言葉と腰使いでどんどん追い詰めていった。

「はぁっ、くっ、……いくよ、レヴィ、」
「あ、あ、あ、なかっ、なかにっ、りしゅあんさま、なかにくださいっ……!」
「わかった……イッていいよ」
「ぁ……ん"ーーーー~~!!!」
「……!……っ、は」

 リシュアンの一言でレヴィは陰茎から手を離し、思い切り中を締め付けて果てた。
 その締め付けでリシュアンもレヴィの中で射精すると、奥まで塗り込むように緩やかに腰を動かす。まるでマーキングされている様な行為にもレヴィの中はキュンキュンと嬉しそうにリシュアンに甘えていた。

 
「はぁ、はぁ、はぁっ……んっ」
「ありがとう、レヴィ。よく頑張ったね、いい子」

 余韻で震えるレヴィの中から陰茎を優しく抜き、キスをして褒めてやると、荒い息を落ち着かせながらふにゃっと笑った。
 自身とレヴィに浄化をかけたリシュアンは、一度ソファにレヴィを寝かせると、ベッドにも浄化をかけ綺麗に整えていく。

「あぁ、リシュアン様の、なくなっちゃった……」
「もう、レヴィ。あんまり可愛いこと言わないで。明日は引越しなんだから、抱き潰せないでしょ」
「……平気なのに」
「レヴィ?」
「……ごめんなさい」

 しゅんとしたレヴィに微笑みかけると、綺麗になったベッドにレヴィを寝かしつけ、自分も隣に潜り込んだ。
 優しく髪を撫でて、目元に掛かる前髪もよけてやるとレヴィは声を出して笑う。

「ふふふ」
「どうしたの?」
「えへへ、嬉しくて!護衛騎士に合格出来ただけでも嬉しかったのに、まさかリシュアン様の犬になれて、セックスも出来て!一緒のベッドで寝れるだなんて……俺、明日死んじゃうかも」
「死んでもらっては困るなぁ……まだまだこれからしたいこともあるし、お互いのことももっと知っていきたいし、知って欲しい。飼い主として、これからもっとお前を幸せにしていくつもりだよ?」
「う~、リシュアンさまぁ!好きすぎる……」
「ありがとう、俺も好きだよ。明日は一緒にお風呂入ろうね」

 まずは、明日の予定を話し合って、これからしたいこと行きたい事を沢山話した。
 一応護衛についての話もしてくれたから多分護衛騎士として働くのだと思う、多分。

 こうしてレヴィ・ダルトンはリシュアン・エイヴァリーの犬になった。
 犬になったレヴィはリシュアンに全力で甘える様に躾られ、飼い主になったリシュアンはそれを際限なくどろどろに甘やかしていく。


 犬と飼い主は他人にどう見られようがお構い無しに、これからも二人お互いにメロメロのまま、末永く仲良く暮らしていくのだった。
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