貴方の犬にしてください

えびまる

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貴方の犬にしてください

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「レヴィは何を願ったの?」
「……リシュアン様に使われたいんです。管理されて支配されて、甘やかされて、生殺与奪の権をリシュアン様に握られたい。リシュアン様の心も体も癒して、守りたいって。それを簡単な言葉にしたら、犬になりたいという願望になりました」
「レヴィ……」
「だから、首輪つけてもらえた時本当に嬉しくて、だから、外して欲しくないんです、首輪。この喜びを知ってしまったので、もうこれを外されたら生きていけません、それほどリシュアン様の事が大好きなんです」
「そっか……」
「さ、さっきお風呂が嫌だったのは……そ、そのっ」
「うん」
「リシュアン様が大好きだから、絶対また粗相してしまうと思って……」
「え?」

 さっきまではキリッと話せていたのに、今は顔を真っ赤にしてごにょごにょと話すレヴィを見て、リシュアンは安堵した。心の底から嫌だった訳じゃなくて、単純に恥ずかしかっただけなのが伝わってきたからだ。

「首輪つけてもらえただけで、粗相してしまったのに、リシュアン様と一緒にお風呂だなんて……と思って。恥ずかしかっただけです。俺、リシュアン様にして頂けることで嫌なことなんて無いです。……あ、他人に性的に貸し出されたり、体の欠損とかはちょっと……嫌ですけど……」
「ふふっ、あはははっ!」
「!?……リシュアン様?」

 初めて見た、リシュアンの爆笑にレヴィは驚きと同時に貴重なものが見れた!と嬉しくなった。
 何が面白いのか分からなかったが、やっぱりリシュアンが笑ってくれると嬉しい。

「あー、面白い。馬鹿だなぁレヴィは……そんなことする訳ないでしょう?」
「そうしてくれたらありがたいです……」
「絶対しないよ、だってレヴィは一生ずーっと死ぬまで俺だけの犬なんだから」
「リシュアン様……」
「レヴィ、俺の犬になってくれる?」
「はいっ、もう俺は一生ずーっと死ぬまで、リシュアン様の犬です……!」
「いい子だね、俺の可愛いレヴィ……」

 やっぱり馬鹿になってしまった涙腺がまた壊れてしまった。
 リシュアンは、両手でレヴィの顔を包み込んで、そっと触れるだけのキスを顔中にした。額、頬、涙の滲む目尻。
 最後に唇にチュッとキスをされ、下唇を優しく食まれるのを合図に、レヴィは口内にリシュアンの舌を迎え入れる。

「ふぅ、んッ……んっ、はぁッ、んん」

 上顎や歯の付け根を優しくなぞられたり、舌を優しくなぞられる。
 レヴィはいつの間にか、リシュアンの胸元に縋り付き、リシュアンもまた、そんなレヴィを優しく包み込んでいた。
 しばらくして口が離れると、二人の口と口の間につぅっと透明の糸が繋がっていた。リシュアンはレヴィの蕩けた顔を見ながら苦笑いすると、親指で下まぶたをスリっと撫ぜる。
 リシュアンはそこを撫ぜるのが好きみたいで、レヴィもそれをされるとリシュアンの手に擦り寄ってしまう。
 リシュアンの見た目の割に大きくて、関節がしっかりしていて、剣ダコもある温かい手がレヴィは大好きになった。
 その両手で頬を包まれると、体から力が抜けて、レヴィを、丸ごと捧げたくなってしまう。

「……犬に手を出しちゃうなんて、飼い主失格なのかな」
「俺は犬だけど、人間なので大丈夫です……いっぱい手出し、して欲しいです」
「もう、調子に乗らせちゃだめだよ」
「へへへ、俺もリシュアン様にいっぱい甘えられて、調子に乗ってます」
「あ~、可愛い。他の人にそんなこと言っちゃだめだからね?」
「言わないし、しないです、俺はリシュアン様だけの忠実で甘えたの犬だから」

 リシュアンの真っ赤な目を見つめながらうっとりと囁くと、リシュアンは泣き笑いのような顔を見せた。

「可愛いね、レヴィ。いい子だから撫ぜてあげようね」

 そのまますっと膝裏に腕を回されて、抱き上げられたレヴィはベッドに優しく降ろされた。
 余りにも軽々といった感じで持ち上げられて、上背は自分の方があるのにな、と少し悔しくなった。

 座った姿勢で向かい合わせになると、馬車でしてくれたように、リシュアンの手が頭から優しく撫でていく。
 くしゃりと髪をかき混ぜられて、耳全体と耳の付け根、そして首筋と下顎。

「はぁっ、ぁ……」

 自然に急所を晒すように、顎が上がっていく。
 首筋を、指の背でつぅっとさすられると、吐息が漏れだした。

 そのままぎゅっと正面から抱き抱えられ、耳元で「馬車で出来なかった所、撫でてあげる」と言われると、抱きしめられていた手で、背中をそっと撫でられる。

「ふぁ、……ぁ、んぅ」

 胡座をかいたリシュアンの脚を跨ぐように膝を立てられ、背中に回った腕にグッと力を込められると、胸と胸が引っ付く程距離が近くなった。
 思わずリシュアンの首筋に、頭を擦り付けてしまう。

「一生このままがいい……」
「ふふっ、それはちょっと困るなぁ。もっとレヴィを可愛がりたいからね」

 背中や脇腹を撫でられ、その手がトントンと尾てい骨らへんを優しく叩いた。

「ん~っ」
「犬はここが気持ちいいんだって。レヴィも気持ちよさそうだね?」
「はい、ぃ、きもちいです、はぁ、ぁ、きもちぃ」
「ちゃんと言えて偉いね、じゃあごろんしよっか」
「はぁい」

 ごろん、と犬で言うところの服従のポーズを取るようにお腹をリシュアンに見せたレヴィは、じぃっとリシュアンの指示を待った。
 気持ちよくなってズボンの中で膨らんでいるペニスもバレバレなんだろうな、とは思うものの、リシュアンの手で気持ちよくなってるレヴィを見ると喜んでくれるので、もう恥ずかしさなどは感じなかった。
 気持ちよかったし、俺をこんなにしたのはリシュアン様だし、仕方ない。という開き直りの気持ちもあった。

 
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