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本編

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 ルーカスが、力が抜けた四肢を投げ出し、息を整えようとしていると、ぐるんと体をうつ伏せにされた。

「……にこら、?……あ"ぁぁぁッ!♡♡♡♡」

 そのままのしかかられ、押し潰されるように胸の前から腕を回し、肩を抱きしめられながら再び挿入される。
 今度は最初から遠慮されることなく、ルーカスの臀部にニコラスの腰が打ち付けられた。

「あ"♡あ、あ、あ♡これらめ……♡あっ♡んぐっ、おっぱいもっ♡おちんぽもぉっ♡♡ぜんぶ、すれてぇ……!♡お♡お♡おッ♡あ"~~~♡♡♡」

 ぱんぱんぱんぱんッ♡と響く激しい音とは裏腹に、ぎゅうぅっと強く抱き締められている事がルーカスを酷く安心させた。
 ほんの少し、ニコラスは勢いとかその場の空気に流されて好きだと言ってくれたのではないか……と思っていた。ニコラスは優しいし、断りづらかったのでは、と。言質は取れていたし、既成事実さえ作ることが出来ればあとはゆっくり本当に好きになって貰えれば……とさえ思っていたのに。
 これほど強く抱き締められ、腰を打ち付けられたら……。
 ニコラスは本当に僕のことを愛してくれているのでは……?

「はあっ、はっ、ルー、カス……ルーカス、はっ、んっ、ルゥ、すきだ、ルゥ……っ」
「……ッッ♡♡♡♡ひッ、あ、あ♡にこらすっ、ぼくもっ♡すきっ、すきぃっ♡にこぉ、は、んン♡♡にこッ、すきぃ……♡」

 そんなルーカスの考えを読んでいたかの様に、荒い息を吐くニコラスが耳元でルーカスの名前を呼び、好きだと言った。それに必死で答えると、顔の向きを変えられ、再び息を奪うようなキスをされる。

「ふぐッ♡ん♡ん♡ふっ、ん~ッ♡へ♡れろッ♡ふっ、ふうっ……♡」

 飲みきれなかった唾液が首筋を伝い、それだけでもルーカスは身を震わせた。
 口から舌を引きずり出され、舐めたり吸われたりしていると、まるで舌が性器になってしまったかの様だ。
 二人で獣の様な息を吐き、上から下まで全身から愛情を感じられてルーカスは幸せだった。

 そのまま、ルーカスの臀部が赤く色付く程腰が打ち付けられ、ぎゅうぅ……♡っと抱き締めながらニコラスが奥で射精した。

「……っく、イク……っ!」
「ぁ~~~!!!!♡♡♡♡♡」
 
 ルーカスも耐えきれず、足をバタつかせ逃げられない臀部を震わせながらイッてしまったが、もうぐちゃぐちゃで自分が何回イッたのか全然わからなかった。

「っ、はぁ、……はぁッ」
「っン♡はぁ♡はぁ……♡」
「ルゥ、大丈夫か……?薬も切れた?」
「んっ♡ん、らいじょ……ぶ♡」

 ニコラスがルーカスの額に優しくキスをすると、ルーカスは「ふふふ」と笑ってそのまま眠りについた。


 ――――

 ルーカスが目を覚ますと、目の前いっぱいに肌色が拡がっており、硬くて重くて暖かいものに包まれていた。

「……?」

 視線をすこし上げると、すやすやと眠っているニコラスの寝顔が目に入る。ニコラスに抱き締められながら眠るなんて……。
 ルーカスなりに一大決心して、体当たりで挑んだ結果は、最初に思っていたものより数倍もいいものになった。

 そのまま見つめていると、身動ぎの後ニコラスの目が開かれた。

「……おはよ」
「うん、おはようニコラス」
「……もうニコって呼んでくれないの……?」

 寝起きのかすれ声で、少し甘えた感じを出すニコラスは、とびきり色気があってルーカスは今更とても恥ずかしくなっていた。

「お、おはよう……ニコ」
「あぁ、おはようルゥ」

 額にキスをして「よし」と起き上がったニコラスは、ルーカスに布団を掛け直した後「まだ寝てていいから」と部屋を出ていった。
 改めて見るといつの間にか体を清められ、ルーカスの部屋で寝ていたようだ。
 なるほど、やはりニコラスは恋人を甘やかすタイプだった。爽やかでキラキラしていてかっこいい。
 そんな事を考えながらルーカスは二度寝の姿勢に入った。

 一方のニコラスはというと、目も当てられないほどぐちゃぐちゃだったが昨夜は見て見ぬふりをしたシーツなどを洗濯し、ルーカスのために軽めの昼食をつくり、急いで実家への手紙を書いていた。
 今までのらりくらりと避けていた婚約者の話を両親に報告する為だった。やはり嫡子なので両親にはせっつかれていたし、卒業するまでに婚約者を見つけなければ、親が言った通りの人と婚約をする、という話になっていたためだ。
 最初はそれでもいいと思っていた。どうせ好きな人なんかいないし、親同士が決めた契約的な結婚だろうと、余程の相手では無い限り、家族としての情は育んでいけるのではないかと。
 でももうそれも必要ない。

 ちょっと暴走気味だが可愛くて大切な婚約者が出来たのだから。
 だが、ニコラスには新たに、ルーカスのちょっとおかしい言動は、自分にも移ってしまう前に矯正してもらうか、いやでもちょっと……いや!駄目だ!、いやでも二人きりなら……とよく分からない悩みの種が出来たのであった。
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