おじさまと私

ぎゅり

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彼の名前を検索すると、「長門秀次 結婚」とか「長門秀次 イケメン」とか梨子の知りたい情報はなかった。
梨子の知りたいことは漠然と「どんな人」なのかである。いい人か優しい人かといった感じだ。
「あー電話するの億劫だな…」
梨子はレシート裏のメモを見た。
勢いで電話をするしかないと思った。
梨子は数字をタップして発信を押した。コールが鳴る。3コールめで繋がった。
「もしもし?長門です」
「あ、あ、もしもし!霧島ゆめの友人です!鹿島梨子と言います!」
「あー霧島くんから話は聞いたよ。アトマイザー、良かった」
「いえいえ!拾ってくれてありがとうございます!」
「持ち主がいないと香水も寂しいでしょう。電話ありがとう」
「こちらこそありがとうございます!失礼します…」
梨子は恐る恐る電話を切った。
緊張して、秀次がどんな声なのか忘れてしまった。けれど、心地よい優しい声音だったはずだ。
ゆっくりと柔らかい話し方は梨子の周りにはいなかった。弟の彩葉は早口で明るい声だった。
「チェロの音色と…一緒だ…」
梨子はうずくまり、小さく呟いた。
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