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その17 そして、真実は明るみになった!
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男から抜け出た白いモヤは、マザー・テルサンの眠る霊廟がある方向へと飛んでいった。
「やっぱりだ!オレは、邪気が全く感じらねぇこの街が悪霊に襲われている、と聞いた時に、かなりの違和感を感じてたんだ。やっぱりここは、聖人であるマザー・テルサンが絡んでいるらしいな。ロック、急いで霊廟へ向かうぞっ!」
「しっ……ショックですっ!!清らかな心を持つ聖人が、こんな悪どい事件を起こしているなんて……っ!!」
ロックは、ショックのあまり、その場へ座り込む。
クリフは、まだショックから立ち直っていないロックの腕をつかみ、走り始めた。
「師匠!やっぱり、聖人であるマザー・テルサンが主犯なんですか?だって、聖人ってのは、清い心を持っていた方なんじゃあないですか!?」
ロックの言葉に、クリフは苦い表情で言った。
「聖人とて、ただの人間にすぎねぇんだ。必ず、闇の部分を持っている。だからオレたちで、その闇の暴走を鎮めねばならねぇ!」
「……。」
ロックにとって、聖人が悪さをしている、との事実は、非常にショックなことだった。
ロックは地球の日本にいた頃、聖ベネディクトやマザー・テレサなど、多くの聖人に強い憧れを抱き、彼らを心の支えにしてきたからだ。
ロックは複雑な表情を浮かべ、無言でクリフのあとを追った。
彼は正直、聖人も人間であるから、闇の部分が黒く暴走している、との真実をまだ信じたくはなかった。
聖人であるなら清らかであってほしかった。
だが、クリフのいつにもまして真剣な表情を見て、信じざるをえなかった。
2人は、男どもの熱烈な誘いから逃げるようにして、小走りに霊廟へと急ぐ。
霊廟の中へ入って行くと、テルサンの像がしゃべり出す。
「神よ、汚らわしき私をお許し下さい、神よ、汚らわしき私をお許し下さい、神よ、汚らわしき私をお許し下さい……。」
繰り返し、同じ言葉を語り始める。
「汚らわしき……」…ん?そういえば、テルサンの像は、その言葉を繰り返している。
「汚らわしき」とは、一体どのような心境なのだろうか?
ロックは、テルサン像の言葉を聞きつつ、あれこれ考えをめぐらせている。
クリフは同じ言葉を繰り返すその像なんかはそっちのけで、テルサンのミイラが埋められている場所へと目を向ける。
そこからは、ただならぬ性への強い執着の念が、湧き出し続けていた。
せっ……聖人が何で、性への執着なんてっ……!!?
聖人は、絶対に清いはずなのにっ!ロックには、不思議でならなかった。
その性への黒い執着の念は、まるで井戸から水がこんこんとわき出るかのように、テルサンの眠る場所から、湧き出し続けている。
クリフは、その強い執着の念が出ている場所へ向け、言い放つ。
「おい!この王都のヤローどもを狂わせてんのは、テルサン、てめぇーだなっ!?」
クリフが、テルサンの眠る場所を、怒鳴りつける。
すると、次の瞬間、いきなりテルサンのミイラが埋められているその場所から、ピンク色の煙が、立ち昇った。
それが、徐々に人の姿を形成してゆく。
「おおうっ!!」
クリフは、思わず顔を真っ赤にして、鼻血を出す。
若い男であるクリフは、それに見とれずにはいられないのだった。
ピンク色の煙は徐々に人の形となり、最後には、裸のナイス・バディーの美しい女性へと変化したのだ。
その煙から形成された女性は、衣服を一切身に着けていなかった。つまり、すっぽんぽんなのだ。
美しい女性の裸体を目にし、クリフの鼻からは、滝のように鼻血がしたたり落ちてゆく。
勿論そのエロい裸の女は、テルサンの霊が見せている幻影にすぎぬものなのであるが、若いクリフには、かなり衝撃的な印象を与えたのだった。
性への強い執着から、その姿になったのだろう。ロックも1人の男として、鼻血を出しながら、テルサンの幻影を見つめている。
「霊能者クリフ!よくぞ、我の陰謀を見抜きおったものよ!そう、我はずっとずっと、セックスというものをしてみたくてたまらなかったのだ。
我は、子供の頃からシスターになる道を歩むように言われており、そうしてきた。だが、ある時、教会で男女がエッチしている姿を見たその瞬間から、セックスしたいというその衝動が強くなり、それは聖女として死ぬまで変わらず、我を苦しめ続けていたのだ。そのエロいシーンを教会で目にした時には、まだ我の名はマメリアという名前で、洗礼名を与えられていない、かなり若い時であったな。」
「だからって、街の人々を苦しめていいわけ、ねぇだろ―――――っ!!?」
クリフは、実にシリアスな表情で言った。
だが、鼻血がクリフの恰好良さを奪い、ギャグそのものの光景にしか見えない。
テルサンの霊は続けた。
「皆、勝手よのぅ。我が、都を救ったからとのことで、清らかな聖女として、我を祭り上げ、我の苦しみを知らずに、いつもいつも、自分勝手な欲望を、この我の霊廟で祈っておるものだからのぅ。
旦那のオナラを臭くなくしてほしいだとか、〇〇ちゃんと結婚したいだとか、宝くじが当たりますようにだとか、若返って綺麗になりたいだとか……。実に勝手に願い、そうして皆、好きなように生活を送っている。……我が、密かにセックスできなかった苦しみを抱え、まだその苦しみから抜けられていないというのに……!!!」
一気に言葉を綴ると、そのナイス・バディーの形をとったテルサンは、悔しそうに顔を歪め、涙を流した。
「やっぱりだ!オレは、邪気が全く感じらねぇこの街が悪霊に襲われている、と聞いた時に、かなりの違和感を感じてたんだ。やっぱりここは、聖人であるマザー・テルサンが絡んでいるらしいな。ロック、急いで霊廟へ向かうぞっ!」
「しっ……ショックですっ!!清らかな心を持つ聖人が、こんな悪どい事件を起こしているなんて……っ!!」
ロックは、ショックのあまり、その場へ座り込む。
クリフは、まだショックから立ち直っていないロックの腕をつかみ、走り始めた。
「師匠!やっぱり、聖人であるマザー・テルサンが主犯なんですか?だって、聖人ってのは、清い心を持っていた方なんじゃあないですか!?」
ロックの言葉に、クリフは苦い表情で言った。
「聖人とて、ただの人間にすぎねぇんだ。必ず、闇の部分を持っている。だからオレたちで、その闇の暴走を鎮めねばならねぇ!」
「……。」
ロックにとって、聖人が悪さをしている、との事実は、非常にショックなことだった。
ロックは地球の日本にいた頃、聖ベネディクトやマザー・テレサなど、多くの聖人に強い憧れを抱き、彼らを心の支えにしてきたからだ。
ロックは複雑な表情を浮かべ、無言でクリフのあとを追った。
彼は正直、聖人も人間であるから、闇の部分が黒く暴走している、との真実をまだ信じたくはなかった。
聖人であるなら清らかであってほしかった。
だが、クリフのいつにもまして真剣な表情を見て、信じざるをえなかった。
2人は、男どもの熱烈な誘いから逃げるようにして、小走りに霊廟へと急ぐ。
霊廟の中へ入って行くと、テルサンの像がしゃべり出す。
「神よ、汚らわしき私をお許し下さい、神よ、汚らわしき私をお許し下さい、神よ、汚らわしき私をお許し下さい……。」
繰り返し、同じ言葉を語り始める。
「汚らわしき……」…ん?そういえば、テルサンの像は、その言葉を繰り返している。
「汚らわしき」とは、一体どのような心境なのだろうか?
ロックは、テルサン像の言葉を聞きつつ、あれこれ考えをめぐらせている。
クリフは同じ言葉を繰り返すその像なんかはそっちのけで、テルサンのミイラが埋められている場所へと目を向ける。
そこからは、ただならぬ性への強い執着の念が、湧き出し続けていた。
せっ……聖人が何で、性への執着なんてっ……!!?
聖人は、絶対に清いはずなのにっ!ロックには、不思議でならなかった。
その性への黒い執着の念は、まるで井戸から水がこんこんとわき出るかのように、テルサンの眠る場所から、湧き出し続けている。
クリフは、その強い執着の念が出ている場所へ向け、言い放つ。
「おい!この王都のヤローどもを狂わせてんのは、テルサン、てめぇーだなっ!?」
クリフが、テルサンの眠る場所を、怒鳴りつける。
すると、次の瞬間、いきなりテルサンのミイラが埋められているその場所から、ピンク色の煙が、立ち昇った。
それが、徐々に人の姿を形成してゆく。
「おおうっ!!」
クリフは、思わず顔を真っ赤にして、鼻血を出す。
若い男であるクリフは、それに見とれずにはいられないのだった。
ピンク色の煙は徐々に人の形となり、最後には、裸のナイス・バディーの美しい女性へと変化したのだ。
その煙から形成された女性は、衣服を一切身に着けていなかった。つまり、すっぽんぽんなのだ。
美しい女性の裸体を目にし、クリフの鼻からは、滝のように鼻血がしたたり落ちてゆく。
勿論そのエロい裸の女は、テルサンの霊が見せている幻影にすぎぬものなのであるが、若いクリフには、かなり衝撃的な印象を与えたのだった。
性への強い執着から、その姿になったのだろう。ロックも1人の男として、鼻血を出しながら、テルサンの幻影を見つめている。
「霊能者クリフ!よくぞ、我の陰謀を見抜きおったものよ!そう、我はずっとずっと、セックスというものをしてみたくてたまらなかったのだ。
我は、子供の頃からシスターになる道を歩むように言われており、そうしてきた。だが、ある時、教会で男女がエッチしている姿を見たその瞬間から、セックスしたいというその衝動が強くなり、それは聖女として死ぬまで変わらず、我を苦しめ続けていたのだ。そのエロいシーンを教会で目にした時には、まだ我の名はマメリアという名前で、洗礼名を与えられていない、かなり若い時であったな。」
「だからって、街の人々を苦しめていいわけ、ねぇだろ―――――っ!!?」
クリフは、実にシリアスな表情で言った。
だが、鼻血がクリフの恰好良さを奪い、ギャグそのものの光景にしか見えない。
テルサンの霊は続けた。
「皆、勝手よのぅ。我が、都を救ったからとのことで、清らかな聖女として、我を祭り上げ、我の苦しみを知らずに、いつもいつも、自分勝手な欲望を、この我の霊廟で祈っておるものだからのぅ。
旦那のオナラを臭くなくしてほしいだとか、〇〇ちゃんと結婚したいだとか、宝くじが当たりますようにだとか、若返って綺麗になりたいだとか……。実に勝手に願い、そうして皆、好きなように生活を送っている。……我が、密かにセックスできなかった苦しみを抱え、まだその苦しみから抜けられていないというのに……!!!」
一気に言葉を綴ると、そのナイス・バディーの形をとったテルサンは、悔しそうに顔を歪め、涙を流した。
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