霊能者クリフのドタバタ放浪記―ボーイズ・ラブ国家の真実―

西河蓮華

文字の大きさ
上 下
20 / 22

その19 クリフの悲劇!

しおりを挟む
こうしてマザー・テルサンは、シワシワのばあさんシスターに乗り移り、エッチを体験する運びとなった。
 
この時にはもう既に、男どもは正気を取り戻していた。

さっきまでホモラブぶりを見せてイチャイチャしていたヤロー共は正気に返り、我が家への道を急いでいる。
 

そんな中、テルサンの乗り移ったシワシワのシスターバァさんとエッチする相手は、クリフに決定されてしまったのである。
 
これは、老女として亡くなったテルサンの、心からの切実な願いだった。

生まれつきババ運の強いクリフの事だ。そうなる事はごく自然の流れで、当然の成り行きだった。

このような事の運びを、クリフとしては面白く思わないのは当然である。

そこで彼は、テルサンに街中の若い女の子に乗り移ってほしいと、意義を申し立てた。

だが、女運の悪いクリフの事である。

若い女の子は全員、まるでキモイ物でも見るかのような表情をしながら断った。

それもそうであろう。クリフの背中には、女の人の怨念霊が999体、水子霊が1000体以上連なって憑いているのであるから。

そこで今度は中年男性とエッチすればよいのではと、クリフが提案した。とにかくクリフは、自分に迫りくる「危機」を脱したかった。

だが、やはり「クリフしかいない♡、クリフでないと成仏できないっ!」そう情熱を込め、テルサンが訴えてきたのだ。


その情熱的な彼女の訴えかけが、女たちの心を強く動かした。

数多くいる女たちは、女同士という事で感情が動き、テルサンに味方した。
 
その結果としてやはりクリフが、テルサンの魂の乗り移ったシワシワのバアさんとエッチする運びとなってしまったのである。

やはりクリフは、ババ運が最高に良いのだった。
 
若い青年クリフがこのバァさんとエッチすると決まったその途端、バァさんの頬が赤く染まった。
 
「おばあさん、あんなに頬を赤く染めて、やっぱり何歳になっても女は女なんですね。」

そうした光景を見て、微笑みながらそう言うロックに、バアさんは言った。
 
「そうさ。みんな女は、バアさんになってシワシワになっても、恋したい、綺麗になりたいって思うものじゃよ。」
 
「そこ!リアルにそういう会話してんじゃあねぇよっ!オレは、またもやババァと深くかかわらねばならなくなっちまったじゃねぇかっ!」

そう言うクリフに、ロックはちょっと大人で厳しい目つきをして言ったのだ。

「そう言ってはレディーに失礼ですよ!おばあさんという存在は、沢山の経験を経てきた尊い存在なんですから、もっと丁重に優しくしなければなりませんっ!」

「「「「「そうよそうよ、その通りよ!何歳になっても、女は女!夢見る気持ちは一緒なのよっ!」」」」」

ロックの言葉に乗せ、女たちのクリフに対する非難の声が上がる。

「……はぁ。『夢見る気持ち』ねぇ~~~……。何かズレてる感じすっけどな……。」

クリフは1人毒づいたが、皆、何も言わないのであった。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

【今宵、バー・シトラスにて】

一ノ瀬 瞬
恋愛
【今宵、バー・シトラスにて】 夜の灯りが灯り 街が宝石のように彩られる時間 その店は開店する 今日もまた1人……

М女と三人の少年

浅野浩二
恋愛
SМ的恋愛小説。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

処理中です...