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第2章 ダンジョン編
第15-1話
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ダンジョンの奥へ進むにつれ、敵の強さは増していった。
強敵に出くわすたびに、今度は反対にベルティアが戦った。
ベルティアは、両手から金色の光を出現させる。その光を魔物共に当て、消滅させていった。
彼女の動きに隙はない。戦い慣れしたかなりの格闘術の使い手よりも、さらに上のレベルをいっている。
小さな可愛らしい金髪の女の子。
よくもまあ、こんな小さくてか弱い手で、魔物を投げ倒したり、瞬時に移動して、倒したりできるものだな。
ゲオンは、そのことが、不思議でならなかった。
ゲオンは男だ。可愛い女の子の前では、いい所を見せたい!ゲオンも頑張るのだった。
だが、戦いのセンスは、ベルティアにはかなわない。
ゲオンは、いつの間にか、格闘術の見事なベルティアに守ってもらう形となり、密かに自分を恥じていた。
激戦のさ中、ベルティアの頭の中には、先ほどの亡霊の消えた場所へ花束を置くゲオンの姿が、何度も何度も出てくるのだった。
ゲオンは優しい。とてつもなく優しい男だ。
ベルティアは、戦いながら、ゲオンの様子を気にせずにはいられなくなっていた。
そして、いつの間にか、ベルティアの心には「ゲオンが死んでほしくない!」との、しっかりとした強い想いが生まれていた。
そんな想いが浮き出てくるたびに、
「まさか、ね。あんな男に私が惚れたはず、ないわよね。」
ベルティアは、その想いを打ち消していくのだった。
ベルティアが戦っているのは、どれも、レベルの高い強敵ばかりだった。
ある時、剣を持った顔無し鎧の魔物が5体、一気に襲ってきた。
ゲオンもベルティアと共に戦った。
ゲオンは、鎧の境目の細い場所を狙う。
ゲオンの大きな体が、大きさのわりに素早く動く。
ゲオンは優に相手の間合いへ入ると、剣をその胸元の鎧の境目へと突き刺し、剣を抜き放つ。
だが、敵は痛がりもせず、血を流すこともなく、崩れ落ちるでもなく、ゲオンへ向かって突進してくる。
剣を突き刺しても、何の感触も得られぬ真実を感じ取ると、ゲオンの体に冷たい汗が噴き出てくる。
その頃、ベルティアは、残った4体の鎧魔物と対峙していた。
ベルティアの強烈な強さに惹かれてきたのだろう、4体。
どうすべきか。彼女は、一瞬で結論を出してゆく。
「ライト・モルス!」
詠唱した瞬間、ベルティアの両手が先ほどよりも、かなり強烈な金色に輝き、その光が一瞬で肥大化し、4体の魔物たちの体を包み込んでいった。
光は広がってゆき、辺りが金色に飲み込まれてゆく。
しばらくして、光が消えうせたその瞬間にはもう、4体の魔物の姿はどこにも見られなかった。
しかも、ゲオンと対峙していた1体の首なし鎧の姿も光に包まれ、消え去った。
強敵に出くわすたびに、今度は反対にベルティアが戦った。
ベルティアは、両手から金色の光を出現させる。その光を魔物共に当て、消滅させていった。
彼女の動きに隙はない。戦い慣れしたかなりの格闘術の使い手よりも、さらに上のレベルをいっている。
小さな可愛らしい金髪の女の子。
よくもまあ、こんな小さくてか弱い手で、魔物を投げ倒したり、瞬時に移動して、倒したりできるものだな。
ゲオンは、そのことが、不思議でならなかった。
ゲオンは男だ。可愛い女の子の前では、いい所を見せたい!ゲオンも頑張るのだった。
だが、戦いのセンスは、ベルティアにはかなわない。
ゲオンは、いつの間にか、格闘術の見事なベルティアに守ってもらう形となり、密かに自分を恥じていた。
激戦のさ中、ベルティアの頭の中には、先ほどの亡霊の消えた場所へ花束を置くゲオンの姿が、何度も何度も出てくるのだった。
ゲオンは優しい。とてつもなく優しい男だ。
ベルティアは、戦いながら、ゲオンの様子を気にせずにはいられなくなっていた。
そして、いつの間にか、ベルティアの心には「ゲオンが死んでほしくない!」との、しっかりとした強い想いが生まれていた。
そんな想いが浮き出てくるたびに、
「まさか、ね。あんな男に私が惚れたはず、ないわよね。」
ベルティアは、その想いを打ち消していくのだった。
ベルティアが戦っているのは、どれも、レベルの高い強敵ばかりだった。
ある時、剣を持った顔無し鎧の魔物が5体、一気に襲ってきた。
ゲオンもベルティアと共に戦った。
ゲオンは、鎧の境目の細い場所を狙う。
ゲオンの大きな体が、大きさのわりに素早く動く。
ゲオンは優に相手の間合いへ入ると、剣をその胸元の鎧の境目へと突き刺し、剣を抜き放つ。
だが、敵は痛がりもせず、血を流すこともなく、崩れ落ちるでもなく、ゲオンへ向かって突進してくる。
剣を突き刺しても、何の感触も得られぬ真実を感じ取ると、ゲオンの体に冷たい汗が噴き出てくる。
その頃、ベルティアは、残った4体の鎧魔物と対峙していた。
ベルティアの強烈な強さに惹かれてきたのだろう、4体。
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「ライト・モルス!」
詠唱した瞬間、ベルティアの両手が先ほどよりも、かなり強烈な金色に輝き、その光が一瞬で肥大化し、4体の魔物たちの体を包み込んでいった。
光は広がってゆき、辺りが金色に飲み込まれてゆく。
しばらくして、光が消えうせたその瞬間にはもう、4体の魔物の姿はどこにも見られなかった。
しかも、ゲオンと対峙していた1体の首なし鎧の姿も光に包まれ、消え去った。
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