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第2章 ダンジョン編
第7話
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ベルティアは、か弱そうな美少女にしか見えないが、とてつもなく強い。
そのため、ミリアは別に、ベルティアがダンジョンへ向かうことを反対しなかった。
ベルティアは1人、ダンジョンへと朝霧の中、向かって歩いていった。
武器も持たず、防具も身に着けぬままに彼女は、教わったダンジョンへと1人向かう。
恐ろしい魔物が巣食うダンジョンへと、どう見ても12歳かそこらの少女が1人で向かう姿は、実に異様なものだった。
「今度こそ私、絶対に、幸せになるのよっ!」
ダンジョンへと向かう道すがら、ベルティアは、決意を込め、虚空へ向かって叫んだ。
だが、生理的現象はいつでも起こるものである。
「あっ!何だかトイレ行きたくなってきちゃった!」
いきなり催した尿意に、ベルティアは、膝を震わせ、草陰へ急ぐ。
「……えええええぇーーーーー!!!?」
ベルティアは、奇異な叫び声をあげた。先ほどから腹痛があると思っていたら、……下着に、血がついていた。
「これって、……つまりその……。生理ってこと!!?」
思考が止まってしまった。
「あんた、女の子なんだから、体の事ぐらい、知っておきなよ!」
ミリアは、半ば心配そうにベルティアの顔を見た。
「だって、こんなの初めてなんですもの……。」
ベルティアは下を向き、小鳥が囀るように呟いた。
えっ?「子供じゃない」って言っていたのに、生理が初めてなんて、どういうことなの?
ミリアは、心に沢山の疑問符を浮かべた。
ベルティアが、真剣な眼差しで、ミリアを見つめる。
「あの……生理があるってことは、子供が生める体ってことなのよね?」
「えっ?何言ってるんだい?当たり前だろう?あんたは女なんだから。」
妙な事を言うベルティアを、不思議そうな眼差しで見ながら、ミリアが言う。
その言葉に、ベルティアは、しばし何かを深く、考えているのだった。
「そっか…。自分、子供が産める体ってことなんだ?」
また、ベルティアが妙なことを呟く。
その妙な呟きに、ミリアの顔が、エイリアンでも目にしたかのような表情となる。
ミリアに気付いたベルティアは、わざとらしく、大きく咳払いをした後、言葉を紡ぐ。
「そっ…そうよね。女なんだものね。当たり前よね。…仕方ない。お腹痛いんで、ダンジョンは、これ、終わったあとだね。それにしても生理痛って、結構地味に痛いものね。」
ベルティアは、下腹に手を当てた。
「仕方ないわよ。女の子なんだもの。でも、子供が産めるってことは、素晴らしいことなのよ。男にはできないことだからね。」
ミリアが、人懐っこい笑みをベルティアへ向ける。
「ところでミリア。私、ずうずうしく、何日も泊まり込んでるんで、今日、出ていくわ。」
何日も図々しくミリアの所へ居続けている。
ベルティアは、申し訳ないと思いつつ、出てゆくことを、彼女へと話した。
「そう焦らなくてもいいよ。子供たちはもう、嫁に行って手が離れてて、今は旦那と2人っきりだし、ゆっくりと泊まっていっていいからね。
それに今は生理なんだから、急いで出ていかなくてもいいわよ。」
ミリアは、優しい笑顔をベルティアへ向けた。
ミリアの申し出は正直、ベルティアにはありがたかった。
下から血が出てきて、お腹が痛い。それが一週間ほど続くというのだ。
「血が出てお腹が痛む。」実はそれは、彼女にとっては初めての奇異な出来事なのだった。
なので、ミリアがそう言ってくれるのは、心の底からありがたいことだった。
そのため、ミリアは別に、ベルティアがダンジョンへ向かうことを反対しなかった。
ベルティアは1人、ダンジョンへと朝霧の中、向かって歩いていった。
武器も持たず、防具も身に着けぬままに彼女は、教わったダンジョンへと1人向かう。
恐ろしい魔物が巣食うダンジョンへと、どう見ても12歳かそこらの少女が1人で向かう姿は、実に異様なものだった。
「今度こそ私、絶対に、幸せになるのよっ!」
ダンジョンへと向かう道すがら、ベルティアは、決意を込め、虚空へ向かって叫んだ。
だが、生理的現象はいつでも起こるものである。
「あっ!何だかトイレ行きたくなってきちゃった!」
いきなり催した尿意に、ベルティアは、膝を震わせ、草陰へ急ぐ。
「……えええええぇーーーーー!!!?」
ベルティアは、奇異な叫び声をあげた。先ほどから腹痛があると思っていたら、……下着に、血がついていた。
「これって、……つまりその……。生理ってこと!!?」
思考が止まってしまった。
「あんた、女の子なんだから、体の事ぐらい、知っておきなよ!」
ミリアは、半ば心配そうにベルティアの顔を見た。
「だって、こんなの初めてなんですもの……。」
ベルティアは下を向き、小鳥が囀るように呟いた。
えっ?「子供じゃない」って言っていたのに、生理が初めてなんて、どういうことなの?
ミリアは、心に沢山の疑問符を浮かべた。
ベルティアが、真剣な眼差しで、ミリアを見つめる。
「あの……生理があるってことは、子供が生める体ってことなのよね?」
「えっ?何言ってるんだい?当たり前だろう?あんたは女なんだから。」
妙な事を言うベルティアを、不思議そうな眼差しで見ながら、ミリアが言う。
その言葉に、ベルティアは、しばし何かを深く、考えているのだった。
「そっか…。自分、子供が産める体ってことなんだ?」
また、ベルティアが妙なことを呟く。
その妙な呟きに、ミリアの顔が、エイリアンでも目にしたかのような表情となる。
ミリアに気付いたベルティアは、わざとらしく、大きく咳払いをした後、言葉を紡ぐ。
「そっ…そうよね。女なんだものね。当たり前よね。…仕方ない。お腹痛いんで、ダンジョンは、これ、終わったあとだね。それにしても生理痛って、結構地味に痛いものね。」
ベルティアは、下腹に手を当てた。
「仕方ないわよ。女の子なんだもの。でも、子供が産めるってことは、素晴らしいことなのよ。男にはできないことだからね。」
ミリアが、人懐っこい笑みをベルティアへ向ける。
「ところでミリア。私、ずうずうしく、何日も泊まり込んでるんで、今日、出ていくわ。」
何日も図々しくミリアの所へ居続けている。
ベルティアは、申し訳ないと思いつつ、出てゆくことを、彼女へと話した。
「そう焦らなくてもいいよ。子供たちはもう、嫁に行って手が離れてて、今は旦那と2人っきりだし、ゆっくりと泊まっていっていいからね。
それに今は生理なんだから、急いで出ていかなくてもいいわよ。」
ミリアは、優しい笑顔をベルティアへ向けた。
ミリアの申し出は正直、ベルティアにはありがたかった。
下から血が出てきて、お腹が痛い。それが一週間ほど続くというのだ。
「血が出てお腹が痛む。」実はそれは、彼女にとっては初めての奇異な出来事なのだった。
なので、ミリアがそう言ってくれるのは、心の底からありがたいことだった。
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