8 / 45
第2章 ダンジョン編
第6話 新しい出会い
しおりを挟む
「大丈夫!私、1人で行けます!」
ベルティアは、必死になって、断り続けていた。
断っている相手は、昨日1人でミリアの家へ訪れ、占いを依頼した若い男である。
ヴォヴゥレの街へ来たのは初めてで、彼女は、まだ宿を探していなかった。
そんな時、世話好きのミリアが、占いの店兼自宅の2階の空いた部屋に、泊めてくれていた。
この若い男とは、ミリアが占いを行っている1階の場所で出会った。
男の名は、ミリアの占いを求めて来た常連客のゲオンだ。
冒険者と思われる衣装を着たこの男に、彼女は、近くにダンジョンか遺跡が無いか、尋ねた。
ゲオンからの話によると、近くに、古より存在する、呪いのかかったダンジョンがある、という。
そして、そのダンジョン最高のお宝として、金貨1000枚分の価値のある呪いの剣があるという。
金貨1000枚♡!ベルティアは、その報酬額の高さに、心が舞い上がる。
その話を聞いたベルティアは、早速1人で、呪いの剣を求め、ダンジョンへ行こうと決めた。
ゲオンからその話を聞いたのは、昨日のことである。
それから、次の日になり、彼女は、剣を求め、ダンジョンへ向かうことにした。
生きていると、悲しい事に、メシ代などで、沢山のお金がいる。
「お金の苦」からは、誰も逃れることができない。ベルティアも、例外ではない。
ベルティアは、生活のため、ダンジョンへ行こうと思ったのだった。
だが、いざ行こうとしたら、ゲオンがここへ、来てしまった。
そして今、ゲオンがベルティアの護衛のため、ダンジョンへ共に行く、とずっと言い続けている。
断っても、彼は、頑固で譲らない。
「ゲオンさん、大丈夫です!私、強いですから。そのアイテムを取る自信があります!」
「いや!こんな小さなお嬢さん1人を、あんな恐ろしいダンジョンへ行かせることなんて、できないです!
あのダンジョンは、日々動いていて、中の状態が変わるし、それに一番奥へ行った者で、戻ってきた者は、1人もいないんだ。危険だよ。ダンジョンを熟知したゲオンがついていきます!」
ゲオンの言葉は、力に満ちている。
ゲオンは18歳の若者で、そこのダンジョンへ毎日通い、銭を稼いでいるという。そして、かなり強いともいう。
見てみると、かなりのガタイの良さから、日々鍛錬を積んでいることは間違いない。
自分は非力そうに見える小さな少女の外見だ。彼の気持ちも分かる。
だが、ベルティアにとって、実は彼は、単なる「足手まとい」でしかなかった。
ゲオンが粘る中、しばらくの間、ベルティアは、無言で考えていた。
「ベルティアさん?」
ゲオンは、不思議そうに、考えに耽るベルティアを見つめる。
少しして、ベルティアは、真っすぐにゲオンの方を向く。
マリンブルーの瞳を持つクリっとした目の可愛らしさ、顔の端正さに、ゲオンの胸が熱くなる。
ベルティアは、とびっきりの美少女なのだ。
「私、やっぱり行くことをやめようと思います。やっぱり女の子1人でダンジョンは、さすがに危険なのでね。」
ゲオンの灰色の沼の底のような目を見て、笑ってみせる。すると、その瞬間、ゲオンの顔が安堵の表情となる。
「あっ!良かった!!ほんと、1人でダンジョンへ行く、といった時には、俺、どうしようかと思っちまいましたよ。でも、考え直してくれて、良かったっす!」
ゲオンは、本心から胸をなでおろした。
ベルティアには、強烈な強さがあった。
実を言うと、彼女は圧倒的な強さから、他の者ではなしえない冒険の奥底、深淵へと踏み込む日々をずっと送り続けてきた。
そして、ダンジョンの高額アイテムなど、遺跡やダンジョンなどに隠された、普通の人が絶対に取れないようなアイテムを取り、それを売って、旅の資金などに充てていたのだ。
今回は、ゲオンに嘘を言い、先ほど彼から聞き出した情報を元に、1人で次の日の朝早く、ダンジョンへ向かう、という策略だ。
ベルティアが見た感じ、ゲオンなる青年は、かなりの強さなのだが、呪いのダンジョンの奥底までは、行きつけそうにない。
高額アイテムを狙う前に、死んでしまうだろう。それが分かっていたので、ベルティアは、わざと嘘をつき、彼を家に帰したのだった。
ベルティアは、必死になって、断り続けていた。
断っている相手は、昨日1人でミリアの家へ訪れ、占いを依頼した若い男である。
ヴォヴゥレの街へ来たのは初めてで、彼女は、まだ宿を探していなかった。
そんな時、世話好きのミリアが、占いの店兼自宅の2階の空いた部屋に、泊めてくれていた。
この若い男とは、ミリアが占いを行っている1階の場所で出会った。
男の名は、ミリアの占いを求めて来た常連客のゲオンだ。
冒険者と思われる衣装を着たこの男に、彼女は、近くにダンジョンか遺跡が無いか、尋ねた。
ゲオンからの話によると、近くに、古より存在する、呪いのかかったダンジョンがある、という。
そして、そのダンジョン最高のお宝として、金貨1000枚分の価値のある呪いの剣があるという。
金貨1000枚♡!ベルティアは、その報酬額の高さに、心が舞い上がる。
その話を聞いたベルティアは、早速1人で、呪いの剣を求め、ダンジョンへ行こうと決めた。
ゲオンからその話を聞いたのは、昨日のことである。
それから、次の日になり、彼女は、剣を求め、ダンジョンへ向かうことにした。
生きていると、悲しい事に、メシ代などで、沢山のお金がいる。
「お金の苦」からは、誰も逃れることができない。ベルティアも、例外ではない。
ベルティアは、生活のため、ダンジョンへ行こうと思ったのだった。
だが、いざ行こうとしたら、ゲオンがここへ、来てしまった。
そして今、ゲオンがベルティアの護衛のため、ダンジョンへ共に行く、とずっと言い続けている。
断っても、彼は、頑固で譲らない。
「ゲオンさん、大丈夫です!私、強いですから。そのアイテムを取る自信があります!」
「いや!こんな小さなお嬢さん1人を、あんな恐ろしいダンジョンへ行かせることなんて、できないです!
あのダンジョンは、日々動いていて、中の状態が変わるし、それに一番奥へ行った者で、戻ってきた者は、1人もいないんだ。危険だよ。ダンジョンを熟知したゲオンがついていきます!」
ゲオンの言葉は、力に満ちている。
ゲオンは18歳の若者で、そこのダンジョンへ毎日通い、銭を稼いでいるという。そして、かなり強いともいう。
見てみると、かなりのガタイの良さから、日々鍛錬を積んでいることは間違いない。
自分は非力そうに見える小さな少女の外見だ。彼の気持ちも分かる。
だが、ベルティアにとって、実は彼は、単なる「足手まとい」でしかなかった。
ゲオンが粘る中、しばらくの間、ベルティアは、無言で考えていた。
「ベルティアさん?」
ゲオンは、不思議そうに、考えに耽るベルティアを見つめる。
少しして、ベルティアは、真っすぐにゲオンの方を向く。
マリンブルーの瞳を持つクリっとした目の可愛らしさ、顔の端正さに、ゲオンの胸が熱くなる。
ベルティアは、とびっきりの美少女なのだ。
「私、やっぱり行くことをやめようと思います。やっぱり女の子1人でダンジョンは、さすがに危険なのでね。」
ゲオンの灰色の沼の底のような目を見て、笑ってみせる。すると、その瞬間、ゲオンの顔が安堵の表情となる。
「あっ!良かった!!ほんと、1人でダンジョンへ行く、といった時には、俺、どうしようかと思っちまいましたよ。でも、考え直してくれて、良かったっす!」
ゲオンは、本心から胸をなでおろした。
ベルティアには、強烈な強さがあった。
実を言うと、彼女は圧倒的な強さから、他の者ではなしえない冒険の奥底、深淵へと踏み込む日々をずっと送り続けてきた。
そして、ダンジョンの高額アイテムなど、遺跡やダンジョンなどに隠された、普通の人が絶対に取れないようなアイテムを取り、それを売って、旅の資金などに充てていたのだ。
今回は、ゲオンに嘘を言い、先ほど彼から聞き出した情報を元に、1人で次の日の朝早く、ダンジョンへ向かう、という策略だ。
ベルティアが見た感じ、ゲオンなる青年は、かなりの強さなのだが、呪いのダンジョンの奥底までは、行きつけそうにない。
高額アイテムを狙う前に、死んでしまうだろう。それが分かっていたので、ベルティアは、わざと嘘をつき、彼を家に帰したのだった。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
起きるとそこは、森の中。可愛いトラさんが涎を垂らして、こっちをチラ見!もふもふ生活開始の気配(原題.真説・森の獣
ゆうた
ファンタジー
起きると、そこは森の中。パニックになって、
周りを見渡すと暗くてなんも見えない。
特殊能力も付与されず、原生林でどうするの。
誰か助けて。
遠くから、獣の遠吠えが聞こえてくる。
これって、やばいんじゃない。
スウィートカース(Ⅱ):魔法少女・伊捨星歌の絶望飛翔
湯上 日澄(ゆがみ ひずみ)
ファンタジー
異世界の邪悪な存在〝星々のもの〟に憑依され、伊捨星歌は〝魔法少女〟と化した。
自分を拉致した闇の組織を脱出し、日常を取り戻そうとするホシカ。
そこに最強の追跡者〝角度の猟犬〟の死神の鎌が迫る。
絶望の向こうに一欠片の光を求めるハードボイルド・ファンタジー。
「マネしちゃダメだよ。あたしのぜんぶ、マネしちゃダメ」
転生して捨てられたけど日々是好日だね。【二章・完】
ぼん@ぼおやっじ
ファンタジー
おなじみ異世界に転生した主人公の物語。
転生はデフォです。
でもなぜか神様に見込まれて魔法とか魔力とか失ってしまったリウ君の物語。
リウ君は幼児ですが魔力がないので馬鹿にされます。でも周りの大人たちにもいい人はいて、愛されて成長していきます。
しかしリウ君の暮らす村の近くには『タタリ』という恐ろしいものを封じた祠があたのです。
この話は第一部ということでそこまでは完結しています。
第一部ではリウ君は自力で成長し、戦う力を得ます。
そして…
リウ君のかっこいい活躍を見てください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる