みやこ落ち

皇海翔

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 葉群を透かしてわずかに届く、外灯の白い光がチハルの白い頬を薄緑色に染めている。
 町中の歩道を行く時から、なんとなく人目に晒されるのをいやがるようにして歩いてきた二人に、崖上に立った一脚置かれたベンチは腰を下ろすのにすこしのためらいも、不自然な感じも起こさせなかった。チハルの横顔を見ていると、上京してから短時日のうちにずいぶん引き締まったようにぼくは感じた。
 チハルはぼくの知らないところでじつに活発に動き回っていた。日々通学している専門学校の音楽仲間たち、寮生活しているマンションの住人たち、バイト先での常連客たちとの間柄、そしてそれらの間を泳ぐようにして寄り添っているぼくとの時間。つねに屈託のない笑顔を振りまきながら、ゆうに四つの新世界を行き来している。そんな同世代の彼女を前にして、ぼくはいつも底が見透かされてしまうような不安を覚えた。
 チハルは、東京のいろんな所に連れていってほしいとぼくにせがんだ。けれどもこれまで高校と自宅を往復してきただけの自分は、地元である文京区以外へはほとんど出掛けたことがない。渋谷、新宿、池袋といった大都市へ映画を見に行くことはあっても目的地を逸れてしまうと方角もなにも判らなくなる。第一、他郷から出てきた人に東京のここを見せたい、といったスポットがぼくには何一つ思い浮かばなかった。
「東京の人って、意外とそうなのよね」
 チハルは先日、寮の友達と原宿へ買い物に行った帰り、大手町で乗り換えるとき一時間近くも構内をさまよい歩いた、友達は東京の娘なので安心して付いていったらひどい目にあった。その時初めて東京の人でも道に迷うんだと知った、そう言って笑った。
「あたりまえだよ」
「だって、駅とか歩く人みてるとみんなまっすぐ前だけを見て一直線に歩いてくじゃない。あれって凄くない?」
「大半の人が通勤で使ってるんだから、迷うはずがないよ」
 チハルが前に住んでいた前橋市では、ブラウスを買うなら○○町のブティック、靴を買うならデパートの何階、ショートケ-キを食べるなら○○商店街の何軒目というように、行きつけにしていた前橋の地理がありありと思い浮かぶ、
「あなたにも……」そんな場所があったなら連れてって欲しいと思った、そう素直にぼくに語った。
(べつに頭に地理を思い浮かべなくっても――)
   JRか地下鉄でよかったら手帳の最後に載っている――ぼくはそうわびしく考える。それよりも彼女との会話を重ねるにつれ、虚飾が一枚一枚はがされていく畏れと共に、アスファルトの覆いが取り去られた土の香りにほだされて、ぼくはそのときいつになく饒舌になっていた。
「ぼくは……きっと一人でいるのが好きな性格なんだ。
 学校には運動好きな明るい奴が多かったけどね。ただそれがどこか熱の醒めた、シラッちゃけた明るさなんだ。休み時間が終わって教室に戻ると、さっきまで腹の底から笑ってた連中か゛学力ででもって武装してる。一年後には別々の人生を歩むことが分かっているから、必要以上に深入りしないんだ。みんなが見据えているのはよりハイレベルな大学だから、偏差値を上げようと誰もが必死になってる。三年になると、その熾烈さがますます際立っていたな。狙う学校が絞り込まれて誰も他人をかまっている暇なんかなくて……生活のすべてが針先のように研ぎ澄まされた目的の一点に向けて収斂していく。それはまあ、いいさ。競技者として美しい姿勢には違いないから。けれどさ、自分が競技者であることを望んでいない連中にとってはどうなんだろう。誰が誰より何番成績が上がった、そんな会話にみちた日常は、それこそ針のむしろじゃないか……。 
 ぼくたちは、小さい頃からそのピンポイントの一点に向けて差し向けられていたんだ。生きる、目的をね。成績優秀なきわどい細道を除いては脱落者のまま谷底でも這って行くより仕方がない、そんな勝者の雰囲気を作り上げて……。
 きみの故郷の話を聞いててさ、ぼくは雄大な山並みに囲まれた、親和力のある地方都市を思い浮かべたよ。たとえば北海道の人口が今はどれくらいか知らないけれど、一キロ四方に一万人が住む土地柄だったら、生活上の必要から、あるいは人情から自然と寄りそうんじゃないのかなあ。ここに同じ面積に百万人が息を殺して暮らすとするだろう?。そうすると、自分が排除されないため、あらゆる手段を使ってわが身を守る。他人を蹴落とすことになるんじゃないか。ぼくが本当に親しくした友達は、小学生の頃にはたくさんいたよ。中学にも何人か、いた。進学するにつれてそうした友達とは付き合いが無くなっていったんだ。いや違う、ぼくの方が彼らに見捨てられたんだ。 
 あの予備校の、殺気立った教室を思い出すとぞっとするよ。高校の教師にも嫌われていたし、親ともしっくりいってないし、正直今の人間関係にうんざりしてるんだ。深夜、隣の家から話し声がすると、それが何だか耳奥の部屋でひそひそ話してるように聞こえるんだ。そのたびにギクッとしたり。そんな調子だから、たださえ人間が疎ましいのに、この街より込み入った繫華街なんかへとても行ってみたいとは思わないな。
 ビルの谷間を歩いていると、そこで働く人と自分とがあまりに無関係なんで、廃墟を行くような心地がするよ」
「あたし……」
 言ってもいいかな、といった感じにチハルが首をかしげて覗き込んだ。無邪気な笑みをえみを目もとに浮かべて。
「それって小宮山君、なんだか一人で世界を暗くしてる。ぜんぶ周りの人のせいにしてる。周りがシラけてたってなんだって、じゃあ、あなたが元気にしてあげればいいじゃない。目標が小さくたって細くたって、それを越したらひろーい世界が待ってるんだわ。今がつらい時期だから、まわりがきっとそう見えちゃうの」
「見えちゃうものが間違ってるというのかい」
「だって。気の持ちようひとつじゃない」
 チハルとは言い争いをしたくなかった。けれども自分の気持ちを真率に語ることを、ぼくはどうしても抑えることができなかった。
「ぼくは――なんだかここにいるのが間違ってるような気がするんだ」
「えっ」
 小さな悲鳴を聞いたとき、チハルを傷つけるような言葉を吐いてしまったことにぼく自身が驚いていていた。
「きみとここにいることが、じゃない。予備校にいることが。家にいることが。このベンチよりほか、ぼくには居場所が見つからないんだ。気の迷いなんかじゃないと思うよ。だって現実に、ここのベンチを取り囲んでいるのは茫洋累々たる都会のビル群じゃないか」
「ねえ、あたし……群馬から出てきて、上野駅で降りて、一番最初に行った場所、どこだとおもう?」
「さあ?」
「サンシャイン60。
 もう夕方になっていたから、本当はまっ先に寮に入ってすぐお母さんに連絡入れる約束だったんだけど、どうしても行ってみたくって。ねーいくら東京でもさあ、ビルのてっぺん上がるのにお金取るのってあり?。でもさ、最上階の展望フロアにでてみたら、あたし『アーッ』って叫んじゃったの。周りの人がびっくりして振り向いていたから、そのくらい大きな声出したのよ、きっと。電車に乗ってたときから不思議に思ってたことがそのとき一目でわかっちゃった。街が、なくならないの。どこまでもずーっと街が続いているの。足元からいろんな道路が四方八方にのびていて、ああ、あたしいま東京っていう首都圏の心臓部にいるんだって思うと、なんだか胸までドキドキしてきて……。
 東京って、いちど戦災で焼け野原になったんでしょう?。人間って、すごいって思ったの。これだけの街を造った人達って、すごい。その気になれば人間ってなんだってできる、そう心から実感できて、見ていると勇気が湧いてくるの。
 もう陽が沈みかけていたから、遠いところは霞んでしまって赤城山は見えなかった。それでかえって、都会の町が果ての果てまで拡がってるように感じたのかしら……北の空を見ていると、卒業式の日に別れた仲のよかった娘の顔とか体育祭のこととか、いやでたまらなかった先生の顔まで想い出しちゃって……。
 そのときあたし、思うことが沢山ありすぎて気が抜けたみたいになっていたから、せっかくの空の茜色がどんどんくすんでいってしまうの。ああ――すべてが灰色にくすんてでしまう。そう思って諦めていたら、今度は反対側の地表から、赤や黄色や白い光がぽつぽつチラチラ音もなく輝きただすんじゃない。おっきな道路なんか光の渦よ。
 ビルの一つひとつの窓の中でまだたくさんの人が仕事してた。東京の人ってよく働くのねえ。あたしその時はもう感傷も吹き飛んじゃって、びっくりして見入ってたわ。気持ちか゛引いちゃったっていうか……これだけ一生懸命に生きている人たちのいる大都会で、あたしなんかがやっていけるのかしらって、本気で不安になってきたの。みんな怖いくらい、きっと勉強して働いてるんだわ。その人たちのエネルギーが、なんだか熱気をはらんだまま夜空にこもって、ビルの上空に渦巻いているの。それなのに――街は壮絶なほど、きれい。そしてあたしの気持ちは澄んでいて、透明なのに不思議ね。眼のふちから涙が出るの」
「どうして」
「気持ちの整理がつかなくって、その時は自分でも分からなかった。涙腺がどうかしちゃったかとおもったわよ」
「今は?」
「たぶん……なんだか悔しいって思ってた。こんなすごい大都会の夜景を、人間の活力が集中しているさまを十九年も知らないでいたんだもの。高校生活はそれは楽しかったけど、ほんとうに狭いところで一喜一憂してたんだなあって……友達のこととか思うと認めたくはないんだけれど、あそこからの夜景見ちゃうとねえ……。あたし、今まで何してたんだろうって感じ?。小さい頃なんて、群馬の夜空見上げてさあ、お星さまきれい、なんて言ってたんだから。それが情けないやら悔しいやらで」
「都会の夜景より星空の方がずっと素敵だと思うけどな……それで泣けてきたのかい」
「あと半分は嬉しい方よ。ああ、この夜景に出会えてよかったっていう……あたしここからスタートするんだっていう」

 ぼくたちは、あまりにも無防備に心の扉を開け放ったまま恬淡としていた。チハルは東京に人工美を、さらにはそこに暮らす人々の情熱と活力を身体で体感したのだろう。恩愛や善意をくみ取ることができるのだろう。そして都会人としてのぼくにさぞかし失望したに違いない。
 ある日を境に、ぼくは自分の心の鍵を忍ばせて彼女との間を行き来しなければならなくなった。僕の内へ入ったチハルはそれより先へ進むことができず、当惑した面持ちで厭世臭い扉の前に佇んでいた。謝絶の憂き目に遭うたびに、やがてチハルの態度も少しずつ硬化していった。彼女は彼女でぼくには語られぬ第二の部屋を持つようになった。各々の本音を閉じてでなければ相手を迎え入れなくなってから、ほんとうなら互いの性格にそぐわない、心の鍵を持つことの煩わしさから二人は自然に離れていった。
 それはチハルにしろぼくにしろ感性の祝典のような一年だった。
 まずは現状に不満を抱いている我々の感性というものが、いま自分に不足しているものを求め異境を夢見るものだということ。
 つまり翌年の春、チハルは見事に音大に合格してみせ、一方でぼくはすべてのことから落伍して、東京の家を出ることになった。

   根津神社裏門坂を彩っていたハクモクレンの花が落ち尽し、谷中界隈の桜もとうに見ごろを過ぎていた。
 昨晩は夜遅くまで雷鳴がとどろき、トタン屋根にうねりのような細かな雨が吹きつけていた。朝になると、枝先にかろうじてしがみついていた町中の桜花はアスファルトに冷たく張りついていた。花冷えする外界はしんと静まり返り、庭木を揺するほどの風もないのに上空を濁った煙のようなちぎれ雲がめざましい勢いで流されていく。
「どうも、遅くなってすまなかったね」
 父方の縁戚にあたる守谷さんは、約束していた引っ越しの期日がひと月近くもずれ込んだことを頻りに気にして苦笑していた。荷物は高さ一メートルほどもある馬鹿でかいスピーカの付いたステレオセットの他、布団一組とダンボールが三箱あるきりだった。二人でアンプ本体を積んでしまうと、十分もしないうちに積み込みは終わってしまった。
「どうも、まだぽつぽつと降ってくるね」守谷さんは上空を見上げてそう言うと、「一応シートを掛けていこうか」相づちを求めるようにぼくの顔を見た。
「どっちだっていいですよ」
「うん、でも……」
「濡れたら濡れたで、構わないです」
 投げやりな口調で僕が言うと、それまで茨木の人らしく快活にふるまっていた守谷さんにいくらか強張ったような翳が奔り、黙って運転席の下からシートを引っぱり出した。「ステレオだけにでも……高価なものだからね」
 二人を乗せた軽トラックは本郷通りをひたすら南下してしていった。
「ほんとうなら池袋に出て、目白通りをいったほうが近いんだろうけど……」
 ぼくはただ、守谷さんが今住んでいるアパートが、他に住人が入っておらず気兼ねなく空き部屋が使えるということと、場所は東京の西郊らしいと父づてに聞いていただけで、地理にも疎いので分別もなく車に揺られているより仕方がなかった。実際この先どこへ運ばれていこうがどうでも構わぬといった、やや自暴自棄の心持で助手席に蹲っていた。
 この春までぼくが通学していた御茶ノ水の橋に車がさし掛かったとき、
「これで見納めになるかもしれないから……」
 そうつぶやいた守谷さんの真意が、そのときはじめて殴られたように理解された。こみあげてくる屈辱に、ぼくは身震いするのを抑え込んだ。茨木にいる父方の叔父兄弟は誰も腹にこだわりのない磊落な人ばかりだった。その昔からの気性を知っているだけに、こうした手の込んだ温情らしいやり口がよけい腹立たしく思えるのだった。
 スクランブル交差点に停車する。
 駅のコンクリートの庇から次々と傘の花が開いては学生たちが吐き出されてくる。雨のなか群衆の顔は一様に光を失い沈んで見えたが、ぼくにはそれが大学生か浪人生かが一目で分かった。ワイハ゜ーが、しゃっと雨滴を払い落とした後の透明なガラスに映っているのは、すっかりキャンパスライフに馴染んだらしい茶髪の垢ぬけた女子大生だ。フロントガラスにぽつぽつと雨粒がたまり、彼女の隣にいくぶん年かさにみえる黒髪の女学生が脇に立った。ワイハ゜ーの往復した後によく見ると、肩から重そうなトートバッグを提げており、彼女はおそらく浪人生で駿河台下へ折れるかおれないかで分かってしまう。
 信号が青になった。雨の学生街を眺めながら、けれどもここにいるすべての学生たちよりも結局、自分は頭脳競争で劣っていたのだ――その現実が、破顔し、談笑しているグループを眼にするにつけ否応なく思い知らされた。こみ上げる敗北感をどうすることもできなかった。勉強なぞもうやめた、そう自ら裁断して家を出ながら、奥処ではまだ諦めきれていない、中途半端に堕ちきっていないこの魂の薄汚さが、身につまされて理解されるのだ。そうしてやはり、これは守谷さんの厚意なのだ、厚意なのだと狭苦しい助手席でぼくは頑なに自嘲していた。守谷さんは、うつむいたまま咽んでいるぼくに気づくと、
「やっぱり……そうただよな」
 男なら、負けて悔しいのは当たり前だと頷きながら、ゆるやかに駿河台下でハンドルを切った。
 車は靖国通りから都心を抜けて、一路ためらうことなく青梅街道を西進していった。











































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