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41話
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「宣戦布告、だと? 何の権限があってそんなたわ言をいっている。王太子ごときが国家間の大事を決められると思っているのか!」
「決められるとも。今の私はメジェンヌ国の全権大使、メジェンヌ国王より戦争の許可ももらってある」
確かの戦争をしても構わないって言われてるけど、何も本当に戦争する事ないじゃない!
なんとかセルジュに落ち着いてもらって、ヴァリビネ国の国王にも落ち着いてもらわないと。
「落ち着いてくださいセルジャック王太子、ヴァリビネ国王。我々がここに来たのは、あなた方が使っている薬、ツバルアンナの薬を全て破棄してもらうためです。製造方法も含めて、ね」
そ、そうそう! やっぱりアルバート神官長は冷静だ!
「そ、その様な薬は知らん!」
頑なに否定するヴァリビネ国王。でも証言は取れてるし、これ以上隠しても意味が無いんだけどな。
どうやったら薬を破棄してくれるんだろう。
「しらを切るのであれば、国中を蹂躙して探すしかありませんね」
ロ、ロナウド副団長!? 騎士たる者はもっと落ち着いてください!
でも、このまま喋ってくれなかったらどうしよう……最終手段?
「蹂躙だと……お前たちは我が国を侵略しようというのか! そんな事は許されんぞ!」
「だったら破棄してくれ。ツバルアンナの薬を」
「その様な薬は知らぬと言っている!」
「はぁ、まだ気が付かないのか? 侯爵とマーテリーの口からどうやって聞き出したかを」
「拷問でもしたのであろう。他国を侵略しようとする国だ、貴族を拷問するぐらい平気であろうな!」
う~ん、この国王様、薬がありますって言ってるような物なんだけど、興奮状態だから気が付いてないみたい。
侯爵とマーテリーから聞き出した方法、聖女の支配の力だけど、それを使えば簡単に、ついでに無効化できるんだけど、出来れば人非道な薬であることを認めて、しっかりと罪を償ってほしいんだけどな。
「聖女の力には色々あってな、聞かれたことを素直にペラペラ喋ってくれるモノがあるのさ」
「そ、その様な非道な力! 聖女がその様な力を持っているはずがない! お前たちも薬を使って洗脳しているのだな!」
えー……どの口が言いますか。
非道な力なのは認めるけど、それを使いたく無いから必死に説得してるのに。
「聖女の力は各国にも伝わっているはずだ。その力の内の一つさ。さあ、どうする?」
顔を痙攣させながら黙り込んだ。このまま素直に認めてくれると良いんだけど。
「わ、分かった。薬はここにある、手を出してくれ」
ほ、ついに観念してくれた。よかった、戦争なんてしたく無いもんね。
懐に手を入れて、薬を出そうとしている。
セルジュはソレを受け取るため手を差し出す。
懐から手を出したヴァリビネ国王、その手には薬……ううん、ナイフが握られていた。
「貴様の様な小童に、ワシの野望を邪魔させてたまるかーーーー!!!!」
ヴァリビネ国王はセルジュの手を引っ張り、態勢を崩したセルジュの胸にナイフを突き立てた。
服に血がにじみ出し、ナイフを伝って血がしたたり落ちる。
え? なに、何が起こったの? セルジュ? どうして血が流れているの? セルジュ……。
「セルジュー!」
私の体から目を潰すほど明るい七色の光が発せられ、力が暴走を始めた。
「決められるとも。今の私はメジェンヌ国の全権大使、メジェンヌ国王より戦争の許可ももらってある」
確かの戦争をしても構わないって言われてるけど、何も本当に戦争する事ないじゃない!
なんとかセルジュに落ち着いてもらって、ヴァリビネ国の国王にも落ち着いてもらわないと。
「落ち着いてくださいセルジャック王太子、ヴァリビネ国王。我々がここに来たのは、あなた方が使っている薬、ツバルアンナの薬を全て破棄してもらうためです。製造方法も含めて、ね」
そ、そうそう! やっぱりアルバート神官長は冷静だ!
「そ、その様な薬は知らん!」
頑なに否定するヴァリビネ国王。でも証言は取れてるし、これ以上隠しても意味が無いんだけどな。
どうやったら薬を破棄してくれるんだろう。
「しらを切るのであれば、国中を蹂躙して探すしかありませんね」
ロ、ロナウド副団長!? 騎士たる者はもっと落ち着いてください!
でも、このまま喋ってくれなかったらどうしよう……最終手段?
「蹂躙だと……お前たちは我が国を侵略しようというのか! そんな事は許されんぞ!」
「だったら破棄してくれ。ツバルアンナの薬を」
「その様な薬は知らぬと言っている!」
「はぁ、まだ気が付かないのか? 侯爵とマーテリーの口からどうやって聞き出したかを」
「拷問でもしたのであろう。他国を侵略しようとする国だ、貴族を拷問するぐらい平気であろうな!」
う~ん、この国王様、薬がありますって言ってるような物なんだけど、興奮状態だから気が付いてないみたい。
侯爵とマーテリーから聞き出した方法、聖女の支配の力だけど、それを使えば簡単に、ついでに無効化できるんだけど、出来れば人非道な薬であることを認めて、しっかりと罪を償ってほしいんだけどな。
「聖女の力には色々あってな、聞かれたことを素直にペラペラ喋ってくれるモノがあるのさ」
「そ、その様な非道な力! 聖女がその様な力を持っているはずがない! お前たちも薬を使って洗脳しているのだな!」
えー……どの口が言いますか。
非道な力なのは認めるけど、それを使いたく無いから必死に説得してるのに。
「聖女の力は各国にも伝わっているはずだ。その力の内の一つさ。さあ、どうする?」
顔を痙攣させながら黙り込んだ。このまま素直に認めてくれると良いんだけど。
「わ、分かった。薬はここにある、手を出してくれ」
ほ、ついに観念してくれた。よかった、戦争なんてしたく無いもんね。
懐に手を入れて、薬を出そうとしている。
セルジュはソレを受け取るため手を差し出す。
懐から手を出したヴァリビネ国王、その手には薬……ううん、ナイフが握られていた。
「貴様の様な小童に、ワシの野望を邪魔させてたまるかーーーー!!!!」
ヴァリビネ国王はセルジュの手を引っ張り、態勢を崩したセルジュの胸にナイフを突き立てた。
服に血がにじみ出し、ナイフを伝って血がしたたり落ちる。
え? なに、何が起こったの? セルジュ? どうして血が流れているの? セルジュ……。
「セルジュー!」
私の体から目を潰すほど明るい七色の光が発せられ、力が暴走を始めた。
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