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「ヴァルプールが戦争って、いったい何があったんですか!?」
「別に普通だろう。ヴァルプールは小国であり、以前ならば緩衝地帯としての価値があったが、聖女の加護を受けられない今、その役割が無くなってしまった。加護のない小国では、加護を受けた国に手も足も出ないからな」
加護の有る無しでそんな事が起こるなんて……。
でもそれだと、まるで私がヴァルプールを滅ぼしたみたいになっちゃうけど。
王族や貴族はまだしも、市民が戦争に巻き込まれるのは……いや。
「ポーションを作らなくても、戦争は無くなりませんよね?」
「当たり前だ。お前が作らなくても、すでに他の国では大量生産しているはずだ」
「じゃあ、加護が無くなれば?」
「……それはやってはいけない事だ。1度与えた加護を無くすことは、お前の、ひいては国の信頼を失う事になる」
そ、そっか。国に迷惑をかける訳にはいかない。
でも……なんとか戦争を避けられないかな。
「聖女様、自分を捨てた国を、救いたいとお考えですか?」
アルバート神官長が真剣な目で見つめてくる。
私の行動は矛盾しているからだろうか。
ヴァルプールとの関係を無くしたいと言いながら、ヴァルプールを救いたいと思ってる。
「救い……たいです」
「聖女様を、アトリア様を捨てた国でも?」
「はい。少なくとも、国民を戦火に巻き込ませたくはありません」
「分かりました。失礼ながら、本日はこれにて失礼させていただきます。レオン長官、今日も奥様がお迎えにいらっしゃいますよね? 一緒に聖女様を神殿に送って差し上げてください」
「ん? 私は研究が……」
「お願いします」
「分かった」
「それでは失礼いたします」
そういってアルバート神官長は部屋を出て行った。
どうしたんだろう。怒ってる……わけじゃないよね? 私のわがままを、聞いてくれるのかな。
でもどうやって?
「あいつが俺に頼みをするなんてな。珍しくやる気がある様だ」
「え? アルバート神官長はいつも真面目な人ですよ?」
「あいつは与えられた仕事は忠実にこなす。だが自ら行動する事は滅多にない」
「そうなんですか? なんだか意外です」
「ま、そんなあいつの頼みだ、妻が迎えに来たら神殿まで送ろう」
「はい、ありがとうございます」
……レオン長官って結婚してるんだ。
しばらく研究所を見学していると、奥さんが迎えに来た。
スゴイ美人だった……。
化学技術庁に行ってから数日後、アルバート神官長が部屋に入ってきた。
「聖女様、この書類をご確認ください」
渡された書類は、ヴァルプールへの派兵計画書だった。
「別に普通だろう。ヴァルプールは小国であり、以前ならば緩衝地帯としての価値があったが、聖女の加護を受けられない今、その役割が無くなってしまった。加護のない小国では、加護を受けた国に手も足も出ないからな」
加護の有る無しでそんな事が起こるなんて……。
でもそれだと、まるで私がヴァルプールを滅ぼしたみたいになっちゃうけど。
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「当たり前だ。お前が作らなくても、すでに他の国では大量生産しているはずだ」
「じゃあ、加護が無くなれば?」
「……それはやってはいけない事だ。1度与えた加護を無くすことは、お前の、ひいては国の信頼を失う事になる」
そ、そっか。国に迷惑をかける訳にはいかない。
でも……なんとか戦争を避けられないかな。
「聖女様、自分を捨てた国を、救いたいとお考えですか?」
アルバート神官長が真剣な目で見つめてくる。
私の行動は矛盾しているからだろうか。
ヴァルプールとの関係を無くしたいと言いながら、ヴァルプールを救いたいと思ってる。
「救い……たいです」
「聖女様を、アトリア様を捨てた国でも?」
「はい。少なくとも、国民を戦火に巻き込ませたくはありません」
「分かりました。失礼ながら、本日はこれにて失礼させていただきます。レオン長官、今日も奥様がお迎えにいらっしゃいますよね? 一緒に聖女様を神殿に送って差し上げてください」
「ん? 私は研究が……」
「お願いします」
「分かった」
「それでは失礼いたします」
そういってアルバート神官長は部屋を出て行った。
どうしたんだろう。怒ってる……わけじゃないよね? 私のわがままを、聞いてくれるのかな。
でもどうやって?
「あいつが俺に頼みをするなんてな。珍しくやる気がある様だ」
「え? アルバート神官長はいつも真面目な人ですよ?」
「あいつは与えられた仕事は忠実にこなす。だが自ら行動する事は滅多にない」
「そうなんですか? なんだか意外です」
「ま、そんなあいつの頼みだ、妻が迎えに来たら神殿まで送ろう」
「はい、ありがとうございます」
……レオン長官って結婚してるんだ。
しばらく研究所を見学していると、奥さんが迎えに来た。
スゴイ美人だった……。
化学技術庁に行ってから数日後、アルバート神官長が部屋に入ってきた。
「聖女様、この書類をご確認ください」
渡された書類は、ヴァルプールへの派兵計画書だった。
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