【完結】私よりも妹が大事なんですか?~捨てる親あれば拾う王子あり~

如月ぐるぐる

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7話

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「なによあの2人! アシュリーの話を全然聞かないで!」

 学園が終わった放課後、私はナンシーと一緒にお茶を飲んでいた。
 ここは穴場的なカフェテリアで、あまり人は多くないけど、常にお客さんが入っている。
 
「そ、そんなに興奮しないで? ほら、ケーキが来たわよ」

 店員さんがケーキと紅茶を運んできてくれた。
 私はチョコレートケーキとミルクティー、ナンシーはレアチーズケーキとコーヒーだ。
 ケーキとお茶に舌鼓を打ちながら、至福の笑顔で頬をおさえる。

「ん~! 今日のケーキも最高ね」

「ええ、毎日でも食べたいわね」

「でもそれはそうと、一体2人のバカコンビはどうしちゃったんだろう」

「そうね、アレンはまだしも、ローランがあそこまで感情的になるなんて、一体どうしたのかしら」

 2人とのやり取りを思い出してみる。
 なぜか私がジャネットの結婚に条件を出したり、召使いになれとか言った事になってたわ。
 それに……毎日ジャネットが学園に許しを請いに来ていた?
 
 エリックに婚約破棄をされた日以来、ジェネットが来てた事を知らなかったのに。
 それに……え? そういえば2人は『ジャネットが言っていた』って言っていたけど、ジャネットと2人は知り合いだったの?
 どこで知り合ったの? 学園で? 街で? 家で?

 街で会うと言っても、アレンもローランも放課後は私達と遊んでいたし、家に来たら私だって気が付くはず……それなら学園で?
 学園でジャネットと2人が会うと言っても、私服のジャネットが学園に来たら目立つし、制服を着ているとしたらあの時以降……え? まさか私がアレンとローランに会っていなかった数日の間に、ジャネットと知り合って、あそこまでの信頼を得たという事?

 ジャネット……人に取り入るのが上手な子だとは思っていたけど、そこまでした私の邪魔をしたいの?

「……い。 アシュ……」

 でもどうして? 昔は確かに私の物を欲しがっていたけど、他人に何かをしてまで欲しがりはしなかったはず。

「おー……リー」

 最近? そういえばお父様とお母様が何かを言っていたような……。

「アシュリー! ねぇ聞いてるの!」

「ひゃぁああ! え? あ、ごめんなさい、考え事をしていたわ」

 ナンシーに肩を叩かれて、思わず悲鳴を上げちゃった。
 いけないイケナイ、今はナンシーと居るのに考えこんじゃったわ。

「それでね? 私、あの2人をぶん殴ってやろうかと思うのよ」

「そ、それはやめた方がいいと思うわよ?」
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