【完結】男爵令嬢が気にくわないので追放したら、魔族に侵略されました

如月ぐるぐる

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23話 エピローグ

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 各国の魔族退治も終わり、後は魔の森の封印をしっかりしたら大丈夫、と思ってたけど、お父さまの話では、当分魔界の門は開かないだろうから、出てきた魔族の対処だけで問題はない、そうだ。

 ウチの両親は魔界で何をやってきたんだろう……。

 でもこれで安心して結婚式の案内状が書ける。

 同盟国や近隣諸国に招待状を送ると、凄い速さで参加表明をしてくれた。

 それどころか、招待状を送っていない国からも『参加させてくれ』と連絡が入っている。

 名前は知ってるけど、どんな国かも知らない王族が来るってどうして? ハインツ様は来てもらえば良いと言ってるからいいけど、う~ん、祝福してくれるならいっか。

 ちなみに家は実家のすぐ隣に建てた。というか陛下が建ててくれた。

「早く孫の顔を見せてくれよ? はっはっはぁ~」

 とか言われちゃったけど……がががが、がんばる!

 式の準備は大変だったけど、準備の傍らで、ハインツ様はお父さまに弟子入りをし、メキメキと実力を付けている。

 以前からお父さまが教えていたらしいけど、本格的に教え出したらその成長速度が面白く、ついついやり過ぎてしまう事もあった。

 でもハインツ様は次の日には確実に強くなっていて、いずれはお父さまと双璧をなすとかどうとか……。

 負けてられないわね!




 そして迎えた結婚式当日。

 ウェディングドレスをまとった私は……別人じゃない? コレ。

「ジェニファーキレイだわ」

「私の最初の娘がアナタで良かったわ。ハインツの最大の功績ね」

 お母さまと王妃様が褒めてくれる。て、照れる! でも嬉しい。

「さぁジェニファー、ハインツ様に見てもらいなさい」

 ちょっと恥ずかしかったけど、小走りでハインツ様の元へ向かった。

 ハインツ様の部屋の扉を開けると……美男子イケメンが居た。
 
 お互いに照れながらも褒め合い、仲良く式場へ向かった。

 そうそう、結局式には50カ国以上もの首脳が出席し、大変だったけどみんなが祝福してくれる。

 ううっ! こんなに幸せでいいのかな!? い、いいよね? 幸せになっていいよね?





 式からしばらく時間が経過し、ハインツ様は今日もお父さまと魔の森に入っている。

 私は、大きくなったお腹をなでながら、子供用の服を編んでいる。

「ジェニファー、お茶が入ったわよ」

「ありがとうお母さま。って、お母さまも安静にしてなきゃダメじゃない」

「そうね、私もゆっくりお茶を飲むわね」

 私と時を同じくして、お母さまも妊娠した。

 本当に……魔界で何やってたのよ!

 でも、そっか~、自分の子供と同じくらいの弟が出来るんだ~。

「ジェニファー、私は不安だわ……」

「どうしたの?」

「だって、子供が生まれるっていうのに、おばあちゃんになっちゃうのよ? 孫の真似をして、自分の子供もおばあちゃんって呼んだらどうしようかしら」

「それは諦めてもらうしかないわね」

「そうだ、孫にもお母さまって呼んでもらおうかしら」

「え? じゃあ私は何て呼ばれるの?」

「お姉ちゃん?」

「それじゃ姉弟じゃない!」

 もう! お母さまったら、もう!

「ただいま~」

「ただいま戻りました」

 ハインツ様とお父さまが返ってきた。

「お帰りなさいアナタ」

「ただいまカタリナ、そして我が子よ」

 お母さまのお腹をなでてる。この2人、いつまで経っても恋人みたい。

「ハインツ様お帰りなさい!」

「ただいまジェニファー。それと、そろそろ私の事もアナタと呼んでくれないか?」

 私は未だにハインツ様としか呼べていない。あああ、アナタなんて……新婚さんみたいで……新婚だけど。

「ほらほらアナタ、アナタが2人になったわ。両手に花ね」

 お母さまがハインツ様と腕を組み、お父さまとも腕を組んで笑ってる。

「ダ、ダメ! ハインツ様は私のアナタなの!!」

 急いで奪い返して抱き付いた。

「ジェニファー、もう一回呼んで?」

 ……あ、勢いで呼んじゃった。

「あ、あ、あ……あな……た」

「ジェニファー、お腹の中の子、ただいま」

 お腹に耳を当ててる。あ、いま動いた。

「ところでアナタ? アレは何かしら?」

 お母さまが玄関を指差すと、そこには10歳位の男の子がいた。

「おお忘れていた。ほら、覚えてないか? 魔界の支配者だよ」

 へぇ~魔界の支配者なんだ~……!?!?!?!?!????!!??

「魔界の支配者!? なんでそんなのがここに居るの!?」

「ジェニファー落ち着いて、どうやらこの支配者、悪魔としての力が無い様なんだ」




 イマイチ理解できてないけど、この支配者は間違いなく人間で、支配者としての力を失っているらしい。

 なんで?

「魔の森でね、魔界への門が開いたから急いで見に行くと、コイツが倒れてたんだ。魔素が無くても生きているのは、やっぱり人間の体だからだろうな」

「う~ん……ここはどこだ? は! お前らはマイヤー一家!」

 支配者が目を覚ました。なんだか、子供なのにお爺ちゃんみたいな声してる。

「目覚めたか? どうして門を開けてこっちに来たんだ?」

「どうしてもこうしてもあるか! お前たちに一矢報いねば、支配者としての沽券こけんにかかわる!」

「私達に負けた時点で、もう沽券も威厳も無くなっているわよ?」

「ぐ……! そういえばこの2人は何者だ? ハ! まさかお前たちの子供か! 子供ならば力の弱った私でも!!」

 なんだか襲ってきたけど、ハインツ様のチョップで撃沈した。

「ぐおおおぉぉぉ……」

 頭を押さえて唸ってる。

「バカね、ハインツ様は上級魔族相手なら勝てるんだから、のアナタが勝てるはずないでしょ?」

 あれ? 動かなくなった……わ、泣きだした。情緒不安定なのかな。

「と言う訳で、この支配者は暫く家に置こうと思う。魔力だけはあるから、私とハインツが出かけている時には、2人の小間使いとして使ってくれ」

「まぁ丁度良かったわ。お茶を入れてくれる人が欲しかったのよ」

 なんだか凄く呑気なこと言ってるけど……お父さまとお母さまが言うならいいかな?

 こうして一足早く家族が増え、ますます家の中は賑やかになった。
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感想 114

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みんなの感想(114件)

dragon.9
2021.04.18 dragon.9

面白かった〜!
おバカな支配者も可愛いし、規格外家族もたのしーし!
番外編とかないですか?
もっと読みたいです!

2021.04.18 如月ぐるぐる

ありがとうございます!
番外編ですか、気が向いたら書いてみますね!

解除
長月やなぎ
2020.08.14 長月やなぎ

おもしろくて全話一気読みしました

でですね、スッゴく今さらかも知れませんが
あらすじの最後の部分に「カール家」ってあるんですが……
誰?

2020.08.14 如月ぐるぐる

あーこれはお父さまの名前ですね。カール・マイヤー男爵なので、間違えて書いたようです。
直しておきます~。

解除
シゲアキ
2020.07.26 シゲアキ

一気に全話読んでしまいました。
ジェニファーとハインツ元王子、そして新たに産まれる弟とマイヤー辺境伯で、しばらくは安泰そうだ!
マイヤー家を追放し、国を滅ぼしかけた公爵以下取り巻きは鉱山で強制労働で、女達はその鉱夫達に又開いて娼婦になるのかな?

2020.07.26 如月ぐるぐる

女たちはどうでしょうね~。囚人たちは体が弱ってるし、見張りの慰み者?

解除

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