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66 勇者の不安 侵略者
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その日の晩は久しぶりに5人で食事をしました。
落ち着きますね。やはり我が家は良いものです。
「んでさ、ロビーフランは随分と強くなったけど、結婚すんのか?」
「なんでくっ付けて呼ぶのさ」
「どうせセットだろ?」
どうせセットだろ、ですって? マットあなたという人は……悪い気はしませんね。
しかし結婚したいのは山々ですが、ロビーは満足しているのでしょうか。
「そうだね、確かに頃合いかもしれない。それに、今を逃すと結婚できなくなるかもしれないし」
「……ロビー? それはどういう意味でしょうか」
全員がロビーを見ています。
結婚できなくなるとはどういう事でしょうか。
「フラン、先代たちに聞いたんだけど、勇者の【後の先】というスキルは、あれは実は勘なんだ」
「勘ですって? 勘であんな正確な反撃が出来るのですか?」
「それをスキル化する事で、見えてもいない攻撃にも反撃できるようになるみたい。それでね、その勘が言ってるんだ、侵略は近いってね」
「そんな筈はありません! 未来視の出来る【先見の明】にはそんな反応は……!?」
な、なんですかこのビジョンは!
もう少し先ですが、間違いなく異形の物が攻めてくるのが見えます。
そんな事が……【先見の明】は聖女の力が増せば遠い未来まで見えるようになります。
先代聖女たちは侵略は当分ないと言っていたのに……なぜ。
「やっぱり見えたんだね。勘は……当たってたんだ」
「まてロビー。お前は【先見の明】よりも正確に未来を予測したという事か?」
「ううん、全然正確じゃないよ。漠然とした不安だったんだ、でも勇者たちに会って、同じ不安を感じているのを知ったんだ。勇者が不安に思う事って言ったらソレしかないからね」
その通りです。
勇者と聖女の主な役割は、異世界の侵略者からこの世界を護る事。
それが一番の目的なのです。
「しかし、しかし! どうして【先見の明】では見えなかったのですか!? 母聖女は侵略は無いと言っていたのですよ!!!」
「僕にも分からない。ただ言える事は、異世界の侵略者は毎回同じ奴なんじゃないかって。同じ世界から侵略してくるから、戦った情報が共有されて、対策をしてきたんじゃないかって、そう思うんだ」
「え? え? え? ちょっと待てってばよ、それじゃ勇者の【後の先】も聖女の【先見の明】も、すでに対策されて通用しないかもって事なのか?」
「……考えたくないけどね」
何という事でしょう。異世界の侵略者に対して勇者・聖女は有効ではないと、すでに対策をされてしまったというのですか?
では侵略が開始された場合、私達は対処できるのでしょうか。
「ね、ねぇ~? 異世界からの侵略って~、どんな人が来るの~? 軍隊みたいにたくさん来るの~?」
どんな人が来るか……人なのかも分かりませんが、個で来るのか集団でくるのか、それによって対処方法は変わりますね。
しかし今それを知るのは経験のある祖父勇者・祖母聖女だけでしょう。
「あ、レッドは何か知ってる?」
「爺さんから聞いた話しだと、まるで悪魔の様で巨大な体を持つ個体だったそうだ。集団では無かったらしい」
悪魔の様な巨大な敵ですか。考えたくもありませんね。
しかしそうですか、個であれば固有スキルを使えなくても、他の技でフォローや対処が出来るかもしれません。
沢山の敵がこちらに対しての対策を済ませるという、最悪の事態は避けられるようです。
「でももう一度勇者・聖女で集まった方がいいかもね。特に今回はイレギュラー過ぎるよ」
「そうですね。場合によっては3代の勇者・聖女が、揃って対処しなくてはいけないかもしれません」
そうです。勇者も聖女も一人ではありません。
特に父勇者と母聖女は現時点で最強の能力を持っていますから、何らかの対処方法を知っているかもしれません。
「明日、もう一度勇者宅へ戻りましょう。そして作戦を練らなくてはなりません」
落ち着きますね。やはり我が家は良いものです。
「んでさ、ロビーフランは随分と強くなったけど、結婚すんのか?」
「なんでくっ付けて呼ぶのさ」
「どうせセットだろ?」
どうせセットだろ、ですって? マットあなたという人は……悪い気はしませんね。
しかし結婚したいのは山々ですが、ロビーは満足しているのでしょうか。
「そうだね、確かに頃合いかもしれない。それに、今を逃すと結婚できなくなるかもしれないし」
「……ロビー? それはどういう意味でしょうか」
全員がロビーを見ています。
結婚できなくなるとはどういう事でしょうか。
「フラン、先代たちに聞いたんだけど、勇者の【後の先】というスキルは、あれは実は勘なんだ」
「勘ですって? 勘であんな正確な反撃が出来るのですか?」
「それをスキル化する事で、見えてもいない攻撃にも反撃できるようになるみたい。それでね、その勘が言ってるんだ、侵略は近いってね」
「そんな筈はありません! 未来視の出来る【先見の明】にはそんな反応は……!?」
な、なんですかこのビジョンは!
もう少し先ですが、間違いなく異形の物が攻めてくるのが見えます。
そんな事が……【先見の明】は聖女の力が増せば遠い未来まで見えるようになります。
先代聖女たちは侵略は当分ないと言っていたのに……なぜ。
「やっぱり見えたんだね。勘は……当たってたんだ」
「まてロビー。お前は【先見の明】よりも正確に未来を予測したという事か?」
「ううん、全然正確じゃないよ。漠然とした不安だったんだ、でも勇者たちに会って、同じ不安を感じているのを知ったんだ。勇者が不安に思う事って言ったらソレしかないからね」
その通りです。
勇者と聖女の主な役割は、異世界の侵略者からこの世界を護る事。
それが一番の目的なのです。
「しかし、しかし! どうして【先見の明】では見えなかったのですか!? 母聖女は侵略は無いと言っていたのですよ!!!」
「僕にも分からない。ただ言える事は、異世界の侵略者は毎回同じ奴なんじゃないかって。同じ世界から侵略してくるから、戦った情報が共有されて、対策をしてきたんじゃないかって、そう思うんだ」
「え? え? え? ちょっと待てってばよ、それじゃ勇者の【後の先】も聖女の【先見の明】も、すでに対策されて通用しないかもって事なのか?」
「……考えたくないけどね」
何という事でしょう。異世界の侵略者に対して勇者・聖女は有効ではないと、すでに対策をされてしまったというのですか?
では侵略が開始された場合、私達は対処できるのでしょうか。
「ね、ねぇ~? 異世界からの侵略って~、どんな人が来るの~? 軍隊みたいにたくさん来るの~?」
どんな人が来るか……人なのかも分かりませんが、個で来るのか集団でくるのか、それによって対処方法は変わりますね。
しかし今それを知るのは経験のある祖父勇者・祖母聖女だけでしょう。
「あ、レッドは何か知ってる?」
「爺さんから聞いた話しだと、まるで悪魔の様で巨大な体を持つ個体だったそうだ。集団では無かったらしい」
悪魔の様な巨大な敵ですか。考えたくもありませんね。
しかしそうですか、個であれば固有スキルを使えなくても、他の技でフォローや対処が出来るかもしれません。
沢山の敵がこちらに対しての対策を済ませるという、最悪の事態は避けられるようです。
「でももう一度勇者・聖女で集まった方がいいかもね。特に今回はイレギュラー過ぎるよ」
「そうですね。場合によっては3代の勇者・聖女が、揃って対処しなくてはいけないかもしれません」
そうです。勇者も聖女も一人ではありません。
特に父勇者と母聖女は現時点で最強の能力を持っていますから、何らかの対処方法を知っているかもしれません。
「明日、もう一度勇者宅へ戻りましょう。そして作戦を練らなくてはなりません」
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