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57 絶体絶命 復活
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「ロビー!」
私がロビーを見た瞬間、エステバンがロビーの胸に吸い込まれるように入っていきました。
なにが起こったというのですか!? まさか力が足りないと感じたエステバンが、ロビーの体を乗っ取ったとでも言うのでしょうか。
この事態には私だけでなく、レッドもブラックさえも動きを止めて見ています。
「なんだ……? おいブラック、アイツはお前なんだろう? 何をしたんだ」
「……俺に聞くな。俺の片割れとはいえ、何を考えているかなんて知らん」
「ロビー! ロビー大丈夫ですか!? しっかりしてください!」
ロビーが苦しそうに膝をついて唸っています。
「ロビー! 私の声が聞えますか? 意識はありますか!? ロビー、ロビー返事をしてください!」
ロビーは唸ったまま口を開くことはなく、唸り声は次第に大きくなっていきます。
スキルを使ってロビーの状態を調べますが、見た事のない状態でした。
体の各場所が……作り変えられていきます。
なにを……何を変更しているというのですか!?
【先見の明】でも先が見えず、ロビーの唸り声は叫び声へと変わり、上を向いて白目をむき、口からは泡をふいています。
「エステバン! 何をしようとしているのですか!? やめてください! 止めるのです!」
暴れるロビーを抱きかかえて必死に抑え込みますが、体の大きさが違いすぎて抑えきれません。
ロビーの体にエステバンが入り、邪魔者は消えたとばかりにブラックが攻勢に出ました。
エステバンがいない今、私でもブラックを抑える事は出来ません。
もちろんレッドにもマットにもケイにも抑える事は出来ません。
ひたすら守りを固めていますが、だめです、それすらも簡単に打ち破ってしまいました。
3人が吹き飛ばされ、次はお前達だと言わんばかりにブラックが私達に近づきます。
ロビーをかばうように立ち、剣をブラックへ向けて攻撃魔法の詠唱に入りました。
剣の間合いの外からでも【後の先】のカウンター攻撃は届きますので、不用意に撃てば返り討ちにあってしまいます。
ブラックの能力を低下させる魔法はすでにケイが掛けたはずですが、それでもなお私達よりも圧倒的な強さを誇る勇者……覚悟を……決めるしか無いのでしょうか。
【先見の明】を常時発動し、未来を見ながら攻撃を開始します。
私が魔法を放つとブラックは逆属性の魔法で打ち消し、更に追加で魔法を放つビジョンが見えました。
なのでそれをかわして次の魔法を放つのですが、放つ前にブラックの剣が私の首を捉える……そんなビジョンが見えます。
ならば魔法ではなく剣で防御をしますが、私の剣速では間に合わず……。
ダメです……何をやってもかないません。
このままではロビー以外の男性に奪われてしまいます。
殺されないだけマシ……いえ、殺された方がマシです!!!
魔法を複数発動させ、いくつもの属性の魔法で同時攻撃をします!
これならば少しはブラックに通用するのではありませんか!?
10種類以上の魔法を撃ち、全てがブラックに命中します。どうですか! 魔法戦ならば勇者よりも聖女の方が上です!!!
「大人しくしろ。お前だけは殺さないでいてやる。素直に俺の物になれ」
煙の中から無傷のブラックが歩いてきます。
今の攻撃でも……ダメなのですか? 個人に対する攻撃としては、今の私の最大の攻撃なのに。
ブラックの手がゆっくりと私の首に伸びます。
動けません。
攻撃をしたらカウンターを食らい、逃げても追いつかれます。
そんなビジョンしか……見えません。
しかし突如として2本の剣が目の前で交差しています。
これは……? 1本はブラックの剣、そしてもう1本は……。
「ロビー?」
いつの間にかロビーが立ち上がり、ブラックの剣を受け止めていました。
どういう事でしょうか。ブラックが【後の先】で攻撃をしてきません。
これではまるで……エステバンの様に【後の先】を使った時と同じではありませんか!!!
「フランは渡さない」
怒りのこもった声で、真っ赤に光る眼でブラックを睨みつけます。
「ロビー……なのですか?」
「心配かけてゴメン。でも……多分、いやきっと大丈夫だから」
ブラック一歩下がって剣を引き、目を細めてロビーを見ています。
今ばかりはブラックと同じ気持ちです。
一体どうなっているのでしょうか。
試しとばかりにブラックが攻撃をしてきますが、その全てを【後の先】で返し、何度も何度も剣戟が繰り広げられています。
そしてロビーは魔法を発動させ、ブラックの足元をぬかるみに変えました。
間違いありません。剣士のロビーは魔法を使う事は出来ません。
つまり……勇者、なのですか?
私がロビーを見た瞬間、エステバンがロビーの胸に吸い込まれるように入っていきました。
なにが起こったというのですか!? まさか力が足りないと感じたエステバンが、ロビーの体を乗っ取ったとでも言うのでしょうか。
この事態には私だけでなく、レッドもブラックさえも動きを止めて見ています。
「なんだ……? おいブラック、アイツはお前なんだろう? 何をしたんだ」
「……俺に聞くな。俺の片割れとはいえ、何を考えているかなんて知らん」
「ロビー! ロビー大丈夫ですか!? しっかりしてください!」
ロビーが苦しそうに膝をついて唸っています。
「ロビー! 私の声が聞えますか? 意識はありますか!? ロビー、ロビー返事をしてください!」
ロビーは唸ったまま口を開くことはなく、唸り声は次第に大きくなっていきます。
スキルを使ってロビーの状態を調べますが、見た事のない状態でした。
体の各場所が……作り変えられていきます。
なにを……何を変更しているというのですか!?
【先見の明】でも先が見えず、ロビーの唸り声は叫び声へと変わり、上を向いて白目をむき、口からは泡をふいています。
「エステバン! 何をしようとしているのですか!? やめてください! 止めるのです!」
暴れるロビーを抱きかかえて必死に抑え込みますが、体の大きさが違いすぎて抑えきれません。
ロビーの体にエステバンが入り、邪魔者は消えたとばかりにブラックが攻勢に出ました。
エステバンがいない今、私でもブラックを抑える事は出来ません。
もちろんレッドにもマットにもケイにも抑える事は出来ません。
ひたすら守りを固めていますが、だめです、それすらも簡単に打ち破ってしまいました。
3人が吹き飛ばされ、次はお前達だと言わんばかりにブラックが私達に近づきます。
ロビーをかばうように立ち、剣をブラックへ向けて攻撃魔法の詠唱に入りました。
剣の間合いの外からでも【後の先】のカウンター攻撃は届きますので、不用意に撃てば返り討ちにあってしまいます。
ブラックの能力を低下させる魔法はすでにケイが掛けたはずですが、それでもなお私達よりも圧倒的な強さを誇る勇者……覚悟を……決めるしか無いのでしょうか。
【先見の明】を常時発動し、未来を見ながら攻撃を開始します。
私が魔法を放つとブラックは逆属性の魔法で打ち消し、更に追加で魔法を放つビジョンが見えました。
なのでそれをかわして次の魔法を放つのですが、放つ前にブラックの剣が私の首を捉える……そんなビジョンが見えます。
ならば魔法ではなく剣で防御をしますが、私の剣速では間に合わず……。
ダメです……何をやってもかないません。
このままではロビー以外の男性に奪われてしまいます。
殺されないだけマシ……いえ、殺された方がマシです!!!
魔法を複数発動させ、いくつもの属性の魔法で同時攻撃をします!
これならば少しはブラックに通用するのではありませんか!?
10種類以上の魔法を撃ち、全てがブラックに命中します。どうですか! 魔法戦ならば勇者よりも聖女の方が上です!!!
「大人しくしろ。お前だけは殺さないでいてやる。素直に俺の物になれ」
煙の中から無傷のブラックが歩いてきます。
今の攻撃でも……ダメなのですか? 個人に対する攻撃としては、今の私の最大の攻撃なのに。
ブラックの手がゆっくりと私の首に伸びます。
動けません。
攻撃をしたらカウンターを食らい、逃げても追いつかれます。
そんなビジョンしか……見えません。
しかし突如として2本の剣が目の前で交差しています。
これは……? 1本はブラックの剣、そしてもう1本は……。
「ロビー?」
いつの間にかロビーが立ち上がり、ブラックの剣を受け止めていました。
どういう事でしょうか。ブラックが【後の先】で攻撃をしてきません。
これではまるで……エステバンの様に【後の先】を使った時と同じではありませんか!!!
「フランは渡さない」
怒りのこもった声で、真っ赤に光る眼でブラックを睨みつけます。
「ロビー……なのですか?」
「心配かけてゴメン。でも……多分、いやきっと大丈夫だから」
ブラック一歩下がって剣を引き、目を細めてロビーを見ています。
今ばかりはブラックと同じ気持ちです。
一体どうなっているのでしょうか。
試しとばかりにブラックが攻撃をしてきますが、その全てを【後の先】で返し、何度も何度も剣戟が繰り広げられています。
そしてロビーは魔法を発動させ、ブラックの足元をぬかるみに変えました。
間違いありません。剣士のロビーは魔法を使う事は出来ません。
つまり……勇者、なのですか?
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